連載「カナルタ　コトハジメ」#9 アマゾン熱帯雨林で映画を撮りたい。じゃあ、どうする？

＊2021年10月2日（土）より全国のミニシアターで劇場公開されるドキュメンタリー映画『カナルタ　螺旋状の夢』。僕自身がひとりでアマゾン熱帯雨林に飛び込み、かつて「首狩り族」として恐れられていたシュアール族と呼ばれる人々の村に１年間住み込んで撮った映画です。この連載では、『カナルタ』をより深く味わってもらえるように、自分の言葉でこの映画にまつわる様々なエピソードや製作の裏側にあるアイデアなどを綴っていきます＊

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前回記事：https://note.com/akimiota/n/nad49dd93b5fd

２０１４年、僕は人生の帰路に立っていた。社会科学高等研究院（EHESS）での人類学修士課程で最終年（２年目）の折り返し地点を迎え、修士論文執筆に向けた研究活動がますます忙しくなることに加え、卒業後に自分が何をするのかも考えなければならない段階に来ていた。場合によってはビザの更新手続きや新たな国への移動に向けた準備が必要なこともあり、悠長に構えている時間はあまりなかった。