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【随時更新予定】HPVとHPVワクチンのよくある勘違い

HPVワクチンの長期の有効性は○○年だから、接種する時期を遅らせたほうが良い?

 HPVワクチンの長期の有効性が確立していないほど長く効果があるので、時期を遅らせる必要はありません。

5.5 本剤の予防効果の持続期間は確立していない

ガーダシル添付文書

(女性よりも)男性にこそHPVワクチンを接種すべき?

 HPV感染症は性別を問わずヒトが罹患することと、HPVワクチンを接種した本人にワクチンの利益があることから、性別に関わらずHPVワクチンを接種して良いです。
 ウイルスに感染する前にワクチン接種すると、得られる利益が大きいため、薬事承認されている年齢(9歳または10歳)からできるだけ早いタイミングで接種することが望ましいです。現在日本では、12歳~16歳相当の女子が定期接種の対象となり、接種費用を公費で負担してくれるため、ぜひ活用しましょう。
 HPV感染症の負担という観点では、子宮頸がんが最も重く、また、HPVと子宮頸がんの関係性が最初に発見されたことから、供給面や制度面などで制約がある状況では、男性よりも女性を優先するべきでしょう。

男性に子宮は付いてないのでHPVワクチン(子宮頸がんワクチン)を男性に接種する意味がない?

 HPV感染症は性別を問わずヒトが罹患するので、男女ともに接種する意味があります。
 例えば、陰茎がんは男性のみ、肛門がん、中咽頭がんは男女に共通するがんで、尖圭コンジローマは男女に共通する良性のイボです。これらの疾患はワクチンで予防できるタイプのHPVが原因になっています。
 ちなみに、薬事承認上の効能効果としては、4価ワクチンで以下のとおりです。

4.効能又は効果
 ヒトパピローマウイルス6、11、16及び18型の感染に起因する以下の疾患の予防
 ○子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))
 ○外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3
 ○肛門癌(扁平上皮癌)及びその前駆病変(肛門上皮内腫瘍(AIN)1、2及び3)
 ○尖圭コンジローマ

ガーダシル添付文書

子宮頸がん検診で予防できるのでHPVワクチンは不要?ワクチン打てば検診は不要?

 ワクチン接種と検診、どちらも100%の効果があるわけでないので、一次予防としてのワクチン接種と二次予防としての子宮頸がん検診を両方とも充実させることが子宮頸がん予防に重要であるとされています。

コンドームを付ければHPV感染が防げる?

 コンドームでHPV感染リスクを下げることができますが、コンドームで覆われていない場所から感染するためコンドームで防ぎきることはできません。
 ワクチン接種が最も現実的で効果的な感染予防の方法です。

性的デビューはまだ先のことだから、今HPVワクチンを接種する必要はない?

 性的デビューがいつなのか分からないので、性的デビュー前の人が多い年齢でのワクチン接種が定期接種(12歳~16歳相当の女子)として推奨されています。

男子へのHPVワクチンは公費負担にならないの?

 2023年5月現在、厚生労働省で検討中です。しばらくお待ち下さい。

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