ZINE『ヨソモノ 横須賀ぐらし。』発刊から1か月の振り返りと、増刷を支えてくれた皆さまへの感謝の気持ち。/ヨソモノ、ヨコスカ。#09
2024年4月1日、私にとって初めてのZINE『ヨソモノ 横須賀ぐらし。』を、無事に発刊することができました。
※発刊前の顛末については、過去記事でご覧ください。
参加してくれた仲間たちの寄稿文も写真もとてもステキで、自分としては胸を張ってお届けできる内容になったと思っています。
それでもやはり発刊前は「手に取ってくれる人はいるんだろうか?」という不安が山盛り……というのが正直な心境でした。
しかし、まさかの1週間で増刷決定。予想外の展開過ぎて、このときはだいぶ頭がバグりました。
そして、多分というか決定なんですけど、近々もう一度増刷します。
……こんなことあるんですね。
嬉しいのはもちろんなのですが、完全にわたしの想像を超え過ぎて、状況を飲みこむまでにけっこう時間がかかりました。
もちろん万単位の冊数が動く商業出版とはケタが違います。
しかし最初は「仮に1日1冊買ってくれる人がいたとして、1年で365冊か~」みたいな牧歌的妄想をしていたものですから、そういう数をあっという間に超えてしまって、発売後の1カ月は毎日がびっくりの連続でした。
制作の裏側的なアレコレは、別途触れていこうと思うのですが、今回はまずお礼が言いたくてですね。誰に、というのは「横須賀」というキーワードでつながってくれた人たちに、です。
「つながり」みたいな語を書くと、地元で顔が広い人みたいに誤解されそうですが、むしろ真逆(横須賀のZINEを出しておいてなんですが)なんです。基本はたいていひとり行動。自分のアンテナに反応した場所に黙々と趣くスタイルで街をうろついてきた、名もなき移住者が私です。
そんな個人活動のZINEに対して、今回どれだけたくさんの方が手を差し伸べてくれたか。本当に、本当に、そのパワーに助けられました。
たとえば、『ヨソモノ』の存在が周知された契機のひとつは、『タウンニュース横須賀版』に取り上げていただいたことでした。
ZINEの発行前後、それぞれのタイミングに記事を掲載していただけた影響で、取扱い書店にも「タウンニュースを見て」と足を運んでくれた方がたくさんいらっしゃった、と聞いています。
この取材を担当くださったのは支社長・編集長の安池裕之さんで、こちらが恐縮するほど軽やかなフットワークで、多大なるお力添えをいただきました。
※タウンニュースと安池さんが登場するこの記事もぜひご覧ください!
でもなぜ、タウンニュースにお取り上げいただけたのかと言いますと、それは「市内でこういう活動をしている人がいるよ」と編集部に伝えてくださった方がいたから。その人こそ、Yahoo!エキスパートの「うみのとなり」さん(まさに上記の記事も執筆されています)。
市内のお店やイベントを精力的に取材していらっしゃる、横須賀の人気インフルエンサーです。横須賀ぐらしにおいて、うみのとなりさんの記事を何度読ませてもらったか分かりません。ありがたいことに、noteのマガジン『ヨソモノ、ヨコスカ』を読んでくださっていたそうですが、このようなサポートをいただけるなんて感激してしまいました。
正式な発売日は4月1日でしたが、「まずは地元でいち早く」という思いから、上町の書店『AMIS』さんにて3月31日より先行発売を開始。
この「最初の1週間」でに手に取ってくださった人たちが、SNSの投稿を通じて感想を投稿してくれたことが、波及効果を生んだと確信しています。
なにしろ、『ヨソモノ』の表紙が映った投稿を初めて目にしたときの感動は未だに忘れられませんですよ。
ZINE制作の進捗については、たびたびSNSでシェアしていたのですが、そういった投稿を心に留め、わざわざ店頭まで趣き、購入までして下さった方たちが実際にいる。その事実にどれだけ勇気をもらったか。
先行発売当日に投稿してくださったひとり、船越で不定期に読書のできる空間を開室している『休憩室』さんは、翌日『横須賀三浦にまつわる独立系小冊子3選』の中の一冊として、心に残る書評を書いてくださいました。
その後もたくさんの方が、購入や読了報告と共に表紙の写真をアップしてくださって、ホントはいただいた投稿すべてをここに貼り付けたい気持ち!!心よりお礼申し上げます。
発刊を迎えるまで、どこか落ち着かない気持ちを抱えたまま過ごしてきましたが、投稿を拝読すると腹が据わりました。
作り手としてできることは精いっぱいやった以上、後の判断は読み手に委ねるしかないのです。それが、このようなありがたいお言葉であっても、もし残念な評価があったとしても、しっかり受け止めていこう、と。
4/28には、東京新聞の神奈川版にお取り上げいただく機会に恵まれました。
個人発行のZINEですから、誌面に小さく掲載されるだけでもありがたい、なんて正直思っていたところ、実際に割かれたスペースの大きさを目にして、ダンナとふたり、驚きで目を剥きました……!
発刊からおよそ1か月を経過したタイミングです。いったん落ち着くかと思えたZINEの動きが、記事をきっかけにまた活性化したというお声を店頭からいただきました。
前述どおり、地元人脈なぞ限られている私です。こうした動きは、xやnoteといったオンラインを介したつながりによるものがほとんどで、東京新聞の取材を担当くださった記者の砂上麻子さんもまた、SNSをきっかけにZINE制作を過程を気にかけてくれていたそうでした。
こんなふうに書くと、まるでたくさんのフォロワーを抱えている人かのようですが、『X』で言えば、ZINEの発売当時でもフォロワーは200人くらい。『Instagram』に至っては、ZINE発売に合わせて新たにアカウントを開設したので、ほぼゼロからのスタートという超零細アカウント。だからこそ驚きや感動が大きかった、というのもあります。
この頃、Xにこんな投稿をしていました。
ステキな仲間たちに力を貸してもらい、一生懸命作りました。
ぜひ読んでいただきたい、と思える仕上がりにできたと思います。
それはこちら側からすると「事実」なのだけれども、ではそういうZINEを手に取り、拡散やクチコミでの紹介をしてくださった人たちの根底に何が流れているかと言えば、それは「横須賀という街に対する思い」です。
私はソトから来たヨソモノとして、横須賀という街に魅力を感じたからこのZINEを作ったわけですが、その原動力の中には「ソトの人が見た横須賀の魅力」を言語化していきたい、という気持ちがありました。同時に「横須賀のナカにある魅力をソトの人に知ってほしいな」という思いも。
というのも、およそ5年間暮らしてみて、「ソトで聞く横須賀のイメージと、ナカで知る横須賀の魅力」および「ソトの人/ナカの人が話す横須賀の魅力」には差異がある、ように感じていたからです。
思うに、横須賀にゆかりを持つ人たちの心の中に「横須賀っていい街だから、観光以外の姿をもっと知ってほしいな」「観光以外の横須賀について、もっと知りたいのにな」といった願いがあり、図らずも「観光じゃない、横須賀ぐらし」に触れたこのZINEが、そういう気持ちに共鳴した。今回の現象には多分にそういうものが含まれている、という気がしてなりません。
最後に『ヨソモノ 横須賀ぐらし。』のある種ステートメントでもある、まえがき。を転載します。
『ヨソモノ 横須賀ぐらし。』を手に取ってくれた皆さま。改めまして、本当にありがとうございました。
この本をきっかけに、「自分にとっての横須賀はどんなところだろう」とか、横須賀に限らず「自分の住んでいる街はどんなムードを醸し出しているのかな」とか、「こういうところが好きだな」とか、都会に住んでいる人なら「地方都市に暮らすってどんな感じかな」とか、ひいては毎日の生活にあるささやかだけど大切な喜びや楽しみ、お気に入りの時間などに思いを馳せてもらえたら幸甚です。
そして、まだまだ販売は続けますので(笑)、これからもどうぞよろしくお願いいたします!(感想大歓迎です!)
追伸
5月19日(日) 文学フリマ東京38に参加します!
『ヨソモノ 横須賀ぐらし。』一冊入魂ですが、たくさんの出会いがありますように。お気軽にお声がけください!
※オンラインショップはこちらから。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。皆さんからの「スキ」やサポートががとてもはげみになります!