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Photo Story

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美しいと思った瞬間を瞬間をカメラでキリトリ、毎日ちょっとした小話と共に投稿しています。お暇な時にでもゆっくりご覧ください。
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2023年11月の記事一覧

Photo Story|紅榮-あかばえ-/Akabae

「紅榮-あかばえ-」 晩秋に色づく紅葉。 針葉樹の緑を覆っていくかのように 紅く染まる葉は燃え盛っていた。 秋の最後を飾るその姿。 葉が落ちるその時まで 紅く紅く紅く染まり続ける。 Photo Story前回の関連話。 静岡県島田市伊太地区にあるどうだん原。 ドウダンツツジの紅葉は この辺りの地域では11月中旬頃。 静岡に引っ越してきて2年まの秋だが 去年はすっかり見頃を逃してしまっていた。 今年は見頃を狙ってのチャレンジ。 ドウダンツツジは紅葉だけではな

Photo Story|紅燃-あかもえ-/Aamoe

「紅燃-あかもえ-」 赤く染まったドウダンツツジの紅葉。 もみじと比べると 小さい葉が印象的だけど それでも燃えるかのように 情熱的に紅く色づいていた。 Photo Story静岡県島田市伊太地区の山道の途中に 約8,000本のドウダンツツジが群生する 「どうだん原」というところがある。 春はすずらんのような白い花をたくさん咲かせ 夏は緑に生い茂り 秋は真っ紅に情熱的に染まる。 まさに季節の移ろいの中で 色々な姿を見せてくれるのがこの植物。 もみじのような紅い葉

Photo Story|細波-さざなみ-/Sazanami

「細波-さざなみ-」 川上から穏やかな風が吹く。 流れる川の水面にはその風に共振し、 ゆらゆらゆらと穏やかで優しい波が 幾重にも連なりながら岸辺に押し寄せていた。 何気ない光景なのだが どこか切なくも穏やかな気持ちの中で ただひたすらに 小さな細波を見つめていた。 Photo Story前回の続き。 大井川散歩シリーズ最終回。 水の写真の連投回。 水が創る瞬間のアートは カメラでしか切り取ることができない。 その美しさに気がついたのは とある浜辺の海の波

Photo Story|細流-せせらぎ-/Seseragi

「細流-せせらぎ-」 浅瀬を流れる川。 あちこちから ちゃぽちゃぽちゃぽと 水たちの話声が聞こえてくる。 僅かな強弱はあるものの その声は途切れることなく ずっと語りかけてくれる。 その声に身を委ねると 自然に心も體も癒されていく。 優しいせせらぎの世界の中で ただ時を忘れてぼーっと眺めていた。 Photo Story前回の続き。 大井川散歩シリーズ。 今回も水の写真。 川の水が浅瀬に転がる石を 優しく撫でるかのように乗り越えた際に 美しいせせらぎ音が発せら

Photo Story|水麗-みずうらら-/Mizuurara

「水麗-みずうらら-」 川のせせらぎ。 目を閉じれば 優しい音が鼓膜を包み込んで 心も頭も澄み渡るかのよう。 目を開けると 太陽に照らされて きらきらと水光が美しい。 水は飲むだけではなくて 心と体を整えてくれる調律師。 しばしの間 せせらぎに耳を傾けて きらきら光る水面に目を向けて 心を鎮めてただひたすら 水が作る世界に没頭していた。 Photo Story前回の続き。 大井川散歩シリーズ。 カメラ片手に持ち歩きながら 何を撮ろうかあたりを見渡す。 草木や

Photo Story|灯花-ともしばな-/Tomosibana

「灯花-ともしばな-」 ノゲイトウの花。 まるで 蝋燭に火がついたかのような花姿。 1本の株から たくさんの花をつける姿は まるで自然界にあるキャンドルスタンド。 夜は照らせないけど 明るい日差しの中でこそ 花先のピンクは燃えるように色づいていた。 Photo Story前回の続き。 前回の続き。 大井川散歩シリーズ。 この時期に見られる花の一つにノゲイトウがある。 過去にこの花の写真の PhotoStoryは掲載したのだが その時の花の形は少し違う。 ち

Photo Story|光河-ひかりかわ-/Hikarikawa

「光河-ひかりかわ」 穏やかに流れる川。 太陽の光が反射して 無数の光がきらきらと。 まるで 水と一緒に光も流れているよう。 その輝きは絶えることなく 光の河になっていた。 Photo Story前回の続き。 色々な植物たちや 可愛い鳥たちに出会えた大井川散歩。 でも何よりも美しいのは やっぱり川の景色。 大井川はその昔 暴れ川として名を轟かせており 一度氾濫すれば周辺地域は水浸しになるほど。 今では上流域にできたダムによって 暴れ川としてのその姿は見る影も

Photo Story|頭高-かしらだか-/Kasiradaka

「頭高-かしらだか-」 チチチッ チチチチチッ チチチッ すぐ側から 少し甲高い鳥の声が聞こえてくる。 辺りを見回して探してみると ちょこんと川原沿いの瓦礫に1羽が小鳥が。 チチチッ 徐に吹く風が 彼女の柔らかな羽毛を靡かせていた。 チチチチチッ 甲高くも優しいその声は 耳に障ることなく ただただ誰かを待っているようだった。 Photo Story前回の続き。 川原沿いにはたくさんの鳥たちがいる。 大きな鳥で言えば アオサギやコサギにカワウ、 空高くにはト

Photo Story|双子-ふたご-/Futago

「双子-ふたご-」 川原に生えていたカワラヨモギ。 なんとも不思議なことに 緑色に染まった葉と 赤色に染まった葉が 1本の株から生えていた。 同じ場所で同じ時を経ながら 同じように成長しているものの 違うのは色味だけ。 気がついていないだけで 植物たちにもたくさんの個性があって それを実は楽しんでいるんじゃないかなって なんとなくそう思えた瞬間だった。 Photo Story先日の晴れた土曜日。 珍しく風もなく この季節にしては温度も高め。 空は雲ひとつ

Photo Story|夕芒-ゆうすすき-/Yususuki

「夕芒-ゆうすすき-」 小高い丘の斜面を埋め尽くす芒たち。 海風に吹かれて 優しくゆらゆらと揺れながら 丘の向こうから包み込むように お日様の優しい日差しが芒たちを照らしていた。 Photo Story昨年の10月ごろ。 初めて静岡県は御前崎市に訪れた時の話。 駿河湾を一望できる マリンパーク御前崎というところは ちょっとした公園のように整備されている。 小高い丘には 長い長い滑り台があったり、 奥に行けば海を見渡せる展望台もある。 この海側の斜面にススキたち

Photo Story|宵闇-よいやみ-/Yoiyami

「宵闇-よいやみ-」 日が沈んだ先の空は まだ橙色を残しつつも、 世界は徐々に闇へと染まっていく。 一方で、 川の水面は空の明かりを 微かに反射させることで 闇の侵食を食い止めているようだった。 それももう後少し。 空が暗くなれば そこは全てが闇の中。 橋を渡り終えるその時まで、 もう少しだけ 空の明るさを集めておいておくれ。 もう少しだけ、 美しい姿のそのままでいておくれ。 あと、もう少しだけ…。 Photo Story昨日の話の続き。 夕焼けの富士山を見

Photo Story|洩陽-もれび-/Morebi

「洩陽-もれび-」 山の斜面に隠れた夕陽。 日が沈むその時まで大地を照らそうと 溢れんばかりに洩れ出る光が まるで黄金のような煌めきだった。 日が沈むその時まで 光は照らす全てを黄金に輝かしていた。 Photo Story一気に冷え込み始めた晩秋の今日この頃。 秋雨が降る度に より一層冬への訪れを感じさせる。 ここ静岡県島田市も 大井川から吹く河風が冷たくなり 外を出歩くのが少しだけ億劫になる。 とはいえ、 この時期は富士山がとても綺麗。 雨が降った後の晴れた

Photo Story|毬栗-いがぐり-/Igaguri

「毬栗-いがぐり-」 秋を代表する味覚の一つ。 ちくちく痛いいがいがは 中の実が熟すまで守る働きがあるそうな。 実が熟してくると ぱっくり口を開いて はいどうぞと言わんばかりに 食べごろを教えてくれる。 今年も美味しくいただきます。 Photo Story秋の味覚を代表する栗。 栗ご飯、栗きんとん、栗饅頭… どれもこれも美味しいものばかり。 栗拾いも 一度はしたことがある人は多いと思う。 僕も子供の頃は毎年のように、 兵庫県は丹波篠山の地域にて 家族と親戚た

Photo Story|綿毛-わたげ-/Watage

「綿毛-わたげ-」 すでに秋が深まるこの季節。 花はしぼみ、 草木は枯れていく中で 1輪の綿毛が佇んでいた。 今にも綿毛たちが 旅立っていくのを待っているかのように。 Photo Story最近道端を歩いていると 植物たちにすぐに目が行くようになった。 気がついていなかっただけで ほんと色々な植物たちがそこにいて 特にお花を見つけると ちょっぴり幸せな気持ちになる。 僅か数ミリ程度の小さな花でさえ 見逃さないほどセンサーはバッチリ。 そのため、 道を歩くとき