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Photo Story|宵闇-よいやみ-/Yoiyami

PENTAX KF f6.3 1/100s 18㎜ Siozuoka Simada
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「宵闇-よいやみ-」

日が沈んだ先の空は
まだ橙色を残しつつも、
世界は徐々に闇へと染まっていく。

一方で、
川の水面は空の明かりを
微かに反射させることで
闇の侵食を食い止めているようだった。

それももう後少し。

空が暗くなれば
そこは全てが闇の中。

橋を渡り終えるその時まで、
もう少しだけ
空の明るさを集めておいておくれ。

もう少しだけ、
美しい姿のそのままでいておくれ。

あと、もう少しだけ…。


Photo Story

昨日の話の続き。

夕焼けの富士山を見に、
静岡県島田市の蓬莱橋を渡っていた。

日が沈むその時まで
ひたすらに写真を撮り続けていたら、
あたりは既に暗くなり始めていた。

風も冷たく、
体もどんどん冷えてきたので
そろそろ帰ろうと歩き始める。

蓬莱橋の渡口に着いた時には
既に空は青暗くなっていた。

橋を照らす明かりは
緑色の小さな小さな光のみ。

誰一人として歩いていない中で
足早に向こう側へと歩き始めた。

木造橋の軋む音。

ギーギー
ギシギシ

時折、
木板が浮くような場所もあって
明るい時に歩くよりも恐怖度が増していた。

ほんの少しだけ緊張感を持たせながら
橋の下に川が流れているポイントに到達する。

ふと、
日が沈んだ方を見ると
そこには美しい宵闇に染まる世界が
目に映り込んできた。

緊張感は一気に緩み
あぁ…めちゃめちゃ綺麗や…。

思わず口から言葉がこぼれるくらい。

大井川の水面は
まだほんの少しだけ橙に染まる空の色を
しっかりと映し出していた。

どこかノスタルジックな気分に浸る。

思えば、
夕日の中でも一番好きな時間帯は
この宵闇時だ。

色々なものがシルエットになって
空の美しいグラデーションと共に
そのセットを見るのがとても好き。

今回は特に、
流れる川面の綾が明暗をくっきりさせて
より鮮明にシルエットが映し出されていた。

宵闇ならではの美しさ。

しばらくの間、
ぼーっと川を眺めながら
完全に日が沈むその時まで佇んでいた。

その後、
真っ暗になった世界の中で
ギシギシ軋む橋の上を歩く恐怖を
まだこの時は知る由もなかった。。。


ご覧いただきありがとうございました
どうぞ倖せが繋がりますように!

2023年11月20日


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