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【経営者インタビュー・後編】幕張PLAY株式会社 神長尊士さん・石井貴美子さん

幕張PLAY株式会社 神長尊士さん・石井貴美子さんの経営者インタビュー・後編です!



地域や社会の課題を解決する内容で利益を生み、地域に還元していく仕組みを作りたい

--市の事業に携わろうと思ったきっかけってあったんですか?

神長
"建築"という街づくりの仕事をずっとやってきた中で、同じスキルを使うにしても地域とか社会の課題を解決するような内容で貢献したいというのが常にありました。

バブルの時に建設ラッシュで建物が一気にできたんですね。でもバブルが弾けた後、建物が一気に余ってる状態になったんですよ。人口がこれからどんどん減ってく時代なのに建物が余り始めている。飽和状態なのにまだ建物を作り続けてたんですよ。これ時代とのギャップあるなと。

今後、団塊の世代が亡くなっていく時代に各地でミニ開発が止まらず住宅がいっぱい溢れてたら将来の負の遺産になるよね、ということで、今ある既存の住宅をどうやって活用してどうコンパクトシティを作っていくかっていうのをテーマに、起業当初活動していました。

--今じゃコンパクトシティって当たり前ですけど、その時から当たり前だったんですか?

神長
いや、全くないですよ。
人口が減ってく時代にインフラを増やしてどうするんですかと。だからこれから増えていく空き家の問題を先取りして、空き家を活用した住宅の仕組みを作ってサーキュレーションをさせていくという仕組みを作ろうと思ってました。空き家問題に関係した色んなワークショップをやってましたね。そこが接点になって、千葉市の民泊の事業に最初に携わることになりました。

オリンピックの際に普通の住宅に海外の人が泊まれるように仕組みを作っていきましょう、というイベント民泊の事業だったんですけど、まさに空き家の利活用の活動だったので、是非やりたいってお伝えしました。

空き家の利活用ってまさにシェアリングエコノミー・共有経済で、これも社会課題を解決する一つの新しい仕組みで、まだ日本に入ってきて歴史が浅かったんですけど、先行してやりましたね。

クラウドファンディングもまさにシェアリングエコノミー・共有経済の仕組みなんですけど、事業の根っこにあるのは時代の流れの中で抱えてる課題を解決するためにどんな事業が必要かという視点で活動してます。

当日のインタビューの様子です!

--今のようなお話って石井さんも幕張PLAYにジョインする前から頭の中にあったんですか?

石井
そもそも経営者になるなんて考えてなかったです。会社の中でいかにキャリアアップをしていくか、って考えてる人間だったんですよ。なので、空き家をどうしたいとか、社会課題が、なんて発想は全くなかったですね。

神長と1年くらいいると、考え方・物事の捉え方・これから社会がどう変わってくか、あたりの見え方が変わっていきました。ダイレクトに社会にアプローチできる起業家って楽しいなっていう気持ちが湧いてきました。

起業家ってキラキラしたイメージしかなかったんですよ。起業して何億稼いでやる、みたいな。でも一緒に活動してると地に足をつけて地域の方々の課題に対して一つ一つ向き合って解決していったりとか、全然イメージが変わりました

自分でハンドルを握って、自分の進みたい方向・行きたいところ・誰と進めるのか、ってのを決めれる楽しさにも気づきました。会社って人事権の中で動くじゃないですか。だから誰とやるかって会社が決めることだなって。会社だと異動とか言われると「ああ、すいません異動なんです」って(笑)。

起業家は前向きでいるしかない。失敗だらけだから

神長
起業家は地味ですよね。外から見えている派手さはないんですけど、起業家をやってると感動する場面にもたくさん出会えるんですよ。

起業家の世界は前向きな人ばっかりですよ。
この環境に置かれると前向きでいるしかないんですよね、失敗だらけなんで。いちいち失敗を振り返ってる暇もないっていうか。
だから居心地がいいんですよね。振り返って陰口叩くような暇もないし、そんなことしてるんだったら未来の計画をどんどん立てて動かしていく必要がありますしね。だから資質・マインドのある人にはすぐ起業しようって言うんですよ。

--資質・マインドって何で判断されるんですか?

枠を飛び越えられるかですね。枠の向こう側にぴょんと簡単に飛び越えられる人と、自分で枠を作ってそれ以上動かない人って明確にいて。

これは時間の捉え方につながります。
起業の世界って起きてる間ずっとオンタイムじゃないですか。それに対してプライベートと仕事を明確に分ける人がいるんですよ。

自分の時間を投資してまでやりたいことが見つかってない人には起業は進めないです。視野の広い人は仕事もプライベートも関係ないんですね。自分のやりたいことに没頭できるので、1日も早く起業しましょう。遊びながら仕事するみたいな感覚ですね。

幕張PLAYのPLAYってそこから来てるんですよ。遊びと仕事が区別つかなくなるぐらい楽しい仕事をしてきましょうって考えですね。だからやりたくないこと・自分が苦手なことは誰か得意な人にお願いして、自分が楽しいとこに集中していきましょう・ 遊びましょうっていうのが会社の考え方ですね。

楽しいプロジェクトだったら夜の10時とか11時にミーティングできるじゃないですか。ワクワクするからゲームしてる感覚になるので。一番の理想は自分が起きてる時間、やりたいことに没頭できることだと思うんですよね。

その働き方がやっぱり理想ですし、逆にそういう働き方をしていかないとこれから脱落していくと思います。

10あるうちの仕事の中で、中間の8はAIに代わっていく。そうなると先端の1と後ろの10しか仕事が残ってなくて、後ろの10はロボットもAIもやらないような仕事になると思うんです。それってめちゃくちゃ賃金も安い仕事になるはずで。そんな絶対やりたくないじゃないですか。。

じゃあ1の仕事をするにはって考えた時に、それってクリエイティブな仕事だから、会議室では絶対生まれないんですよね。自分のテンションが一番高くて楽しい瞬間に発見とか発明とかがポンっと生まれるので。

それができる人が1の仕事に辿りつけて、それ以外はAI・ロボットの仕事になっちゃうんですよね。

石井
ここ(KUROSUNA PITCH)をそういう場所にしたいよね。

新拠点「KUROSUNA PITCH」でのインタビュー

新拠点「KUROSUNA PITCH」。挑戦と応援がめぐる場所を創る

--改めてKUROSUNA PITCHの構想を聞いてもいいですか?

神長
”PITCH”にしたいって言ったのは、石井さんなんですよ。
普通はこの場所を見て選ぶ人っていないと思うんですよね(笑)。けど石井さんは、ここを見て「私ここ」って言ったんですよ。

石井
ピッチって2つの意味があって。
プレゼンテーションのピッチって意味と、サッカーの試合場のピッチって意味があるんです。要は挑戦者が戦うフィールドであり、自分自身のビジョンだったり事業をプレゼンテーションするっていう場にしたいなて思っていて、それでKUROSUNA PITCHって名前にしたんですよね。

ここワクワクしません?
元々中二階がいいと思っていて、立体的にいろんな人が交われるような部屋の構成を考えた時に、中二階だと2階から下の人に「お〜い」って声かけれるので(笑)。

先日シリコンバレーに行かせていただいたのですが、インキュベーション施設のコミュニティマネージャーの方が「完璧な施設を最初から作っちゃうと柔軟に動けない、型を崩せなくなっちゃう』って言っていて、それがずっと頭に残っていました。

これまでは、綺麗なオフィスに憧れてたんですけど、モニターとプレゼンテーションする場所と、ちょっと上がれるステージがあれば、挑戦を宣言する場所を作れるなと思いました。

神長
ここは元倉庫だったので、ただの箱なんですよね。トイレもないし電気もない。空調もないし給気も排気もないみたいな感じなんです。だから面白いなと思って。インフラが何もないところを面白がれるかどうか、これって起業家マインドの基本的な思考だと思うんですよね

「白いキャンパスに好きなものを書いて」って言われて、それを苦痛に感じる人とワクワクする人の差って圧倒的にあるんですよ。ここ(KUROSUNA PITCH)に来てワクワクできる人のコミュニティってすごいクリエイティブだと思うんです。多分ね、類友でそういう人が集まってくると思います。

何もないことを楽しめるコミュニティの方が強いですよ。ここの壁を見た時に「何これコンクリートの打ちっぱなし?」って思う人と「ここに何描こうかな」って思う人の差って大きいと思うんですよね。この壁を見て色んなイメージが膨らむ仲間を増やしていきたいですよね。

新拠点「KUROSUNA PITCH」のBefore・After

--今、インタビューを初めてちょうど1時間くらいなんですけど、KUROSUNA PITCHをどんな場所にしていきたいのか、最後にメッセージでいただけますか?

神長
ここはね、クリエイターの集まりにしていきたいんですよ。
幕張PLAYは、ピラミッドの組織を作るつもりは全くなくて集まってきたメンバーがそれぞれやりたいことがあって、そのやりたいことがみんなの1つのプロジェクトになって、その周りにさらにやりたい人が集まって、プロジェクトが同時多発で生まれるようなプラットフォームであればいいなと思ってるんです。

そんな会社じゃないとこれから生き残らないし、楽しくないし、クリエイティブな世界にならないと思うんで。もう本当にそういう時代になると思います。

会社を大きくよりはちょっとでも先に行きたいんですよね。ピラミッドの会社っていうのは、みんなカリスマ社長を下から見上げてるんですよ。そういう会社って1人1人がエンジンを持ってないから重いんですよ。

  • 大量消費・大量生産の時代は一個ヒット商品を生み出して、それで会社を5年10年維持できてたけど、今はもうそんな時代じゃないので。1年間に何十個も商品開発しなきゃいけないってなった時に、全員エンジンを持ってないと動かないですよね。10人いたら10人ともエンジンを持ったチームで色んなところに動いていける、そういうチームを作ろうっていうのが会社のテーマですね。

それも幕張PLAYだけでなく、外のパートナーと一緒に色んなプロジェクトを色んな形で同時に作ってく、今まさにそれ体現してますね。

その方がそれぞれの尖ったスキルが繋がるんですよね。各分野で先頭走ってる人同士が繋がった時の化学変化ってこれスピード感ハンパないなって。

KUROSUNA PITCHは、幕張PLAYと活動を共にしているパートナーには自由に使ってほしいと思っているんです。一緒に付加価値を生み出していくと、今後さらにチャレンジャーが現れると思うんです。またその人たちに使ってもらって。挑戦と応援がめぐる場所創りを目指しています!!

「KUROSUNA PITCH」のロゴ。何もない倉庫から0→1を創っていく

▼「KUROSUNA PITCH」のインスタグラムアカウントはこちら!https://www.instagram.com/kurosunapitch


編集後記(大坂)

終始、笑顔(を通り越してニヤニヤ?)で未来の構想を話してくれた神長さんと石井さん。
インキュベーション施設とかビジネスプレゼンって、ビジネスモデル・市場シェアなどお金がベースで話が進んでいくことがほとんどだと思うんですよね。もちろん事業をやる上ではお金も大事。ですが、「挑戦者が挑戦しやすい世界を創る」ためにもKUROSUNA PITCHの構想は非常に重要だと感じました。

ぜひお力添えできればと思っております!
幕張PLAYさんとのコラボ企画も検討中ですので、ぜひお楽しみにしていてください!!

前編はこちら



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