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いま、地方にこそスポーツが生む「不確実性」が不可欠だ

こんにちはTOKYO DIME広報の山本と申します。

先日、少しだけ地元北海道に帰る機会があり、その際に改めて感じたことがあったので、この記事ではそれを言語化していきたいと思います。

以前、コロナによる自粛ど真ん中の時期に、下記のような記事を書きました。その記事中でも書いたのですが、僕は、スポーツの最大の魅力とは「人々の感情を大きく揺さぶる不確実性」だと思っております。

■スポーツの持つ不確実性とは

要は試合終了まで勝つか負けるか結果がわからないこと。スポーツ観戦するうえでは、最後まで結果がわからないからこそ、試合中は「勝ってほしい」「打って欲しい」「ゴールを決めて欲しい」とハラハラドキドキしながら贔屓チームを応援をしますよね。そして、最後まで結果がわからないからこそ、勝った瞬間は最高に嬉しいし、負けた瞬間は本当に悔しいですよね。

これがスポーツの持つ「人々の感情を大きく揺さぶる不確実性」です。それこそ、思わず涙が出るくらい感情が揺さぶられることもあるでしょう。この、日々の生活では味わえない「不確実性が生み出す感情の爆発」がスポーツ観戦の一番の魅力だと僕は思っています。

そして地元に帰ってみて、改めて「スポーツの持つ不確実性」は地方にこそ必要だなあと強く感じました。なぜなら地方での暮らしは「確実性」が非常に高いからです。

「確実性」の高い地方での暮らし


僕の実家は北海道士別市。旭山動物園で有名な「旭川市」からおよそ1時間ほど離れた、冬は積雪量が多く寒いときには-30℃にもなるTHE北海道な街です。

僕は18歳までこの士別市に住み、中学までは士別の学校に通い、高校は旭川まで3年間電車通学しておりました。

そんな地元士別市には1年に1回帰るのですが、帰るたびに思うことは「いつ帰っても昔と変わらなくていいなあ。変わらない安心感が地元の良いところだなな。でも、あのお店つぶれてしまって寂しいなあ」ということでした。

少し話は変わりますが数年前、高校の同級生で大学時に上京し就職の際に地元旭川に帰ってきた友人が、飲んでいる時にポロっとこんなことを言っていました。

「旭川の暮らしは楽しいけど、会う人とか、やることはいつも同じなんだよね。平日はいつも通り働いて、土日になったらいつものメンバーで飲む。これの繰り返し。」

「札幌に行ったら新しいお店がオープンしてたり、ファイターズの試合とかやることは沢山あるけど、こっちだといつもやることが同じなんだよね」

「別に楽しいんだけど、何か物足りないんだよな~」

この友人の言葉が本当に印象的で「ハッ」とさせられました。そして帰省時に、ふとこの言葉を思い出したことがきっかけで、今回この記事を執筆することにしました。

(ちなみにこの友人の言葉は数年前の話で、近年は旭川をホームタウンとするプロバレーチーム ヴォレアス北海道がデジタルを中心とした非常に先進的な取り組みを行い、地域を盛り上げています。TOP画もヴォレアスの試合を観戦に行った際の写真です。)

さて本題に戻ります。

いま地方では人口減少が進み、若い人たちは進学や就職を機に札幌・東京など都会に出ていくばかりです。人が減っていく街には、もちろん新しい飲食店や娯楽施設はできづらく「いつもの仲間といつもの場所で」遊んだり生活したりすることが非常に多くなります。


この「いつも同じ日常」が、この記事で定義する「確実性の高い」生活です。

「確実性の高い」生活では、基本的に自分の想像以上の出来事は起こりえません。そのため、雄たけびを上げるくらい嬉しかったり、涙が出るくらい悔しかったり、心臓がバクバクするくらい緊張する「感情が大きく揺さぶられる瞬間」が中々ないのです。何故なら人の感情が大きく揺さぶられる瞬間は、「自分の想像を超えるor異なる事象が起きたとき」だからです。

「別に楽しいんだけど何か物足りないんだよな~」という友人の言葉は「感情が大きく揺さぶられる瞬間」=「想像を超えるor異なる事象」の不足が理由だと僕は思っています。


暮らしに「不確実性」を持ち込めるのがスポーツだ

そんな確実性が高くいつもと同じ日常に、いつもとは違う「感情が大きく揺さぶられる非日常的な瞬間」を持ち込るもの。それがスポーツだと僕は思っています。

これまで述べてきた通り、スポーツは「不確実性」が非常に高いコンテンツです。

試合が終わるまでどちらが勝つか分かりませんし、誰が活躍するかも分かりません。番狂わせの展開や予想外の選手が活躍する場合もあります。「"全て"想像通り」に動く試合は絶対にないでしょう。自分の想像を超えるor異なる結果が生まれるのがスポーツです。

だからこそ、つまり「贔屓チームが勝つか負けるかわからない、贔屓選手が活躍するかわからない」からこそ、勝ったら最高に嬉しいし、負けたら腹が立つほどに悔しい。

スポーツが生みだす、この「感情が大きく揺さぶられる非日常的な瞬間」こそ、地方での「いつも通り」の日常に刺激と潤いを与えるものだと思います。

文章が長くなってきたので、一旦ここまでで述べた「地方での生活」と「スポーツ」の違いをまとめてみました。この2つは両極端に位置していると僕は考えています。

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地方出身の方、そして今地方にお住いの方。ぜひ考えてみて下さい。

もし「東京」ではなく、自分の住む地方の「都市」ではなく、「自分達の街」にスポーツチームが誕生すればどうなるでしょうか。

いつものメンバーと安定のお店に飲みに行く「安定」の週末が、僕らの街のチームの試合観戦のため、球場に足を運んだり中継を見たりしながら喜んだり怒ったり「思いっきり感情が揺さぶられる」週末へと変わるのではないでしょうか。

そして、お酒の席での話のネタも「いつもと同じ」会社の上司の愚痴や、学生時代の思い出話から、「いつも結果が違う」からこそ盛り上がるスポーツの話になるのではないでしょうか。

地方における確実性の高い生活が急に変わることはありません。でも、そこに不確実性の高いスポーツがあるだけで、想像がつかない結果を生むスポーツがあるだけで、感情がそして生活がとても潤うと僕は思います。

だからこそ、「確実性の高い」生活を送る地方に、僕はスポーツで「不確実性の高い非日常な瞬間」を持ち込みたい。

感情が高ぶる機会が少ない地方に、涙が出てしまうほど感情を揺さぶる機会を作りたい。熱狂する機会を作りたい。それが僕の今の目標の一つです。

(その一方で、人口が少ない地方でどのようにスポーツチームをマネタイズしていくのか、というのは大きな課題だなとに思っています。)

おわりに


ここ数年、そんなことを数年考えていたところ、自分の思いを形にする機会が急に訪れました。
なんと、来年2021年から僕の地元北海道 士別市に、野球独立リーグ「北海道ベースボールリーグ」の球団「士別サムライブレイズ」が誕生するというのです。

「地元にスポーツチームができる!しかも自分が高校までずっとやってきた野球のチーム!これは何としてでも関わりたい!」

ということで地元の友人に繋いでもらい、設立当初から球団のWEB周りやSNS運用のお手伝いをさせて頂いております。

是非各種SNSフォローいただけると嬉しいです。

■士別サムライブレイズ Twitter

https://twitter.com/samurai_blades

士別サムライブレイズ Instagram

https://www.instagram.com/samuraiblades/

士別サムライブレイズ Facebook

https://www.facebook.com/shibetsu.samurai.blades/

ちなみに繋いでくれた地元の友達は、士別市で独立し羊飼いを始めました。じゅんきありがとう。そして頑張れ!


と、ここまで地元にUターンするかの如く記事を書いてきましたが、自分のメインのお仕事は変わらずTOKYO DIMEの広報です!熱量も全く変わっておりません。これからもDIMEだからこそできるスピード感で、常に新しいことに挑戦し続けていきたいと思います。

(今年はYouTube頑張ってます)

(原宿にお店もできました)

これからは、TOKYO DIMEで学んだこと・得たスキルを地元に還元できるよう、そして士別サムライブレイズでの活動をTOKYO DIMEにも還元できるよう、より頑張っていきたいなあと思っています。

僕がスポーツ業界に転職した理由は「人々が思いっきり熱狂する瞬間を生み出したい」からです。1日でも早く当たり前のように満員の球場・スタジアム・アリーナでスポーツの試合が開催できる日が戻ってくるのを願っています。

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○筆者Twitter

https://twitter.com/akibleague2018

○noteサークル

スポーツビジネスの事例を【1日1個】必ず紹介&考察しています。




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