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ブランディングしながら映像を作りませんか? という話。

今回は、映像ディレクターから経営者となった自分がたどってきた道は、ブランディング・ノウハウに通ずるものだった、という話をしていきたいと思います。

前の記事の最後で、広告とは別の選択肢として、「約束」のムービー、つまりブランドムービーを作っていく、ということを書きました。


あなたはクリエイターというものに、どんなイメージを持っていますか?

一般的なイメージのクリエイターは、映像やグラフィックなど表現の細部にこだわる人たちかもしれません。しかし、私はそのようなクリエイターではありません。そういう意味では、クリエイターらしくないかもしれません

どちらかというと、仕組みそのものを工夫したり新しく作り出すのが得意なタイプです。これまでも、プロジェクションマッピングホログラムといった表現の仕組みにも挑戦してきました。

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自分の会社を作り、経営者になってからは、「仕事の仕組みそのもの」を変えるという挑戦をしてきました。

そしてついに、ここにきて広告という仕組みとは別の選択肢を作るということに着手し始めました。

企業が映像を作りたいと思った時に、今までは広告以外のアウトプットがなかなか思い浮かびませんでしたが、それ以外の選択肢、つまり「ブランドムービー」というものを当然の選択肢として選べるよう、サービスの仕組みを作っていこうと思っているのです。

このnoteでは、広告とは別の選択肢としてのブランドムービーがどういうものか、どういう価値を発揮するのかについて、お話ししていこうと思います。


1. 使い捨てる「答え」より、持ち続ける「約束」

前の記事では、広告とは「答え」であり、常に新しい答えを生み出し続けなければならず、そんな持続可能性の低い仕組みで回っているという実感の話をしました。

冒頭で紹介した記事では、

広告って、先ほど書いたように一種の「撒き餌」ですから、パッと見た瞬間に「おっ、食べ物だ」「いい匂い」「美味しそう」というイメージが伝わる訴求が正しいとされています。
つまり、短い時間でなるべく強い「答え」を言う。

商品の売れる数をただ増やしたいならそれでいいんです。ですが、この「答え」はすぐに古くなります。世の中の気分はものすごいスピードで移り変わりますし、競合する相手も当然ながら同じような訴求をするので、消費者は油断するとすぐに離れていきます。それを振り向かせる新しい「答え」を、すぐにまた用意しなければならないんですね。
これが私の思う、広告のサステナビリティの低さ。使い捨て文化。

では逆に持続可能性の高い状態とはどういうものなのか?

それは、「約束」をしていくことだと思うのです。


わかりやすい正解がない現在において、「答え」は作り直し続ける必要がありますが、「約束」は積み上げていくものに他なりません。

「広告」というものは、大量な人の流れに短期的に投網を放つことなんです。引っかかる人もいれば、そうでない人もいる。

瞬間最大風速は大きいので、商品はいっとき売れますが、それをキープすることは難しい。つまり、買ってくれる人は偶然出会った他人であり、長い関係性を築くことは難しい

だから、網を新しいものに変えて投げ続けるしかありません。広告会社にとっては嬉しいことですが、クライアント企業にとっては、止まることを許されない持久走に駆り出されるような手法です。

しかも、わかりやすい正解がない現在において、なおさら「答え」は作り直し続けるしかありません。しかし、「約束」は全くこれとは別の選択肢となります。それは、作り直すではなく、積み上げていくものだからです。


中長期的に、人々から愛される商品・サービスであり、会社でありたい。
どんな企業も心から望んでること
だと思います。

そのためには、持続可能性の低い広告だけに頼る手法から抜け出す必要があります。気づいたなら、種を蒔き始める勇気が必要です。

確かに、すぐに目に見えた効果の現れないブランディングを、社内に浸透させ、予算を確保し続けることは大変な苦労です。

それでも、長い目で先を見据え、企業側から「あなたを大事にします」と約束し続け、ユーザー側には「この企業の心意気が好き」と思ってもらえる関係を作っていくべきだと私は思うのです。

そして、この企業とユーザーが深い約束で結びつく関係は、理想論などではなく、本当に生み出せるものだと私は考えています。


2. 映像を作ること、それはブランディングそのものだった

広告をずっと作ってきたSUGOIは今年で11期目になります。
起業してすぐは、フリーのディレクターであった私の仕事の延長上のような案件が多かったですが、その潮目が変わってきたのが6期目辺りからでした。

クライアントとなる企業の担当者、また経営陣の方々と、会社そのものの現状や方向性、未来について話し合う機会が多くなってきたんですね。
そして、企業や商品のブランディングについて相談をよく受けるようになり、実際にファシリテーションさせて頂いたり、ブランディングに関わらせて頂く事例が積み重なってきました。

なぜ自分のところに、こういう話が来るのだろう?
そう考えたときに出てきた答えは、映像ディレクターの仕事が、そのままブランディングの主要なエッセンスにつながっているというものでした。広告案件で接した際に、クライアント企業にそれを感じて頂けたからブランディングの話を頂くようになったのだと思っています。


3. 「なんとなく」ではなく、ブランディングを

1本の映像ができ上がるまでに、クリエイターは膨大な量を考え、細かすぎるほどの情報収集を行い、明確なイメージをつくり、大胆な決断をしていきます。なぜそんなことをするのか。

それは、映像は空気を作るものだからです。

例えばモデルさんが白いシャツを着ているとする。
これはたまたまそこにあったのではありません。必ず、シャツであること、白い色であること、襟の大きさから体のラインがどう出るかまで、全て考えて選んでいます。
登場人物の醸し出す雰囲気。ロケーションや、画面の隅に映り込むもの。演技、セリフの言葉づかい。全てに意識を配ってこそ、空気というものが作れます。

ということは、裏返せば「どんな空気を生み出したいか」というビジョンが最初になければ、何も決断ができないのです。
またそのイメージ(ビジョン)は、映像に写すものの背景を詳しく理解していなければ見えてはこないのです。


なので、映像を作るきっかけとなったクライアントの想いというのを、私はいつも最初に、丁寧にヒアリングしてきました。

商品やサービスに込めた想い。これを理解し、イメージし、映像にするために、私はいつもヒアリングに多くの時間を割いてきました。
なぜ、それほどまでに時間が必要なのか。それは、クライアント企業自身が気付いていないケースも多々あるからです。

企業の方々は、商品自体のことは当然語ることができます。ですが、なぜその商品が生まれたのか、なぜその商品でなければならなかったのか、というところまで語れる人となると、数は絞られてくる印象です。


もちろん、全ての広告現場でこのようなヒアリングが一般的に行われているかというと、それは違うかもしれないと思います。このヒアリングを通じて、クライアントの想いを理解したいというのは、あくまでも私のこだわりです。

細かくヒアリングせずなんとなくでも、これほどまでにツールが発達した現在では、映像は作れるんですよね。ですが、その「なんとなく」は視聴者の無意識に届く。映像の使い捨てサイクルが早まる背景には、そういうことも影響しているのではと思っています。

この広告を「なんとなく」作ることが、私はずっと苦手でした。
そのため、一般的な広告現場以上にヒアリングの時間を取ってきたと思います。それにより、企業が商品やサービスに込めた想いやその背景が明確になっていくのです。
つまり、ブランディングと同じようなプロセスが、SUGOIでは映像を制作しているうちに辿れるということなんです。

思えば私はずっと、1つの広告を、企業のブランディングをするのと同等の熱量で作ってきました。


4. ブランドムービーはオープンキッチンでつくる 

SUGOIでは今、オープンキッチン経営というものをやっています。企業活動に裏と表を作らないをモットーに、日々の活動を全てnote内に書き付けながら動いています。

こういうことをやっているのも、全て今までの映像制作や経営の経験から、仕事には捨てる部分がない、つまり全てがブランディングになると考えているからです。

映像制作の経験から考えてみても、打ち合わせの現場でヒアリングするクライアントの言葉に、捨てるものは無いわけです。クライアントの想いを聞けば聞くほど、この言葉もアウトプットした方がいいと思います。
それなのに、広告の現場ではそうはいきません。企業の想いを聞くだけ聞いて、そのほとんどを切り捨てなければならなくなってしまう・・・それが広告の現場というものでした。

どうすれば、切り捨てずに済むのだろうか?
こう考えたときに、ブランドムービーを広告とは別の中長期的な戦略のもとで作るサービスを、真剣に考えるようになりました。


というわけでまず、オープンキッチン経営を実践している私たちSUGOI自身のブランドムービーを制作することにしました。
ブランドムービーが大切だと口で言ってるだけでは説得力がないので、自分たちの会社のそれを先に作ってみたのです。

手前味噌ですが、このムービーを作る際には、これまで積み重ねてきた映像制作のメソッド、そして近年ノウハウとして積み上がってきたブランディングのプロセスと、SNSで培ってきたオープンキッチンのマインドを、意識しながら作りました。

自分たちの想いを社内全員で見つけるところから始まり、自分たちは何をしてきたのか(=バリューの確認)どう思われているのか(=ニーズの取材)その中心に重なり合うものは何か。

これらを言語化しながら、自分たちが進むべき道を、ブランドムービーを作ることで新たに定義していくことになりました。

ムービーを作り終える頃には、嬉しいことに、以前に比べてさらに社内の意識がはっきりと一つにまとまっていて、自分達の仕事にプライドを持っているのを実感しました。

ブランドムービーを作ることによって、商品、サービスや企業自体のブランディングができることはもちろん、さらには、これから自分たちが迷った時には立ち返る起点になるのだろうな、というものを作ることができました。
イメージを形にすることで、自分たちが立ち返る場所としてのブランディングができる。ぜひ多くの企業にこれを体験してもらいたい。これが今の私の望みです。


5. ブランドムービーは、制作過程にも価値がある

過去に、ブランディングをコンサルティング会社や広告代理店に依頼し、すでに経験した企業もあるかと思います。
一般的な流れでは、ヒアリングやワークショップの後にレポートが作成され、それを元にした施策についてはまた別のご相談・・・となることが多いとよく聞きます。

SUGOIがこのようなブランディングの流れと大きく違うのは、ブランディングを行いながら同時にムービーを制作できるという点です。
これは、10年以上の経験を持つクリエイティブ・チームだからこそできることです。

会社の雰囲気を表すのに、よく「社風」という言葉を使います。社内の雰囲気を「風」と書く、つまり空気のことですが、映像というのはこの空気を表現するのにぴったりなツールです。

だからこそ、ブランディングには、会社の空気を表現するブランドムービーが必要となる、そう考えています。

さらに、大切なことは、ブランドムービーは作って社内で見ておしまい、ではもちろんありません。SNSやYouTube等で流すことが必要ですし、広告へと展開したい希望があればそれも叶えた方がいいと思います。

そんな中、何より私たちの強みだと思っているのが、このブランディング・プロセスさえ余すところなく見せていく、「オープンキッチン」の手法を発揮できるところです。

もう陰でコツコツ準備する、という姿勢は美学でも何でもなくなり、隠すものなど何もない状態ほど世の中の信頼を得られるような時代になりました。「これから皆さんに良い商品を届け続けるために、今私たちはブランディングを進めています!」という、ブランディングに取り組んでいる発信がガラス張りになっていてもいいじゃないか、いやむしろそういう企業の姿から信頼感を抱くユーザーがたくさんいるのではないか、という考えです。

SUGOIはブランドムービーを流すためのSNSという土壌を、良いファンコミュニティとして耕しておくことが大事と思っているので、ブランドムービーを作る際にはそこも一緒に伴走していきます。

それは、もちろんnoteも同じです。
ここnoteの場をメインの発信場所にしてきたSUGOIとして、クライアント企業のSNSについてはどこまでも伴走していきます。


どうでしょうか、SUGOIのブランドムービーメソッド。
どうか自分たち自身を知れるドキドキ感、そして変わっていけるワクワク感を、SUGOIと一緒に体感して下さい。

前回から引き続き、ここまで長い記事を読んで下さって、本当にありがとうございました。
ブランドムービーに興味のある方はこちらからご連絡頂けると、とても嬉しく思います。






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