マガジンのカバー画像

在日に言わせれば…

4
在日コリアン4世の筆者が、在日と日本社会について考えます。僕の目(節穴)から見える世界をつづります。
運営しているクリエイター

#在日コリアン

終戦記念日に靖国へ辿り着かなかった在日コリアンの手記

終戦記念日に靖国へ辿り着かなかった在日コリアンの手記

 2020年も8月15日が近い。75年前の1945年、大日本帝国の「大東亜戦争」が終わった日だが、僕にとっては同じくらい2年前の2018年も重要だ。あの日の正午ごろ、僕は東京の靖国神社に向かっていた。タオルハンカチで顔を拭い、川沿いをトボトボと歩いていた。セミの鳴き声に混じって、何やらくぐもった演説の声が聞こえていた。この20分後、僕は「殺すぞ、朝鮮人が!」と言われたため、靖国神社に辿り着かなかっ

もっとみる
日本人が「在日コリアン」をこんなに嫌う理由は・・・

日本人が「在日コリアン」をこんなに嫌う理由は・・・

 日本人は「在日コリアン」が本当に嫌いだとつくづく思う。長い戦後社会のうち一時期はマシになったかもしれないが、今再び、かなり風あたりが強くなってきた。在日コリアン4世の僕はいつもそのことを考えてしまう。

 twitterやブログ、ニュースサイトのコメント欄などインターネット上の言論を見ればはっきりわかる。さらに、今支持を集めている右派系の政治家や活動家の言葉を読めば一目瞭然だ。他のマイノリティー

もっとみる
フツーにみんなが歴史修正主義者じゃなければ、仲良く生きたいのに

フツーにみんなが歴史修正主義者じゃなければ、仲良く生きたいのに

 歴史修正主義という亡霊が列島にはびこって久しい。特にこの十年で日本社会のムードは大きく変わってしまった。かつての大日本帝国の侵略行為を美化し、当たり前に歴史的事実である略奪、虐殺、連行、性奴隷、人体実験、無差別爆撃などを否定しようとする勢力が伸長した。

 そうした勢力は国家の中枢と近年密接につながり、プロパガンダを繰り返した。その結果、もはや一部の活動家だけでなく、一般国民の多くがナチュラルに

もっとみる
サッカー部の同級生が「おい、黒いの!」と言われ学校やめた話

サッカー部の同級生が「おい、黒いの!」と言われ学校やめた話

 少年時代の記憶に、こびりついて消えないものがいくつかある。ここ最近BLM(Black Lives Matter)運動の隆盛を眺めていると、そのうちの一つが改めて、じわじわと蘇ってきた。ことあるごとに少しずつ思い出すエピソードなので、自分にとって割と大切な記憶なのだと思う。今ここに書き残しておく。

***

 僕は物心ついた時から白黒のボールを追っていた。いわゆるサッカー少年だった。おそらく父の

もっとみる