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大手化学メーカー勤務。バイオ系の研究職として、社内の2つの研究所で水環境、化成品、マイ…

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大手化学メーカー勤務。バイオ系の研究職として、社内の2つの研究所で水環境、化成品、マイクロバイオーム関連のテーマに12年間従事。社内の研究開発部門で最優秀賞受賞。現在は、フード・ヘルスケア関連のマーケティングや新規事業開発を推進中。

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企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる①

昨日、テレワーク上で仕事納めを迎えました。お蔭様で、研究所時代のプロジェクトに対して全社研究開発部門で最優秀賞をいただいたことに加えて、別のプロジェクトに対しても研究所長賞にもエントリーされたと聞きました。今年もコロナで苦しんだ1年でしたが、前向きになれるニュースでした。 大学と企業での研究における専門性 さて、企業研究職として12年間携わっていた中で、研究におけるあなたの専門は何ですか?と聞かれたときに、以下のように答えます。 学生の頃 ① 海洋生物、褐藻類、カルモ

    • 事業開発の現場から: カスタマープロブレムフィットと顧客インサイトの真価 From the Field of Business Development: The True Value of Customer Problem Fit and Customer Insights

      実務経験をふり返ってみると、新規事業を成功させるためには、顧客の真の課題を深く理解することが欠かせないと痛感しています。この理解を深めるためには、カスタマープロブレムフィット(CPF)と顧客からのインサイト抽出が非常に重要です。CPFは、事業によって解決しようしている課題仮説が本当に顧客の課題として存在して、合っているかどうかを検証するプロセスであり、このプロセスを軽視すると、事業の基礎を揺るがすリスクが伴います。 机上調査と実地調査の重要性 事業アイデアを検証する際、私

      • AIとマーケティングを組み合わせてどんなことができるか考えてみました! https://www.youtube.com/channel/UCB631xLZNLt39MGsbOx8Exw

        • オリジナルGPT!

          最近、オリジナルGPT作りが趣味となっています。GPTストアが新たに立ち上がったことを機に、私が作ったオリジナルGPTツールを3つ紹介したいと思います。皆さんに役立てば嬉しいです。プロトタイプ品かつAIですのでファクトチェック等は不可避ですが、改善してゆきたいと思います。 Summary Master / 要約マスター ウェブの記事、論文、特許を日本語で効率的に要約し、200字の簡潔な要約を提供します。 https://lnkd.in/gjG_wj8c Idea Inn

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        企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる①

        • 事業開発の現場から: カスタマープロブレムフィットと顧客インサイトの真価 From the Field of Business Development: The True Value of Customer Problem Fit and Customer Insights

        • AIとマーケティングを組み合わせてどんなことができるか考えてみました! https://www.youtube.com/channel/UCB631xLZNLt39MGsbOx8Exw

        • オリジナルGPT!

          新しい時代のマーケッター:仮説検証に対して、人とAIのクロスで確証を得て、人と人とのクロスから確信を得る。

          衝撃を受けたChatGPT、Perplexity。そして今では、AIは欠かせないパートナーになってます。WEB上で公開されているすべての情報は、理論上これで集めることができますし、まとめることができますし、整理することはできます。そして、アイデアを提案してくれる世界にたどりついていることを肌で実感してます。 では、今後、新しい時代のマーケティングには何が必要になるのか。AIのアウトプットを最大化するプロンプト(呪文)をどんなふうに作るかが、カギになるでししょうし、色々な有識

          新しい時代のマーケッター:仮説検証に対して、人とAIのクロスで確証を得て、人と人とのクロスから確信を得る。

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる④

          「得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる」とよく言われますが、私自身がそれを実感したのは、バイオ研究者としてのキャリアを積んでいく中ででした。 酵素触媒の改良に取り組んだ結果、業界で最高の性能を持つ酵素を開発し、商品化にも成功。7年後には社内の研究開発部門で最優秀賞を受賞しました。 新たに排水処理領域の分野に進出すると、そこで別の得意分野が活かされることになりました。有害成分を分解する菌を発見し、製剤化に成功。4年後には技術完成を達成し、事業部の審査を通過して技

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる④

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる③

          皆様、お疲れ様です。気づけば2月に突入しました。オミクロン株急増に伴い、以前より活発に外に出にくい日々を過ごしております。どうか、ご無事でお過ごしいただきたいです。 有難いことに自分が書かせていただいた記事が「いいね」を40近くも頂き、感謝の気持ちで一杯です。ご興味あればご覧くださればうれしいです。 企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる① 手探りで駆け抜けた新人研究者時代:試作品の完成、パイロット試験の成功企業研究者:得意なことをいくつか持つとと

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる③

          マーケター入門:お客様が我々とお話することで、明るい未来が待っていると感じてもらう。

          企業研究者からマーケターとしての活動を開始 昨年末から業界勉強を兼ねて既存のお客様や大きな展示会で名刺交換を本格的に開始しました。 最近ですと、USJを立て直したたことで有名な数学的マーケティングの森岡毅先生の本を眺めながらエッセンスをものにできればと試みております。 一方で並行して大事だなあと思っておることが、我々の商流の次におられるお客様が、「どんな商品機能が求められているか」を導き出すかという点です。 研究者時代は質問は点と点のやりとり「1次元的な質問」であった

          マーケター入門:お客様が我々とお話することで、明るい未来が待っていると感じてもらう。

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる②

          あけましておめでとうございます。今年も皆様のにとって良い年になりますように。気まぐれで始めたnoteもご覧いただく方が増えてきて、とてもうれしいです。感謝申し上げます。 水処理は、たくさんの専門領域からなるダイバーシティ分野 前回の続きですが、バイオとは異なる分野に挑戦するにあたり、水環境に貢献したいという思いから、入社後は、水処理の世界に飛び込みました。出身学部は、環境、工学系ではなかったため、分子生物学の知識と理系的思考を武器にチャレンジしました。今思えば、知らぬが仏

          企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる②

          反省しない方がうまくいく

          先日、母校で学生さん向けに私のブログの内容を講義形式にしてプレゼンしました。 今、テレワーク、副業など働き方が過渡期のため、今までとは異なる発想で取り組むことが大事であるとお伝えしました。 その中で、メンタルを維持する秘訣について、色々な経験から導き出した一つの結論は、 反省しない方がうまくいく という事でした。 けしからんと思う方もいるかもしれませんが、私かそのように考える根拠は以下の通りです。 ①実は、ヒトは失敗した瞬間、無意識に反省している ②無意識の反省

          反省しない方がうまくいく

          5 マーケターへの挑戦 前半

          ○計画、実験、考察 研究者として、1人、または複数人で実験をすることが基本です。大学とは同じですが、企業において、有限なリソースの中で、一回の実験でどれだけ多くの情報を得られるかが鍵になります。無計画にたくさん実験する行為は、疲弊するだけで、良い情報が得られないです。 実験計画、すなわち、目的、方法、評価項目、必要な条件数を揃えることが大事です。ここで全てが決まると言っても過言ではありません。私がよくやるのは、可能な限り結果を想定して、実験のやり忘れを防ぐというものです。

          5 マーケターへの挑戦 前半

          企業研究者として大事なことは FFで学んだ。後半

          企業研究者として、研究開発を進めるにあたり、個人的に特に大事と思っているのは、計画とバックアップ案です。 ○計画 開発に5年かかるとすると、5年間に到達すべきスペック、値段をゴールとして、バックキャストいわるゆ逆算します。1年目までは、ここまで、2年までは、ここまで、という中間目標いわゆる中継地点を設けたす。そして、社内外のリソースでそれぞれやるべきことを因数分解してゆきます。 プロジェクトマネージメントに近いですが、実は、各分担はいわるゆパーティを構成する仲間ですね。

          企業研究者として大事なことは FFで学んだ。後半

          企業研究者として大事なことは FFで学んだ。前半

          前回記載したトピックに関連してもう少しお話を膨らませてみようかと考えます。 ○小中学生にかけてやりこんだff5、6、7 私の世代は、小中学生にかけてスーファミ、プレステ1でff5、6、7をやり込んでました。当時は、いかに早くエンディングを見ることに重きを置き、ストーリー構成をそれほど深く味わうことはなかったと思います。そこまで感受性も高くなかったので致し方ないと思います。 ○相次ぐリメイク、リマスター作品に触れて自分の価値観もリマスター コロナ対策を機会にステイホーム

          企業研究者として大事なことは FFで学んだ。前半

          これから起こるあらゆるケースを書き出せば、不安がなくなる

          ○どんどん不安が溜まってしまう 取引先、あるいは交渉相手と交渉するにあたり、作戦会議を関係者で行う際に、紛糾する内容として、相手がこんなこと主張したらどうする、こんなことを要求したらどうする、データ貰って断られたどうする、倒産したらどうするなどなど。契約相手が初めてですと、どんどん不安になります。その結果、恐怖により、判断が鈍り、よくわからなくなってしまいます。 ○フローチャートで未来を全て書き出す 結局、わからないから不安になるので、わかるようにすれば不安はなくなりま

          これから起こるあらゆるケースを書き出せば、不安がなくなる

          4 研究職に求められる知財能力

          企業研究者として避けて通ることができない知財について、お話したいと思います。 ○大事なのは、特許、契約 大学の時に、触れる機会は少ないのではと思いますが、会社に入ると、実務上最も必要になります。ここら辺、知財部門に丸投げすればという意見もありますが、個人的にはこれぞ企業研究者の醍醐味だと思っております。 ○特許はクレームが命 細かい特許のイロハは、ここでは割愛します。権利書にあたるクレーム案をしっかり練ることが何よりも大事です。 例えば、ある化合物を作る菌を見つけた

          4 研究職に求められる知財能力

          仕事ができる人を見つけて真似る

          会社に入るとレベルアップを目指して、目の前の小さな仕事を積み重ねてゆくことになります。経験値を積んでゆくことで、アビリティが増えてゆきます。入社した初めは分からないことが多いですが、段々、パフォーマンスが良い人が誰かというのが見えてきます。 昭和モーレツ社員 私が驚いた方がいます。いわゆる昔のモーレツサラリーマンのような方です。研究者としても著名な実績を残し、さらに本社で統括する立場で、役員からもとても重宝されておりました。仕事のスタイルは、まさに企業戦士、寝る時間は3時

          仕事ができる人を見つけて真似る