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企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる②

あけましておめでとうございます。今年も皆様のにとって良い年になりますように。気まぐれで始めたnoteもご覧いただく方が増えてきて、とてもうれしいです。感謝申し上げます。

水処理は、たくさんの専門領域からなるダイバーシティ分野

前回の続きですが、バイオとは異なる分野に挑戦するにあたり、水環境に貢献したいという思いから、入社後は、水処理の世界に飛び込みました。出身学部は、環境、工学系ではなかったため、分子生物学の知識と理系的思考を武器にチャレンジしました。今思えば、知らぬが仏で、新人のポテンシャルで判断、チャンスをくれた当時の人事の方には、感謝の気持ちでいっぱいです。

水処理は「水創り」であり、どうやって排水の規制値以下かつコスト許容範囲内で水を生まれ変わらせるかが最重要ミッションです。あらゆる技術を結集させて水処理プロセスを創ることに尽きます。

水創りには、以下を単位とする処理がそれぞれあります。

化学処理:AOP処理、紫外線処理、オゾン処理など

物理処理:凝集沈殿、固液分離、加圧浮上、油水分離、膜分離、活性炭吸着など

生物処理:好気処理、嫌気処理、微生物製剤、メタン発酵など

水創りは協奏

ご覧の通り、たくさんの方法があります。凝集沈殿には凝集剤のような水溶性ポリマーを含む高分子化学、物理化学処理には、ケミカル、プロセスの専門、生物処理には、複合微生物学が求められます。さらに単独の要素だけ詳しいだけではだめで、プロセスを組み立てて、相乗効果をもたらす提案をすることが不可欠です。私は、生物処理から勉強をスタートしました。数式を使う化学工学も好きでしたので、どんどん色々な処理プロセスに視野を広げてゆきました。都度、OJT/OFF-JTにて理解に努めました。

実現場プロセスを見て理解する

水処理プロセスは、巨大なバイオリアクターから構成されるプロセスをイメージしてもらえばよいです。プロセス構築には、机上での勉強とともに実現場を見ると頭のイメージがクリアになります。机上の勉強は、公害防止管理者水質1種の取得をお勧めします。試験回数が限られますので、合格まで3年間かかりました苦笑 国家資格なので、損はないと思います。

活性汚泥は複合微生物学

活性汚泥は生物処理のキーとなります。微生物の集合体で彼らが排水中の有機物を分解します。昔はブラックボックス扱いでしたので、顕微鏡のみでモニタリングしてましたが、近年はメタゲノム解析が進み、ようやく実態が理解されつつあります。

参考

https://www.jsps.go.jp/j-grantsinaid/37_topics/data/00130-15401-10379901.pdf

こんな感じで、水処理という極めて学際的な分野に携わったことで、専門性の幅が極めて広げることができました。

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