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企業研究者:得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる④

「得意なことをいくつか持つととんでもない強みになる」とよく言われますが、私自身がそれを実感したのは、バイオ研究者としてのキャリアを積んでいく中ででした。

酵素触媒の改良に取り組んだ結果、業界で最高の性能を持つ酵素を開発し、商品化にも成功。7年後には社内の研究開発部門で最優秀賞を受賞しました。

新たに排水処理領域の分野に進出すると、そこで別の得意分野が活かされることになりました。有害成分を分解する菌を発見し、製剤化に成功。4年後には技術完成を達成し、事業部の審査を通過して技術移管を果たし、研究所表彰を受賞しました。

しかし、ほかのプロジェクトでは、技術開発を進めていても、事業開発が未熟なままで最終的に、報われない辛酸をなめたこともありました。受け取る事業部がなく、完成しても終わってしまうテーマが山積みでした。

たくさんやる中で気付いたことは、スタートから研究開発とともに事業開発を並行して進めなければ、消えてしまうということでした。研究所は事業まで考えられるわけがなく、事業部が事業開発をしなければいけないのです。

事業開発と研究開発はどちらが上下でもなくお互いに共存している関係なのです。

私は研究開発だけではなく、事業開発にも取り組みたいと思うようになりました。


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