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【一石二鳥?】説明術・IKPOLET法から考える、学習の7ターゲット【ランタンnote】

(*ランタンnote毎日更新|23日目)

こんばんは、AKIです。
学習者のレベルアップを助けるサイト「LearnTern」の運営とかとかやってます。

日本人が最初に知る四字熟語No.1は「一石二鳥」なんじゃないかと思います。ちょっと気になって調べてみたらアレ、イギリスのことわざ(kill two birds with one stone)がオリジナルなんですね。まじか。

というわけで、今日は一挙両得な学習法を紹介します。
(一挙両得のオリジンは中国の歴史書らしい。日本は……?)

説明することが学びを深める……、でも難しい

誰かに説明することが学習の役に立つ。アウトプット(編集)というヤツです。

でも説明って難しい。
説明が上手い人を見ていると簡単そうに見えるけど、いざ自分がやるとなったら激ムズ。

そんな人は多いかもです。

説明のクオリティは以下の式で表されると思います。

説明のクオリティ = 理解度 × 説明スキル

説明スキルばかり求める人がいますけど、そもそも説明する内容を理解していなければ上手く伝わりません。

理解度だけが高くても同様に、うまい説明はできません。
大きな理由は2つ。

人ごとに知っていることも考え方も違うのです。ランタンnoteを読んできた人には「認知構造が違う」と言っても伝わるかもしれません。

自分の理解だけを話すのではなく、相手が理解できるように橋を架けてあげないとダメなのです。その手段が説明スキルです。

もう一つは「知識バイアス」と呼ばれるものですね。
人は、自分がすでに理解したことの学習難易度を低めに見積もる傾向があります。それなりに苦労したはずなのに、習得してしまった後は、その苦労を少なめに考えてしまうのです。

「なんでこれくらい、すぐにできないんだ?」
「(いや、お前もできてなかったよ……)」

バイアス系はマジで他人事じゃないので、気をつけてみてください。

では話を戻して、「説明のクオリティ = 理解度 × 説明スキル」です。
理解度と説明スキルを一気に伸ばす方法があります。

IKPOLET法です。

説明の黄金フォーマット「IKPOLET法」

すでに知っている人もいるかも。
IKPOLET法は説明の黄金フォーマットと言われるものです。

犬塚壮志さんによって開発されました。
予備校講師や教育研究のバックグラウンドを持つ人です。

説明スキルを扱った本はたくさんありますが、僕的には一番最高でした。フレームワークを出している本でありながら、コミュニケーションの本質を知ることができる内容となっています。

説明スキルとしてのIKPOLET法は、せっかくなので本を読んでもらいたいのですが、ここでもざっくり説明しましょう。

①Interest|興味
②Knowledge| 知識・認識
③Purpose|目的
④Outline|大枠
⑤Link |つなげる
⑥Embodiment|具体化、事例、証拠(Example,Evidence)
⑦Transfer|転移

IKPOLET法は上記の順番で説明していくフレームワークです。
完璧に当て込まなくても、どの項目がどのような役割を果たすのかを理解するだけでも十分に役立ちます。

まず①Interest、興味です。
ここでは相手の興味をひくような情報を出します。

次に②Knowledgeでは、相手が何を知っているのか/テーマをどう認識しているのかを確認します。

③Purposeでは今回の説明の目的を伝えます。
これからどこに向かって歩いていくのか、ゴールを示すイメージです。

④Outlineは目次みたいなものです。
よりわかりやすく「地図」を提示してあげるのもあり。

⑤Linkは、説明内容と相手の既存知識を繋げていきます。
因果関係を説明したり、相手の知っている一般的法則に帰納させたり、方法はいろいろです。

⑥Eは3つあります。具体化・事例・証拠の3つですね。
つまりは、相手が説明内容をより具体的にイメージすることができるように材料を渡すのです。

最後の⑦転移では、学習内容を転用できる他シーンを紹介します。
学んだ知識を転用できるかが、理解の一つの指標です。

以上、ざっくり説明してみました。
よくわからなかった人は本、読んでみて。マジでいいので。

このIKPOLET法を意識することで「説明スキル」は担保できます。
では「理解度」の方へ進みましょう。

IKPOLET学習法

IKPOLET法は、説明を聴いている人が理解しやすいように考えられた方法。つまり学習者が理解しやすいようにデザインされた方法。

7項目を順番に伝えていくことで、理解しやすくなる方法……。

「もうおわかりですね(←ジョブズ風)」

そもそも、この観点を使って学習してしまえばいいのです。
実際には、全貌を知っている説明者が使う時ほどスムーズにはいけないでしょう。でも使えるはずです。

Interest(←発音よく)。
まずは興味を持つポイントを探してみましょう。
「面白さを伝える」でも書いた話ですね。

Knowledge(←発音)。
自分は何を知っているか、そのテーマをどのように認識しているか。
加えて、一般的な考えもリストアップしておくといいです。
このプロセスによって、これから学ぶ内容をキャラクタライズ(特徴を強化)できます。

Purpose(←)。
これから学ぶ知識が存在している理由を考えてみましょう。
そもそも自分の学習目的に対して、その知識はどのように繋がっているのか。何のために生まれ、存在している知識なのか。
コンセプト理解です。

Outline()。
その知識の概要・構成・全体像・輪郭。
いわゆる「地図」を手に入れましょう。
最初に手に入るとは限らないので、セーブポイント的なノリで毎回「地図」に戻れるのがベストです。

Link。
自分が既に持っている知識との繋がりを考えてみましょう。
論理関係を明確にしたり、一般的法則に当てはめてみたり。
「ネットワーク」の話も参考になるかもです。

Embodiment, Example, Evidence。
基本的には具体例を出しまくりましょう。
できる限り多く、そして身近なエピソードに知識を接続していきます。
これは学習の両輪である「理解」「記憶」双方に有効な方略です。

Transfer。
その知識は何に転用できるのか。
転用の話はもうしました。学習のコスパを上げていきましょう。

IKPOLET学習法を使ってみる

説明のクオリティ=理解度 × 説明スキル
学習をIKPOLETで行う → 理解しやすい!
説明をIKPOLETで行う → すでに材料は揃っている!
(学習をIKPOLETで行ったので)

……これは最強。

余談ですが、IKPOLET法は仕事でも役立ちます。
たぶん、かなりデキるヤツになるはずです。リソースが足りるかは知りません(→シンプルに情報収集・加工に求められるレベルが上がる)。

ではでは。

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「できないから、やりたい。持ってないから、欲しい。なっていないから、なりたいんだ」
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学習のアーティストを目指してます。学習ノウハウの体系化・学習体験のコンテンツ化を通して、学習者のレベルアップを手伝います。現状、お金よりも応援がほしい。