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私に何が起きたのか?

身体はトラウマを記録する

を読んでいくうちに、この本に出てくる深刻なトラウマ被害者の身体症状が、私が抱えてきた身体症状とよく似ていることがわかって来ました。

幼い頃から自分の身体をうまくコントロールできなかったり、逆に過剰に意識してしまったりすることで、非常に具合が悪くなったり、運動が巧くできなかったり、その場に不釣り合いな緊張や被害意識に苦しんだりしてきました。
それが原因かどうかはわかりませんが、幼い頃はぼんやりして口をポカンと開けていることが多く、祖母から「バカな子に見えるから口を閉じなさい」と叱られました。
ぼんやりしているというのも、自分の意識が自分の身体に無いことの表れです。
私の幼少期の記憶は混沌としていて、まるで何かよほどショックなことがあって記憶を喪失してしまったかのようです。
自分が今、どういう状況に置かれているのか?
小さい頃から曖昧だった感覚が、年とともにさらに曖昧になってしまい、今は何気ない場面でも自分の意識を繋ぎ止めておくことにとても労力を使います。
いわゆる乖離症状の一つ。

母の養育態度が冷たかったことが、ここまで深刻な不具合を引き起こすものなのでしょうか?
虐待が深刻な場合、記憶というのも一部欠けていたり、断片的で繋がらないことが多いのだそうです。

2歳の頃から、他所の家で極度に緊張して吐いてしまった記憶。
3、4歳ごろから、すぐに熱を出して寝込む病弱な子どもだったこと。
その頃から母の態度が冷たかったこと。
父がいつも、家に友達を呼んでマージャンをやっていたこと。
来客に対して嫌悪感を抱いていたこと。

小さい頃から家の中が落ち着かず、家族団欒という時間が無かった。
よその家もそういうものだと思っていたから、特に疑問も感じなかったし、家族団欒なんてかえって気味が悪いと思っていた。
自分の落ち着く時間は、家の中にあった記憶はありません。

今でも鮮明に覚えているのは、小学校低学年の時に見た夢です。
一つは、私たち家族が住む家に突然ブルドーザーが入ってきて、家を破壊していくという夢です。
私は家族が引き裂かれる恐怖で怯えて居ました。
だから目覚めても、怖くて怖くて、不吉な未来を予測しているのだと思って鮮明に記憶に残ったのです。

もう一つは、遊園地に行ったはずなのに、地下の防空壕のようなところに迷い込んでしまい、紫のおかっぱのような髪をして着物を着た『峰子』という女の子に出会う夢です。
峰子は、ちょうど今放映しているアニメ『鬼滅の刃』に出てくる『お館様』の子どもたちのような顔をしていました。
暗い穴倉と不気味な女の子。地上は楽しい遊園地。
その夢はそのシチュエーションが怖かっただけで、それ以上何か衝撃的なことが起こるわけではなかったのですが、ずっとずっと記憶に残ることになりました。

実家のイメージを思い出す時も、楽しいとか温かいというイメージはなく、いつも暗く寂しく、不気味なイメージです。
特に、熱を出して隔離された離れなど、何かが出てきそうな怖い場所で、実際に幽霊のようなものを見た記憶すらあります。

幼い私に何があったのか?
まだこの世に生を受けて4年も経たないうちに、恐怖や緊張で怯えている記憶があるなど、尋常ではありません。

ブルドーザーで家が破壊される夢は、そんな陰鬱な家を壊してしまいたい衝動の表れだったのでしょうか?

峰子の夢は、他の子は遊園地で楽しく遊んでいるのに、穴倉のような暗い場所に迷い込んでしまった私を救い出そうとする存在だったのでしょうか?

どちらにしても、まだ10歳にも満たないうちに、家が陰湿で落ち着かない場所であり、常に恐怖と緊張を抱いていたということは、通常の子どもではあり得ないことなのだというのを、改めて認識しました。

トラウマとなった記憶が蘇るかどうかはわかりませんし、記憶にある限りのことしか本当は起こっていないかもしれません。
けれど、事実がどうであるかは関係なく、私という子どもが相当大きなダメージを受けていたことは疑いがありません。

これからそのトラウマをどう和らげていくのかが課題なのでしょう。

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