うつ×ADHD×東大受験　５２　息子のマイペース受験記　発表までの日々に今まで聞きたくて聞けなかったことを聞く

高３の夏休みにうつ・ADHDと診断された息子。センター試験直前に親子で向き合って話をしたことで症状が改善したが、間に合わず宅浪することに。そして共通テストは目標達成。理科大に合格するもソワソワで、東大の受験が終わると落ちたとの感触だが、思いがけず慶應に合格しており、横国と慶應で悩み、親子で両方訪れて慶應に行くことに決めた。

発表までの日々

慶應に行く決心をして入学金は払ったものの、やはり東大の発表が出るまではソワソワが止まらなかった。

試験前には「受験が終わったら井の頭公園に行きたい」なんて話していたけれど、２０２１年１月８日から２回目の緊急事態宣言が出ていたので、なんとなく遊びに行く気にもなれず、友だちと集まる話もなく、ふたりで神社への散歩を続けていた。

今まで聞きたくて聞けなかったことを聞く

散歩の道すがら、今までは気を悪くさせたりやる気をなくさせるのではないかと思い、あまり突っ込んで聞けなかったことを聞いた。

入試前にどんな動画を観ていたのか
「入試直前期によく動画を観ていたけど何を観ていたの？」に返ってきたのは「PASSLABOかな」という返事。

地方の公立高校から東大理２に現役合格して進振りで東大医学部に進んだ方が主催しているらしい。

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などで試験前日や当日の様子をなんとなくうかがい知ることができて、心が落ち着いたという。

「でもそんなに動画観ていたら時間かかっちゃったんじゃない？」
「いや、１本は短いからそんなことないよ。気晴らし程度だよ」

１日どのくらい勉強していたのか
「だいたい１日どのくらい勉強していたの？お母さんの体感だと受験直前は除いて５時間くらいはしてる感じしてたけど・・・」
「さすがにそれはないでしょ(笑)　まあ起きるのが遅かったからね。でもみんなが寝静まってから集中できたりしたから、だいたい８時間はやっていたと思うよ」

そうだったんだ。活動時間がずれてしまっていたのでわからなかったけど、息子なりにがんばっていたんだ。

世間では１２時間とか１４時間とか聞くのでまだまだ甘っちょろいのかもしれないが、うつで頭を休めないといけないことを考えたら健闘したと思う。その分浪人でカバーしたということで(笑)

東大に受かる可能性はどのくらいか
東大の試験が終わった日に点数を計算して、夫は「わからないよー、もしかしたら受かっているかもよ」といっていた。
息子は「うーん、どうかなー。でもあれだけ数学で苦手なのばっかりだったしなー」と渋い顔。「でもまだ可能性がないわけではないかな」

わたしは希望を持たせると落ちた時のフォローのしようがないので、しかも周りに期待されているのも少しプレッシャーになるのではないかと考えて、「まあ本人がそういってるんだから・・・慶應に入れるなんてすごいよ！」と落ちる前提発言を繰り返していた。

ところが、日がたつにつれ、「本当に慶應大学に受かったんだねー。楽しみだねー」というと「まだ慶應大学と決まったわけじゃないからね」と物申す感たっぷり。

なので聞いてみた。
「東大に受かる可能性はどのくらいあると思う？」

「うーん　（しばらく無言）　４０％くらいかな」

かなり微妙なラインだが、確かに受かる可能性も残っているのね。
それはソワソワが止まらないわけだ。

それでも落ちたときの落胆を少しでも緩和したいので、わたしは相変わらず
「慶應に行けるなんてうれしいなー」
と繰り返していた。