ガタンゴトン

「この魔法の切符を持っていればどこにでもいける。」
そんなワクワク感がある。
毎年、期間限定で青春18切符というものが販売されている。この切符を持っていれば一日中JR乗り放題だ。18と書いてあるが、別に年齢は関係なく誰でも買うことができる。

僕は何度か使ったことがある。
新幹線は対象外なので電車で友人と遠出する。片道に何時間もかけて旅行する。
どこの駅で降りてもいいし、車窓から景色を眺めるのもいい。
ビルに日が跳ね返り眩しいと思えば、見渡す限り田んぼになったり、小さな船と水平線が見えたり、景色が変わっていく。そこにはそれぞれの生活がある。
ガタンゴトンと揺られる。
このまま一生電車に揺られててもいいかもなと心地良い眠気が言う。

「降りてみようか。」
ご当地の美味しいものをつまみ周辺を散歩する。この気軽さが好きだ。
こんな素敵な場所があったんだと発見することもある。

ガタンゴトン。
普段の嫌なことは全て考えない。
ガタンゴトン。
車両の後ろの方からキャッキャとした学生の声が聞こえる。なんだか楽しそうだ。
ガタンゴトン。
老夫婦が何か話している。今日の晩ご飯を2人で決めているのだろうか。
ガタンゴトン。
平和でゆっくりとした時間が流れる。
人が少ない車内。
昼間や夕方の電車が好きだ。

久しぶりに青春18切符でどこかに行きたいな。そんなことをふと思う。
次に行きたい場所でも考えようかな。
自粛期間の間は虚構で我慢だな。
ガタンゴトン。

————————————
読んでくださってありがとうございます！
note、ツイッターのフォローもぜひお願いします！（エッセイ更新や日々の色々をつぶやいています。）
https://mobile.twitter.com/akano_momiji 
  
今日のおすすめ曲↓

今日のおすすめエッセイ↓