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「52ヘルツのクジラたち」を読んで、私は また この感情を心に沈めて 生きていく。


この作品について 感じたままに書いてみたら
【大筋の感想】と【私の心の内】と なった。

とても素敵な表紙だ。

そして 帯に書かれた

「読者メーター」読みたい本 ランキング 第1位!
(単行本部門 週間 2020年3月5日~12日)

凪良ゆう氏大絶賛!

なんて痛々しく力強い物語。
人と関わるのことで生まれる歓び、哀しみ、後悔。
それらを抱えて生きていくこと。
描かれる命の循環に胸を衝かれました。

凪良ゆうさんの作品を
連続読み したばかりの私は
迷うことなく「52ヘルツのクジラたち」を 手に
レジに並んでいた。

並びながら、裏表紙を見たら
裏帯に

52ヘルツのクジラとはーー
他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。
そのため、世界で一番孤独だと言われている。

へーーーそうなんだ…
このクジラ 可哀想すぎるじゃないか…
一瞬 胸の奥の方をギョリっと剥がされかけたが
グッとこらえ 

いやいやいや、大丈夫。
きっと クジラと人間の 感動物語なんだろ
うんうん😌

ん?!

その下に

自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。
孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるーー。

あーーー😣

そっかそっか、なるほどーー
だよねーーー、だよねーーー。
心の中で歌ってしまうほど 慌てたが
平然を装い帰宅。

わたし、虐待NG
読む勇気が持てず、本棚に飾っていた。

他の本を3冊ほど読了したある日
本屋大賞ノミネート作品が発表。

受賞が決まる4月までの間

できるだけ
ノミネート作品を読むぞ!
本屋大賞を楽しむのだ!!

というワケで、勇気を出すことに成功。
「52ヘルツのクジラたち」を読み始めた。

1日で読了。

読みやすい。というのが感想。
わかりやすい。言葉も文章もスッと入ってくる。

テレビドラマを見ているよう
どんどん映像がイメージできてしまい
泣きました。

どうなるの?
「貴瑚」は どうする?

ねえ、どうしたらいいの?わたし。
と、だんだん自分が「貴瑚」になっていく。

「貴瑚」になった自分が
考え、悩み、無我夢中で進んでいく。

ラストに向かうほど、現実的で
ドキュメンタリーのようだった。

というのが【大筋の感想】だ。


ここからは【私の心の内】

理由は違えど
自ら命を絶とうとする「ムシ」と呼ばれる少年と
我が息子が重なる。

細くて もろい糸の先に引っ掛かってるだけのような
傷つけられた、儚げな、とても大切な命を
私は 我が息子に重ねて
読みながら何度も泣いた。
「失いたくない。私を一人にしないで」 と。

普段 口にしたことのない、
心の奥底に沈めてある感情を
引き上げる事は 辛かった。

私自身が この作品を
読んで良かったのか、読まなければよかったのかは
今でもわからない。


しかし、たくさんの方々に
読んで欲しいと思った。
知って欲しいと思った。
目をそらさないで欲しいと思った。


希望を捨ててるわけではない。
諦めてるわけでもない。
しかし、
夢を持つのは違う。
奇跡を待つのも違う。
「生きて」と願うのも違う。

ただ ただ わからないように、
静かに、必死に祈るだけ。

「どうか、心穏やかであって欲しい」
ただそれだけ。
息子が どの道を選ぼうとも。

この作品のラストシーンのような
一筋の光が、いつか自分にも見えるのかもしれないと 思いたい。

私は また この感情を心の奥に沈めて
平常心を保ち生きていく。

いつか 息子と心から笑える日がくることを
静かに、必死に祈りながら。


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