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ママのための化学教室-12: ハーブチンキ3種類を濾過してみよう


今回は、文字通りママのための化学教室です。

ハーブチンキを濾過する手順について説明です。
実験室の中、実験を行っている気分を味わってみましょう。

はじめに

濾過作業は、台所でされるのがおすすめです。

水回りのないところでされるときは、
廃液用のボールや鍋など、
ある程度容量のある容器と、
溢れた液をふき取る雑巾などを
用意しましょう。

今回は、購入先の違うドライハーブ三種類で
それぞれチンキを調製(ハーブ4g/ウォッカ100mL)。
同じ処理を3回繰り返します。

それぞれの保存用ボトルには、間違わないよう
事前にラベルをつけておかれることをお勧めします。

まず準備と手順を一通り読んでから、
実際に初めてみてください。

準備---濾過する液量が少ない場合

*ハーブ入り抽出液(瓶入り) 3種、計3本

* 漏斗(保存容器の口が小さい場合) 1-3個
 
※今回、3種類漉すので、それぞれに、
  
もしくは一回ずつ洗浄して使用します)

*ガラス製保存用ボトル      3本

(事前にラベルをつけと置くと良い)

*箸、ガラス棒または、マドラー   1本
(漬込んだ液を、これに伝わらせて
フィルターに入れます。)

*ウォッカ                100-50mL
(ハーブを漬けている液と同じもの)

* コーヒーフィルター(自立型のもの) 3枚

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※ 今回利用したファルターは、ゼンミ(株)製のこちら。
買い置きがあったのと、濾過する量が、
ドライハーブ、溶液ともに少なかったこと。
三種類比較するので、混ざりにくくするため。

量が多い場合は、フィルター部の容量が小さいので、
この方法は向かないです。


方法

1) 保存容器の口に漏斗を差し込み、さらにその上に
組み立てたコーヒーフィルターを乗せる。(下図、参照)

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2) 箸に沿わせて漬け込んだ溶液をフィルターの中に注ぐ。

この時注ぐ量は、八分目くらいに抑えておく。

あまり多いと毛細管現象で、濾しきれなかった分が溢れ、
保存用の液に混じる可能性があるので注意。

濾過するときは、倒れないよう片手で
漏斗を
支えて置くと良い。
(溶液を注ぐときは、箸で軽く支えられます。

強く押し過ぎないように)
頻繁にされるなら、漏斗台の購入も検討されても

いいかもしれません。

広口の容器に濾液を受ける場合は、
コーヒードリッパーを漏斗代わりに
利用されても良いかと。

コーヒーフィルターだと、最後に絞りにくいので、

晒布等の方が最後まで絞るのに適しています。

保存容器が広口の瓶であれば、直接、漏斗を
置けます。

3) 二種類目の濾過に入る前に、(1)で使用した漏斗を

少量のウォッカを3回、漏斗の液が流れたところに

まわしかけて、洗い流しておいてください。

ここで使用したウォッカは、捨てます。

(今回は、ハーブを浸したウォッカだけなので

これで十分です。この過程は、化学の実験では

「とも洗い」と言います)

4) (1)-(3)を、保存用ボトルを変えて、
サンプルの数だけ繰り返します。

考察: 一度に複数個の濾過を行ってみて

今回は、たまたま買い置きのあった無漂白コーヒー

フィルターのおかげで、作業が簡単になりました。

試作段階で利用するにはおすすめです。

本格的にハーブチンキの調整をする場合は、

ハーブのエキスを無駄なく回収するために、

布のフィルターの方が絞りやすいと思います。

漏斗がない場合は、コーヒードリップを代用しても

良いと思いますが、その場合は、下で受ける容器は

直接保存用の広口ビン、または、ガラスのコップ、

コーヒーサーバーで受けて保存容器に、という

使い方でも良いかと。

下で受けるものは、保存容器以外は、陶器よりも
透明な
ガラスの方が濾過の状態がよく見え、
抽出成分に対する
耐性が高いのでおすすめです。

プラスチックは材質により、アルコールや酸、
ハーブからの
抽出成分に反応することが
ありますので、長期保存の容器に
使用するには
注意が必要です。

今回の保存瓶は容量が250mLだったので、少し大きめでした。

もう少し小さくても良かったかもしれません。
これは予算や
置く場所等と相談して今後の課題。

保存ビンの近くでは、微かにチンキの香りがするので、

アルコールの密閉性は少し難ありかもしれない

(今回はceriaで購入。各自、色々検討してみてください)。



最終的に、濾過した液は、室温で冷暗所に保管。

おまけ: 今回使用したサンプル

エキナセア・ドライハーブ3種(価格は、2021.9.4購入時のものです。)

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同じエキナセアのドライハーブで購入してみましたが、
葉と茎が混じっているようです。
それぞれ見た目からして違いが見られました。
飲んでみて…は、また別の機会に。

エキナセアについては、以下のような解説を見つけました。
今回のようにチンキとしても使いますが、ハーブティーとして
飲むのもおすすめです。

みなさんも、いろいろなところの商品を飲みくらべてみては?

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エキナセアは、北米を原産とするハーブの一種で、
古くから傷や病気の治療薬として用いられてきました。

エキナセアの根の部分に含まれている有効成分には、
免疫機能を高める働きや抗炎症作用があり、
風邪やインフルエンザをはじめとする感染症の予防に
利用されています
(https://himitsu.wakasa.jp/contents/echinacea/)。
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冬にそなえて、準備万端?!

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2021年9月30日 一部改訂しました。
2021年10月10日 製品の価格について情報を追加。


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