中国の若者にとって、日本の大学への進学がコスパ良好な理由

中国では、一流大学の学生でも就活が厳しい。二流大学はもっと厳しい。そのため、より一層、少しでも良い大学へ進学しようと受験戦争が過激化する悪循環だ。この、学歴競争の過激化が、少子化をもたらす。日本の話になるが、昭和時代は高卒で24歳くらいで結婚する人が男女ともにいた。大学進学は金持ちだけの特権だった。今はそうではない。大学受験は大衆化した。

中国では、公務員試験の倍率が、一部自治体では100倍以上らしい。日本では公務員が忌避されるのとは対照的だ。

中国は、先進国になる前に、少子化が始まってしまった。一人っ子政策と、科挙の時代からの極端な受験至上主義のせいだろう。アメリカと世界一の座を争うなどと言う識者がいるが、あり得ないだろう。中国の未来は日本よりもさらに厳しい。実は、中国の出生率は日本よりも低い。1.1くらいのはずだ。しかも、アメリカから目をつけられて、関税などで厳しい措置を受けている。

おそらく、賢い富裕層は、そのことに気づいている。中国のエリートは、アメリカやカナダ、オーストラリアなどへ移住しつつある。日本もその候補の一つだ。そのため、大久保には、早稲田大学や慶應義塾大学、一橋大学などへの進学を目指した中国人向けの予備校が多数ある。日本語の勉強と受験勉強を両方やって、一橋大学や早慶に合格するとは一筋縄ではない。なかには、東大に合格する中国の若者もいる。

日本は、オワコンなどと言われるが、過去最悪の人手不足だ。そのため、一流大学卒業であれば、無職になることはありえない。だが、中国は超就職難だ。そのため、日本の一流大学への進学は、コスパが良いのだ。欧米と比べて、円安のため滞在費も安い。

いずれは、中国の若者とも、受験で戦わなくてはならないこれからの日本の受験生が不憫でならない。

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