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伝わる取材&ライティング講座 登壇します


きっかけは突然に

4月14日のライブ配信される、”伝わる”取材&ライティング講座(#プロの文章術)に登壇することになりました。

きっかけは一年前、ビザスクさんのイベントで、広報向け文章教室を行ったことでした。読まれる文章の書き方を説明し、実際に広報文に”赤入れ”をするという実演もあり、なかなか盛り上がりました。

そこで感じたのは記者が日常的にやっていることを、意外と企業広報のかたは知る機会がないのだなということでした。出席者はみな真剣な眼差しで、質問も鋭く。私としても得るものが多かったイベントでした。

そんな経験もあり、ビザスク広報の小川晶子さんと、「またイベントやりましょう」という話をしていました。同じころ、文藝春秋digitalにおいて「伝説の刑事 マル秘事件簿」という連載を始めることになりました。そうだ、と思い、同メディアのプロジェクトマネージャーである村井弦氏にも声をかけてみました。すると、とんとん拍子で話がまとまり、「ビザスク×note pro」という形でイベントが開催されることになりました。

素人からプロの記者に

私が記者を始めたのは、もう15年以上前のことになります。20代はゼネコンのサラリーマンとして過ごし、なんとなしにライター業を始めたのがきっかけでした。完全な素人からのスタートでした。

出版業界は割と古い体質で、就業訓練なんてものは一切なく。いきなり取材、ライティングという日々に放り込まれました。本を読むのは好きでしたが、どちらかと言えば内向的でコミュニケーション下手だった自分にとっては、今思えばかなりハードルの高い仕事でした。


私が仕事をする上で大きな「学び」を与えてくれた人が二人います。一人は「JBプレス」副編集長の阿部崇さん。もう一人は「Forbes JAPAN」編集長の藤吉雅春さんです。現在は違うメディアで活躍されているお二人ですが、かつては私と同じ編集部で働いていた先輩記者でした。


阿部さんはFRIDAY時代の先輩記者です。イケメンですが無口で怖い方でした。緻密で正確な仕事ぶりで、まさに”エース記者”という雰囲気を醸し出していました。当時、私が所属していたFRIDAY政治班のキャップが阿部さんでした。ダークスーツ姿でテキパキと指示を出す姿は、まるでSPか刑事のようで。「おおエース記者はかっこいい!」と、羨望の眼差しで眺めていたものです。まず阿部さんに怒られないように、そして褒めてもらえるように仕事をすることが駆け出しだった私の目標でした。

阿部さんは調査報道を得意としていました。仕事を通じていろんな資料の探し方を学びました。「記者の心構え」や「取材準備」といった作法を、阿部さんの背中を見ながら学んだ時代でした。

文春ビック3から学んだこと

文春に移籍してからは、藤吉さんと仕事をする機会が多くありました。藤吉さんもイケメンですが、そのトーク力で知らずのうちに人を魅了してしまう教祖的な魅力を持つ方でした。

当時の文春には藤吉さん、西岡研介さん(現ノンフィクションライター)、中村竜太郎さん(現ジャーナリスト)という”ビッグ3”と呼ぶべき記者がいました。この3人は、まさにモンスター級のプロ記者で「毎週スクープ取っているんじゃないのか!?」と思うくらい、後輩記者からすれば眩暈を覚えるくらいの大きな存在でした。

その中でも、藤吉さんはとにかく文章が抜群にうまい方でした。どんな構成で文章を書いているのかなという視点で記事を読むと、この記者はこんな手法で取材していたんだということが想像できます。藤吉さんはストーリーテーリングはもちろんのことですが、場面転換の入れかたが秀逸で、記事を読むとその取材ぶりが目に浮かぶようでした。私もよく原稿で、その手法を真似をしてみたものです。

他にも多くの方から学びを得ました。「プロの記者」という言葉は面映ゆいですが、キャリアとしては15年以上も記事を書くことで生活をしているのでプロとは言えるのでしょう。

私が先輩記者を見て学んだことを言語化するべく、今回のイベントにあたりいま再整理しているところです。

取材の楽しさと、意外な効用

記者というのは正直に告白すると、「とても楽しい仕事」です。「素人からプロになれた理由は何か?」と聞かれると、楽しいと思ったことが最大要因だったのではないかと思います。

好きな人と話が出来て、好きな場所にも行ける。興味を持った内容を記事にできますし、何かを世間に伝えることもできる。こんなに面白い仕事はないと今でも思っています。

ライターだけに限らず、多くのかたも広報やプレゼンといった機会で、「何かを伝える」という場面があるかと思います。興味、関心、楽しい思い、知見ーー。まず取材者が目の前にある事象について「何かを感じる」ことが、伝える仕事の原点ではないでしょうか。

また取材には別のメリットもありました。先に私は内向的な性格だったと書きましたが、記者修行のおかげで今ではすっかり”社交的”と見られるようになりました。取材経験を重ねることでコミュニケーションが苦痛ではなくなり、むしろ楽しくなった。性格まで矯正されてしまったのです。もしかしたら記者という仕事は社会更生プログラムとしても有用かもしれません(笑)

私が仕事を通じて学んだメソッドを、ぜひ皆さんにもお伝えできればと思っております。よろしくお願いいたします。

ジャーナリスト 赤石晋一郎

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