見出し画像

神話なんてと思っていたけど

図書館をあてもなくフラフラして、おもむくままに色々な本を覗く。
どんな気分の時でも、本が沢山ある空間は、「このどこかに必ず拠り所がある」と思わせてくれるから好きだ。

ある日わくわくとしながら、図書館の中でも普段はあまり行かないゾーンに行ってみた。宗教などの本が並んでいる場所だ。そこで何故か私は神話の本に引き寄せられた。

とりあえず、目についた『はじまりが見える世界の神話』という本をパラパラめくり、なんだか面白そうと思い、すぐに借りた。

世界各地の神話が読みやすくまとめられている上に、私の好きな雰囲気の独特な挿絵が私を惹きつける。

数年前の自分だったら、神話なんてしょーもなと思っていたのだろうが、よくよく考えたら神話というのは「人間の創造力と想像力の根源」であると気づいた。

そう思うと、途端にワクワクが湧いてくる。
目に見えないものを見ようとして、作り上げられた数々の物語。

絶対的な神。あるいは、自然崇拝。二元論的世界観。
あるいはまた違う何か。

とにかく目に見えない世界の根源を明らかにして説明しようとした色んな想像力が垣間見える。

そんな各地の神話は、共通点もあれば、相違点もある。
例えば、天空を父とする神話もあれば、女神とする神話もある。

だが、人間を超越する神的な何かに、人格のようなものを持たせて語り継がせているのはどの神話にも似ているところがあると思った。

そして自然環境の違いが神話に特色を持たせているのも面白い。

何がどう世界を作ったのか、人間がどうして生まれたのか、そこに対する希求のエネルギーが強かったのだなと感じる。

まだ何もかもが科学的に解明されていなかった時代。
そんな時代に生まれていたら、どうだったんだろうなぁ。

どんな風に生きていたんだろうな。

まだ神話に少し触れただけだけど、また気が向いたときに神話に触れたいと思う。

この本の絵を描かれた阿部海太さんという方の「あとがき」もなんだか納得できた。神話が芸術を内包している。たしかに。なんだかそう思える。

一番思うのは、世界各地の神話が形を変えながらでも、今に残っているのがすごいと思う。昔は文書じゃなくて口頭で語り継がれていたものが、こうやって今色んな言語で読むことができる。

神話に限らず、蓄積された人間の足跡に色んな方法で触れられるというのは本当にありがたいことだよね。うんうん。

と色々それっぽい感想を述べてみる。

ちなみにこの本の中でなんとなく私が一番好きだなーと思ったのは、中米・マヤ神話かな。トウモロコシから人間が生まれたという発想が好き。

もう一個印象に残ったのは、ニュージーランド(マオリ族)神話。
大空の父と大地の母が、強大な愛の力できつく抱き合っていたがためにその間の空間に光が差し込まず暗闇だった、というところから話が進む感じがめちゃくちゃ好き。

『はじまりが見える世界の神話』というこの本、サクッと読めて神話の入り口に最適だと思う。
とてもおすすめです。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?