自然災害と家とお金：4-5.大雨降れば、土砂も崩れる土砂災害。

自然災害関連の仕事をしていると、よくこういうことを聞かれます。

「次はいつ、東京に大地震が来るの？」

「地震の予測・予知は難しいですよ～。だいたいこのくらいの周期で発生します。」と説明します。個人的に思う、もっと予測・予知が難しい自然災害が土砂災害だと思っています。

土砂災害って、種類によって特徴が違うんですよね。
地震よりもピンポイントに発生するし、その場所の地形や地質、対策工事に加えてトリガーとなる雨やその他外力も考えなければならないので。

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ということで、大雨シリーズの最後の災害、4.5は土砂災害をお伝えします。
前回の高潮の記事はこちらから。

大雨降れば、土砂も崩れる

土砂災害とは、山やがけがくずれたり、くずれた土砂が雨水や川の水と混じって流れてきたりすることによって人命が奪われたり、建物を押しつぶしたりする災害
出典：土砂災害とは (tokyo.lg.jp)　（東京都建設局）

土砂災害ってそういえば、地震の時も発生していなかった？

例えば、2008年宮城・岩手内陸地震や2018年9月に発生した北海道胆振東部地震でも地震によって土砂災害が発生していました。

そうなんです。ざっくり説明すれば、土砂がある斜面などに何かしらの強い力が加わると、土砂が崩れる。これが土砂災害です。

今回は大雨によって発生する土砂災害に絞ってお伝えします。
強い雨が短時間で集中して降る場合、がけ崩れ、土石流が発生しやすいです。いちばん多いのはがけ崩れ（土砂崩れ）、その次が土石流。
がけ崩れは突然発生、土石流は時速20~40㎞程度と言われています。
もう魔法をかけるか、瞬間移動するしか逃げられません。

トップ画は、台風発生後に見つけた高速道路沿いで発生した土砂崩れの後。
ブルーシートと土のうで応急処置している様子が分かりますね。

以前書いたシリーズに動画をいくつか掲載しました。土砂災害の「現象」、その脅威を感じたい方、こちらからご覧ください。

土は重い、水を含むともっと重い。

土砂災害が発生して家が倒壊、もしくは家の中に土砂が入ってきてしまったニュースを耳にされたことがあるかと思います。

土砂って、ご存知かもしれませんが結構重いのです。
例えば、厚さ50㎝の土って、何と同じくらいの重さでしょう？

２階建ての家と同じくらいの重量であると言われています。
家は２階建てだから高さが６~８mぐらい。
どれほど土が重いものであるのかお分かりになるはずです。

大雨が降るということは、土砂に大量の雨水が含まれるということ。
つまり、元々重い土はさらに重くなります。

ハイ、土砂崩れ・土石流は「速い」、そして土砂は「重い」。
それらが同時に襲ってきたらどうなりますでしょうか。

家を壊す力もありうるのです。

土砂崩れで建物の一部が損壊　（2017年台風18号、宮崎県）
出典：国土交通省　平成29年土砂災害の発生状況

土石流による被害　（2017年台風21号、奈良県）
出典：国土交通省　平成29年土砂災害の発生状況

がけ崩れで土砂が流入　（2017年台風18号、京都府）
出典：国土交通省　平成29年土砂災害の発生状況

じゃあ、鉄筋コンクリート（RC）造のマンションの場合？
木造の住宅よりは強度があるRC造の住宅。
低層階に住んでいて、裏手に山や崖があるなど大雨が降った時に土砂災害の危険性がある場合、場所によっては土砂が流入する可能性も考えられます。その点は注意が必要です。

この写真は、近所で見つけた急傾斜地の近くにあるマンション。
急傾斜地にもマンションは建てられています。ちなみに点線の下にはカーポートがあり、車が駐車していました

そういえば、火災保険でカバーされるの？

結論だけお伝えすると、火災保険の水災補償でカバーされます。
水災補償というのは、名前のごとく水の災いによって発生した被害を補償するものです。洪水とか、浸水とか、高潮って言われると想像しやすいのですが、土砂災害っていうと、一瞬「？」がついてしまうんですよね。。。💦
火災保険のお話し、次回にお伝えします。

最後に今回の話をまとめます。

＜まとめ＞
・大雨によって土砂災害が発生。
　短い時間に強い雨が降ると、がけ崩れ、土石流が発生する。
・がけ崩れや土石流は速い、威力もある。木造住宅への被害も大きい
・大雨による土砂災害は火災保険の水災補償でカバーされる

最後までご覧いただき、ありがとうございました！

あじさい