それは、誰にも等しく(Merry Christmas/BUMP OF CHICKEN)

クリスマスには、特別なことがしたくなる。


一人で暮らしていたときは、特にそうだった。


神さまは信じていないから、手を合わせることもないのだけど。(そもそも、イエス・キリストには合掌しないものなんだろうか。)


でも。


ケンタッキーのバーレルが入っているだろう紙袋を抱えている人。


腕からぶら下げたビニール袋から、ラッピングされたプレゼントがのぞいている人。


そんな、通りすがりの人達を見かける度、羨ましくなった。


神さまを信じているかどうかなんて、関係ない。


クリスマスは、やっぱり特別な日なんだ。


誰かと過ごしたくなる、特別な日。


とびっきりのフライドチキンも、


年に一度もらえるプレゼントも、


きっと、大切な人のそばにいるための口実なんだ。


だから、そんな大切な人がいないと、途端に寂しい一日になる。


いつも一人で過ごしているくせに、より寂しさを感じる一日に。


なんだか、自分一人だけ取り残されてしまったような、そんな気分になる。

いつもより ひとりが寂しいのは
いつもより 幸せになりたいから
比べちゃうから

――『Merry Christmas』より引用

なんて、そんなクリスマスソングを作れるのは、バンプだけだ。


Merry Christmas.


それは、年に一度だけの魔法。


大切な人がいる人に。


大切な人がいない人に。


孤独を持て余している人に。


誰の元にも、訪ねてきてくれる。


Merry Christmas.


クリスマスは、どんな人でも幸せになっていい日なんだと、教えてくれた。


それを知ったとき、ずっと抱えていた寂しさが、ほんの少しだけぬくもりを持ち始めた気がした。

今夜こそ優しくなれないかな
全て受け止めて笑えないかな
僕にも優しく出来ないかな
あなたと楽しく笑えないかな

――『Merry Christmas』より引用

ひとりぼっちのときも、


誰かと二人になったときも、


そしてまたひとりぼっちになっても、


クリスマスは、誰にも等しく訪れる。


Merry Christmas.


どうか、あなたの元にも魔法がありますように。

12/24更新

Merry Christmas(『R.I.P/Merry Christmas』収録)/BUMP OF CHICKEN(2009年)

ここまで読んでくださり、ありがとうございます。 「サポートしたい」と思っていただけたら、うれしいです。 いただいたサポートは、サンプルロースター(焙煎機)の購入資金に充てる予定です。