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夢中で読んだ本と僕の考え方の話




僕は最終学歴が高卒です。それも高等専門学校から専門科目分の単位不足の転校と言う名でドロップアウトを経て、高卒が認められたのは20歳の時でした。なので正直なところ僕にはあまり教養がありません。そんな僕ですが、学生の頃から一つだけ今でも続けている習慣があります。それは読書。

読書といっても、僕は文学作品や小説はほとんど読みません。難しい漢字もビジネス用語も全然知りません。じゃあ何のために読書をしているかと聞かれれば、僕が知りたいのは『人』のことなんです。それは体の作りだったり、脳の仕組みだったり、性のことも、性格のことも、命のことも。何が人を今そうさせてるのかが知りたいんです。

そうして色んなジャンルの本を読み漁っていたそんな中、たまたま見つけたのがマイケル・サンデルという人でした。たぶん人気者真っ只中だった池上彰さんが、TVで取り上げたからか何かで本屋の目立つところにその本はありました。


彼は政治哲学者で、保守主義や進歩(革新)主義に代わる共同体主義なる価値観を説く人です。正直なところ僕は彼の根本的な主張に感銘を受けたことは特にないんですが(!?)、哲学者の独特な話の進め方や視点の切り替え方、何度も繰り返される思考実験や過去の偉人から影響を受けたエピソードなど、初めて感じるその世界観に僕の知的好奇心はくすぐられ、時間を忘れて夢中で読みました(あと翻訳された方の力もかなり大きいものだったと思います)。

難しいことへの言及やら中身への感想はいろんな人がされてるので割愛しますが、読み終えた僕はそれまで『あらゆることにおいて一側面しか捉えられずに生きていた』ことを痛感しました。あの時もっと違う考え方ができていたら、実は今と変わってたことがたくさんあったのかも…それ以降、僕は少ない知識と難しい話に相対する勇気を振り絞って、哲学というジャンルにどっぷりハマることにしました。色んな可能性を考えられる人間になるために。


僕はなんとなく自分のセクシャリティについて書いてますが、LGBT関連のことは社会的に知られこそすれど、割といわゆるストレートでない人への風当たりは今も強いままな気がします。僕は「なんで分かってくれないの?」より「いつまでもこの風当たりの強い状況が続く原因はなんだろう?」と思います。(過去にも繰り返し書いてますが)

昔から根付いた政治観や宗教観の潜在的な影響があるのかもしれませんし、生物としてあるべき繁殖を拒否することへの懸念、もしくはなんとなく生理的に嫌悪感を抱く人もおられるだろうし、それはそれでその人にとって普通のことなんだと思います。でも一旦自分の感情をグッと堪えて、色んな人の視点から考えてみるのも意外と面白かったりしますよね。


僕は困ったり悩んだりする誰かを救うような素敵な文章は書けないけれど、くだらないながらも僕の視点から見てきた特殊(?)な世界を少しでも知ってもらえたら嬉しいなと思います。そして、僕も色んな人の記事を読んでその人の見てる世界を少しずつ覗いていきたいと思っています。




僕はお気持ちだけでも十分嬉しいのです。読んでくださってありがとうございます🥰