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『「コロナうつ」かな?』を読んだはなし

こんにちは。今日はこちらは曇りです。7月に入り、今年ももう半分終わってしまったのかと思うと少しかなしいけど、あと半年はあると思えば大事に過ごしたいとも思う私です。

今回は『「コロナうつ」かな? そのブルーを鬱にしないで』というタイトルの本を読んだ話。

コロナウィルスが流行し始めて1年以上経ったわけですが、最初は得体の知れないウィルスに対して対処方法や影響がわからず、緊急事態宣言が発令されてステイホームが謳われ、病気とまでは言わないけれどゆううつな気分になったり、将来への不安を感じたり、不調を感じた人も多かったと思います。感染が流行し始めの頃だけでなく、それが長期間に渡って続くことで、長く続く緊張感というか、なんだか解放されない感じというか、そういうものにより疲労を感じている人もいるのではないでしょうか。…私自身感じています。

ブルーな気分からうつ病になる可能性もある。

この本は予防や早期発見などのヒントを与えてくれる本です。私と同じように休職した人が手にとっても参考になると思います。

1.本の概要

まず本を開いたそで部分、このように書き出されています。

 この本では、新型コロナ禍でのブルーな気分をうつ病にしないための処方箋を書いてみました。
 ウィズコロナを生き抜くために、みなさんの気持ちを少しでも軽くすることにつながれば、著者として嬉しいかぎりです。(「まえがき」より)

目次は下記の通り。

序章   「ステイ・ホーム」で本当に良かったの?
第1章 「コロナうつかも?」と心配する前に
第2章 「コロナうつ」の症例を知りましょう
第3章 「うつ」の正体を知りましょう
第4章   今すぐできること、しなくていいこと
第5章 「心の免疫力」を高める生活習慣を

ブルーな気分は放っておくとうつ病になる可能性があります。この本は、そうならいよう、症例やうつの正体、対処方法等が書かれており、予防やこころが軽くなることを目指している著書です。

2.読んで印象に残った内容

読んで印象に残った点を3つ書き出します。

(1)かくあるべし思考
うつ病になりやすい人の特徴の一つとして「かくあるべし思考」を持っているということが書かれていました。うつ病ではなく、適応障害の私にもすごく当てはまり、捨てるべき思考だと気付きました。

 うつ病になりやすい人は、「かくあるべし」という自分の価値観や理想像にこだわり、そこから外れていると、不安や苦しさや怒りを感じてしまいます
 たとえば、「ノルマは絶対にこなさなければいけない」「仕事には1つもミスがあってはいけない」という考え方の人は、それができなくなった自分とのギャップを感じて、つらい気持ちになったりします。挫折感を味わいやすいとも言えます。
 そういう状態が続くと、「自分はなんてダメな人間だろう」「自分はもうダメだ」「何をやってもうまくいかない」と自分を追い込む方向に気持ちが動いてしまいます。
 「かくあるべし」思考が少ない人は、そこまで落ち込むことはありません。「ノルマなんて、達成できないことだってあるよね」「ミスはしちゃいけないけれど、人間だから、ミスはあるよね」と思っている人は、自分がノルマを達誠できなくても、ミスをしても、それほど落ち込まないか、一時的には落ち込みがあっても、やがて回復していきます。

(2)楽しいことをする療養
私はメンタルヘルス系の本を数冊読みましたが、これはどの本にも書かれていることでした。メンタルケアのためには体を休めるのではなく、心を休めましょうということです。ただ「心を休める」ってなんやねんと思うわけなのですが、この本にはきちんと明記されていました。「楽しいと思うことをする」です。

 うつ病の治療の休養は、寝ていることではなく、楽しいと思うことをすることです。「これをしているときは楽しい」と思えれば、他の時間がずっとつらくても、回復のきっかけになります。
 たとえば、外に出て公園に行き、1人でブランコに乗ってみて、「風が心地よくて、気持ちがいいな」「むかし、ブランコ好きだったな」「ブランコって、楽しいな」などど思えると、うつ気分が少し緩和されます。それを契機に、「生きていると、何か楽しいことがあるかもしれない」と思うことにつながれば、回復につながっていきます。
 ブランコだけでなく、シーソーにも興味を持ち、咲いている草花にも興味を持つようになり、「おもしろそうだな」「きれいだな」という感覚が増え、興味の幅が回復していくと、うつ気分がとれてきます。
 しばらくすると、心が元気になってきて、「仕事がつらかったけれど、仕事にも行ってみようかな」という気持ちになるかもしれません。
 家で寝ているだけでは、そういう気分に変わっていくことは考えにくいですよね。
 ですから、うつ病の治療には、家で寝ている療養ではなく、楽しいことをする療養が必要になるのです。

(3)素直に周りに頼る
これはよく聞く文言であり、これが簡単にできないから困っているのよ、言いたくなりますが、大事なことだと思いますので自戒も込めて書き出します。

 大事なことは「抱え込まないこと」「助けを求めること」。これは、家族がうつ病になった場合だけでなく、自分が苦しいときも同じです。困ったときには他の人の助けを借りるつもりでいれば、状況を悪化させにくいはずです。
 悲観的なものの見方を変えなければ、薬でセロトニン量が回復し、神経栄養因子が回復して、脳神経回路が正常に戻っても、つらい気持ち消えない可能性があります。
 世の中には、「心の強い人は、うつにならない」と思っている人がいますが、そうではりません。「素直に周りに頼れる人が、うつにならない」のです。

3.私のアクションプラン

アクションプランと書くとビジネスっぽいよね、と思いながら、行動計画というとなんだか堅苦しいので、アクションプランと表現させていただきます。この本を読み、個人的に実行に移したいことを挙げます。印象に残った内容からも反映し…

(1)かくあるべし思考を捨てる。
   できない・わからなくても落ち込まない。
  「悪いことも、いいこともある」という考え方を持つ。

(2)楽しいと思うことを実行する。

(3)素直に周りに頼る。
   抱え込まない、助けを求める。

さいごに

この本に書かれていたのですが、うつ病の生涯罹患率は、日本では約6・7パーセントだそうです。15人に1人が一生のうちのどこかの時点でうつ病になる可能性があるということ。学校の1クラスが30〜45人くらいとすると、どのクラスでも2〜3人は、生涯のどこかの時点でうつ病になるというような割合。そう聞くと、思っていたより多いなと感じました。決して珍しい病気ではない。多くの人が予防でき、苦しむ人が少なくなればいいなと願います。これを読んでくださっている方の中には苦しんでいる方もいるかと思います。その方はむりせず、あせらず。

苦しいことより楽しいことを多く見つけていけるように、なればいいなぁと、思います。

上記に書いたことは著書のほんの一部です。ブルーな気分を感じている方、ブルーな気分を感じている周りの方、ぜひ手に取ってみてください。(文庫タイプなので読みやすいです)
ご一読ありがとうございました。


いつでもお待ちしています。