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オリジナル製品の設計開発/研修課題

みなさんこんにちは。機構設計エンジニアのKです!
私は未経験で2023年2月にアイテックソリューションに入社し、入社後の3D-CAD技術者育成研修を終え、現在は機構設計エンジニアとしてパナソニック社の開発現場で勤務をしています。
入社当初は、文系卒でものづくりの知識や経験が全くない状況でした。
入社後の3D-CAD技術者育成研修では図面やものづくりの基礎から始まり、CADの操作方法の習得を経て、最後にはオリジナル製品の開発に取り組みました🔥
そこで今回私が研修期間に開発したオリジナル製品が完成するまでの軌跡をご紹介させていただきます。

まずは完成した製品がこちらです。

【起きて回して目覚まし時計】

:商品名【起きて回して目覚まし時計】

1. 動機
 私は朝が非常に弱く、一度起きても、目覚まし時計のアラームを止めて二度寝をしてしまうことが多々あります。そこで、二度寝を防止する目覚まし時計が欲しいと思い、今回の製品製作に至りました。
 
2. 方針
 アラームを止めて二度寝をしてしまうのは、アラームを止めるのが容易すぎるからであると自分は考えています。特に、寝転がりながら手の届く場所に時計があった場合、(私の場合)二度寝は不可避になってしまいます。この考えから、「アラームを止めるのが困難な目覚まし時計」という方針に決定しました。
 続いて、アラームの止め方についてですが、“止めるのになるべく時間がかかる”かつ、“ある程度身体を動かす必要がある”という条件を定め、「レバーを一定回数(想定では30回転)回して止める」という方法にしました。また、装飾面での面白さが欲しかったので、「レバーを回転させている間は装飾部が回転する」という仕様も製作することにしました。
 
3. 設計、モデリング
 設計の現場で実際に行われるDRを想定し、研修場所である受託設計室のメンバー全員を前にプレゼン発表を行いました。1回目のDRでは40個以上の修正箇所が出てきました。
 そこから修正⇒DRという流れを2回繰り返し、合計約100カ所の修正を施し、最終的に以下のようなデータになりました。
 実際に受託設計業務を行っている現役エンジニアの先輩からのご指摘は、自分では気づかない視点ばかりで非常に勉強になりました。


下記は完成版の外観と内部の3Dデータです。

続いて、各部を詳しく見ていきます。

装飾部

 レバーを回転させると連動して回転する部分です。ハンマー投げをする人間の模型が回転台に乗っています。学生時代に部活動でハンマー投げをしていたことから、こちらのデザインに決めました。そのため、この人間の模型は受託設計室の方々には「コウセイ君(私の名前)」と呼ばれています。
 この人間の模型は、課長に設計していただきました。

ギアボックス部
ギアボックス部

 ギアと連動してカムが回転し、カムがプランジャーを押し、プランジャーがアラームストップスイッチを押すという仕組み。
 上下レバーを押し込むと3段目のギアが持ち上がり、ギアの噛み合いが外れ、バネの戻りによって、3段目ギアとプランジャーがそれぞれ原点復帰するようにしています。このギアボックス部の設計が予想以上に大変で、最も苦労しました・・・

上記の部品はすべて、ダイソーの『ミラーデジタル時計』から流用

4. 3Dプリンターで造形、組み立て  
3回のDRを経て完成した設計データをもとに、受託設計室にある3Dプリンターを使って造形を行います。部品をすべて造形し終えるまでに、丸2日ほどかかりました。

無事組むことができ、動作確認もとれました!完成!!!

5.  感想
 自分が発案したものが無事に形となって現れて、そして動作したときは非常に嬉しかったです!完全未経験であった2月当初から考えると、成長を感じられる結果になったと思います。
 一方で、完成までには苦しい時間も多くありました。せっかく教えていただいた機構を勘違いして設計していたり、なんとなく数値を決めてしまって後々大変なことになったり・・・とにかく、多くの失敗をしました。
 ですが、その度何度も考え、何度も上司に質問し、試行錯誤しながら完成へと導く時間は苦しいながらにも楽しさとやりがいを感じる瞬間でした。
 入社する前は、これほど充実した研修内容とは思っていませんでした。座学はもちろん、実際にものづくりの楽しさを感じられる研修内容というのはアイテックソリューションの研修の強みだと感じました。
 今後の目標は、研修で学んだことを活かしながら、開発の現場でいち早く活躍できるエンジニアになることです!
最後までお読みいただきありがとうございました。

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