東側陣営の復活
ロシアと北朝鮮との軍事的な協力が波紋をよんでいる。東側陣営が復活しているのであるが、西側は使われるのに、東側とという呼称が使われないのは、何故だろうか。
①東側の復活を認めたくない。
1991年のソ連の崩壊で、超大国はアメリカだけになった。しかし、2010年、GDPで中国がアメリカにつぐ規模になると、状況が変わる。
中国は傲慢になり、日本もアメリカも中国を警戒するようになった。
ロシアも2000年代に経済は成長した。
実際には2010年代に、アメリカが唯一の超大国とは言い難い状況になっていたのだが、日本も、アメリカも、それを認めたくなかったらしい。
②西欧からは東側が復活しているように見えない
西ヨーロッパからは、中国は地理的に遠く、中国の脅威は実感しにくい。中国が周辺の海域で行なっていることも直接は関係ない。
また東側という用語が使われていた時は、東欧諸国がソ連に占領されていたが、今はEUに加盟している。
③BRICsの存在
BRICsは南側が参加しており、東側の組織とは言えない。かつてのワルシャワ条約機構のような防衛条約でもない。
④それでも、東側は復活したと言える
日本から見ると、ロシアは敵陣営となり、ロシアと北朝鮮との協力で脅威が増大した。中国とロシアは同盟関係ではなくても、協力関係にあり、北半球における大国であって、この両国が軍事的に協調すれば、アメリカが勝つことは難しい。アメリカには、直接、この両国と戦う意思はない。
⑤東側という用語を使うべき
東側という用語を使わないと、BRICsで東側と南側が一体になりつつあるように見えてしまう。権威主義陣営という言葉はあるが、これは民主主義陣営に対置される言葉であって、西側に対しては、やはり東側というのが正しい。
西側メディアの主張と違い、ロシアは孤立などしていない。インドはロシアの友好国である。インドは、このまま成長すると、ドイツ、日本を抜き、第3勢力となる。そうなると、中国のように手のひらを返して日米との協力を拒むかもしれない。南側と東側を分離しておかないと、南側は東側に取り込まれてしまうだろう。
東側は復活したのであり、アメリカには、かつての勢いはなくなっている。ドル離れが急速に進行しており、西側とは別の世界が存在感を増大させていることを認めなければならない。
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