見出し画像

素人が 説明するよ 葉月十九ジューク

8月19日は俳句の日だそうです。は(8)い(1)く(9)
正岡子規を研究する近代文学の坪内先生の発案で、それ以外にも俳句に縁のある自治体や組織で歌会など発表会や大会を催している様です。

野球大好き正岡子規だと8月は野球の句しか読まなさそうとか思っちゃいます。今年の甲子園は順延に次ぐ順延ですが…泣

柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺 
など芭蕉よりも近代の教科書の人ですね!
横顔の写真がバイキングの小峠さんに似てるとか言われてましたね。
私は子規の著作では病狀六尺が好き。

五・七・五の17字に季語を含め風景描写、心理描写などを表現する俳句。私にはとてもじゃないけど難しい!
作るのも読み取るのも苦手です。

プレ◯トを見ても「???」
お◯いお茶の俳句大賞では子供から大人まですごい作品が多くてびっくりしちゃいます。

同じ五七五なら川柳ならいけるかも。いや、難しい。
論文を書けば「一文が長い」と指摘される私には17字は無理そうです。

昔、松任谷由実さんが朝のニュース番組で川柳のコーナー持ってたの覚えてますか?視聴者投稿の。確かそこで紹介されてた、

ジョンなのに ポチと呼んでも やってくる

…だったかな?子供ながらに面白いと思いました。

沖縄には琉歌というものがあって、
これは八・八・八・六の三〇字です。字数とリズムが近いのは都々逸ですかね?(七・七・七・五)
詳しい人は和歌に近いという方もおりました。

これもまた難しい!三線や箏などに合わせて歌うので方言古文に精通していないと古いものも読めません。

それでも沖縄の人が琉歌を好むのは情熱的な歌が多かったり、琉歌を2句以上繋いだものが民謡として歌い継がれ、日常的に近かったからかもしれません。

祝いの席の「かぎやで風」

沖縄で結婚式などお祝いの前には「かぎやで風」という琉舞(琉球舞踊)が演じられます。この歌詞が

かじゃでぃふう(かぎやで風)

きゆぬふくらしゃや(今日の誇らしゃや)
なうにぎゃなたてぃる(何にぎやな譬る)
つぃぶでぃうるはなぬ(蕾で居る花ぬ)
つぃゆちゃたぐとぅ(露行逢たごと)

……むっずーい(*´_ゝ`)
でもなんとなく韻踏んでるなー!語感がいいなー!って思うかも。

今日の嬉しさは 何に例えられるだろう
蕾のままの花に 露が出会い花開いたようだ

的なかんじです。
お祝いにおあつらえ向きの美しい歌です。


恩納ナビィ(なべ)

恩納村のなべちゃん(1600年代)が歌った琉歌です。彼女は女流歌人として有名な方で沖縄の名勝地、万座毛に歌碑が建てられています。

なむぃんくいんとぅまり(波の声もとまれ)
かじぬくいんとぅまり(風の声もとまれ)
すいてぃんじゃなし(首里天がなし)
みおんきおぅがま(美御幾拝ま)

波の声よ止まれ 風の声よ止まれ
首里の王様の 美しいかんばせを拝みましょうよ

あ、当たってるかなー?
他にも彼女の歌は自由奔放「政府が恋愛の邪魔すんな」的なギャルい感じが非常にウケ、生家跡など数カ所に歌碑が残されています。

↓ちょっと脱線。可愛いオバァ、ナビィの恋の話

吉屋ツル(チルー/チル)

仲島遊郭(今のバスターミナル辺り)にあったとされる、置屋「吉屋」の遊女(ジュリ)。
8歳で売られ遊女となり悲恋の末18歳で亡くなった。
ナビィとはまた違う女性らしさがある歌人。
才能あふれる女性でありながら運命に翻弄された人生は数々の劇や作品のモデルとなった。ウルトラマンの生みの親の1人(金城哲夫)も映画化した。面白かった。

が、実在しない人物とも言われているし、20作以上歌を作ったと言われているが実際に本人が歌ったとされる琉歌は少ない。有名な歌で歌碑が残されているのは売られた時に故郷から那覇に向かう道中の比謝橋(ヒジャバシ/読谷村と嘉手納町)で歌ったとされる一つのみ。

うらむふぃじばしや(恨む比謝橋や)
なさきねんふぃとぅぬ(情けないぬ人の)
わみわたさとぅむてぃ(わみ渡さと思て)
かきてぃうちゃら(かけておきやら)

恨めしい比謝橋は 情けのない人が
私を渡そうと思って かけたのかしら

昔お金のないお家は、男の子は糸満で漁師(うみんちゅ)として。女の子は那覇で遊女として売買されたそうです。そんな悲しい女の子全てを人格化したのが吉屋チルーなのかもしれませんね。

那覇市に点在した遊郭を1箇所に集めたのが今の那覇市辻にあたるところ。この街は1番偉い人から下っ端まで女性だけで運営されていたとも言われています。カッケー!近くに波上宮があり、ナンミンさんとして地元民はもちろん彼女たちからも慕われていたそうです。

※土地勘がないなら、辻には1人では行かないこと。

いかがでしょうか?

今日は沖縄の伝統的な詩歌、琉歌を紹介しました。
紹介した琉歌は私が高校生の時に古典の授業で習ったもので、他にもお役人や農民、和歌から転用されたもの。五七調、中歌といった別形式もあったりして面白いですよ!

最後におさらいですが、
今日は俳句の日です。

女流俳人では、池田澄子先生が大好きです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?