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陽のある処に咲く花は陰れば枯れる1

名称未設定のデザイン (4)

初の舞台から3ヶ月経った。

あの経験から学んだこと、監督や仲間が大きく灯してくれた情熱は大きく

心の内で燃えている。

でも私のゴールはここではない。

しばらく穏やかな日々を送りつつも

「この経験を早く生かしたい」

「生まれ変わった自分で色んな現場に行きたい」

と思っていた。


「SNSを頑張りたい」

そう宣言して始まった2020年。



自分の活動に時間をかけて投資した分お金で困った時もあった。

月に2万円以下で生活した時もあった。


前半はとにかくSNS毎一投稿を企画を練って試行錯誤した。

後半は舞台やCM、映画など現場に出ること、とにかく出られる場があればと色んな情報を貪った。


魔女の声



2020年11月

SNSのプロデュースをしてくれているメンバーが企画した短編映画の企画が私の元にも届いた。

オーディションも開催し、外部のスタッフも呼ぶかなり大々的なものだった。


今までは私の YouTubeの撮影や外部のMVなどの撮影をしていた藍美帆チームのスタッフ。

短編映画をとるのはチームで掲げていた一つの目標だったから

私も嬉しかった。

贔屓ではなく一人の役者として見てもらいたかったから外部の人と同じように応募フォームに入力した。


いつも通い慣れたオフィスもオーディション当日にはすっかりと

見慣れない場所になっていた。


正直私は怖かった。


仲間のみんなに落されたら立ち直れないかもしれない。

一緒にやりたいと思って欲しい。

でも今は甘えるわけにはいかない。


皆が立ち上げたプロジェクトの最初を一緒にやりたい思いがあった。

だから他の人には取られたくないという意地もあった。。。


でも、どこか客観視している自分と

成し遂げたいという必死で泥臭い自分の思いが葛藤したまま当日を迎えて普段通り一生懸命やった。


でも、仲間のみんなに評価されることの重圧に負けて

オーディションがおわった瞬間に心が折れた。

今思えば馬鹿だった、まだ結果が出たわけじゃないのに。


帰り道に自分の中で

「うける。みんなの前で恥かいたじゃん。馬鹿みたい、超ダッサw

できなかったね」

っていう声が聞こえた。


私の心には

よくないことや自分ができなかったことを責め立ててくる"魔女"が住んでいて、心が弱ると出てくる


今までの私の経験が全て生かせず無駄にしてしまったような感覚にもなった。


「仲間の前でさえ何もできない自分が、誰かに感動なんて与えられるわけない」

「数年やったくらいで調子に乗ってる」

「向いていないんじゃない?辞めちゃえばいいのに。わかっててやってんでしょ?」

「今、少しそうだなって思った?やっぱり、そう思ってるなら他の人に譲った方がいいよ他の人に失礼だし。」

「生きるのに邪魔なそんな情熱なんて無くしてしまえよ」


自分の中で魔女の声でいっぱいになった。


『この世界にとびこんだ三年前。私は何を誓ったんだっけ。』


くだらない魔女の声に私は負けてしまった。

冬の風が私の心も肺も冷やした。


『時間が無駄になる前に辞めた方がいいな。私は向いていないから。』

初めてそう思った

いとも簡単に崩れてしまった自分にも落胆した。

名称未設定のデザイン (1)

ーーー次回の2につづくーーー

「"好き"で生きるためのエッセンス」をコンセプトに、やりたいコトの種が見つかる物語を制作する『emole Studio』。目標を持った作家・演者・アーティストを集い、コンテスト形式で映像作品を制作するプロジェクトの1作目『午前0時、視えない声』の支援プロジェクトです。


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