寿司が有名になってくれて、ドイツに寿司があってよかった
日本で地震のことが騒がれているこの数日。あなたの心はどうですか。
私は元気でご機嫌に暮らせている時間もあれば、家族に何かがあったら……とふいに考えてしまうこともある。考えてそういう現実になってしまうのも嫌だし、考えないようにと思うけれど、無意識に想像しているときがある。
嫌なことを考えたりして元気がないときは、美味しいものを食べるに限る。そうやって生きてきたけれど、いま私がいるのはドイツ。日本とは美味しいと感じるものが違う国に住んでいるし、日本食が食べたければ自分で作るのが基本。
美味しいものを定期的に食べるためにも、私はやっぱり日本とドイツの2拠点生活ができるようにならないとなぁ……とか考えていたけれど、そうだ、と、先日こちらの寿司を食べてみた。
この日は理由もなく心が沈んでいた。たぶん、星の影響かなぁ、なんて思いながら。水星逆行とかライオンズゲートとか、SNSでたくさん見るなという時期だったし。
Woltで調べて、近くの寿司をリサーチしてみる。余談だけど、こちらの街中ではUber EatsよりもWoltをよくみる気がする。
私が住んでいるのはベルリンの郊外なので、美味しいラーメンのお店のようなものは近くにはない。街中へ出ないと出会わない。
でも、寿司はアジア系のお店だったらたいてい置いてあるし、郊外だからこそ持ち帰りのできる寿司専門店がいくつかある。数年前にミュンヘンのスーパーで買って食べた寿司が割高で美味しくなかったからと、すっかり「ドイツで寿司を食べてご機嫌になる」という選択肢を忘れていた。
Woltでいくつかのお店に目星をつけた。それぞれのお店の注文条件を見ていたら、案外すぐにお店は絞られた。
でも、会社員をしながら東京に住んでいたときならまだしも、フリーランスでドイツに住むようになった私には、「宅配の食事を食べる」ことのハードルが上がっている。ドイツの物価は、ただでさえ日本より高い。
けれど、寿司は案外そんなに高くなかった。利用料込みで2,300円ほど。こちらで外でラーメンを食べたら3,000円くらいするし、日本で一軒飲みに行ってもそれくらいする。家で安心して寿司が食べれるなら、この値段も悪くないかと思った。
注文して30分くらいで、思ったよりも早く寿司は届いた。
そんなことがあって、数日。実は昨日も寿司を食べた。というのが、冒頭にも書いたけれど、次は地震や家族のことを考えてしまって。今の政府を信じていないから、もし本当に災害が起きてしまったら、この猛暑のなか家族や大切な人たちはどうすればいいのだろうと考える。
それで、私の心はちょっと沈んだ。元気がなくなった。恋人に聞いてもらったりして多少は元気になるけれど、それでは足りない。
そんなわけで、昨日も寿司を食べた。昨日はサーモンだけのセットで、お店に直接注文を入れて安くなって、1,800円くらい。届くのに1時間くらいかかったけれど、恋人が作ったパスタを少し味見したから、待つのも苦にならなかった。
私は寿司を食べながら、隣でゲームをしている恋人に、「寿司が有名になってくれて、ドイツに寿司があってよかった」とつぶやいた。
私が住むベルリンだと、生で食べれる安全な魚に簡単には出会えない(と、私は思っているけど、恋人のおばあちゃんによればベルリンのすぐ外には美味しい魚のお店があるとか)ので、寿司として食べるのはコスパ的にも悪くないなと思った。
ここでご機嫌に暮らす方法を、また1つ手に入れたという気分になった。そういう方法はいくつあってもいい。美味しい寿司にお腹を満たしてもらっただけでなく、これがいつでも食べれるのだということに安心もした出来事だった。
7年半勤めた会社を30歳で辞め、好きな場所に住んで好きな仕事をする人生を作り直すと決めました。サポートいただいたお金は、退職後にお仕事にしているコーチングのスキル向上や、noteを書き続けるための生活に使用します🙇🏻これからも記事を通してみなさんと繋がれたら嬉しいです☺️