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Bリーグ(2022-2023)開幕直前の自分的な展望(その2。全体展望)。

 全体展望


 では、地区別の展望をさせて頂く前に、自分なりの「全体展望」をさせて頂きます。正直、「ある程度の見積もり」の感じの域を出ないままの「見切り発車」的な感じですけど、「こういう解釈もあるんだ」という感じで読み進めて頂けると、とても嬉しいです。

 【Bリーグ(B1)、「2022-2023」、自分(愛球人)の全体展望。】

 多くの有力球団が「何らかの不安要素を抱えている」状況なこともあり、今季のB1は激戦になると考えられる。特に「東地区」「西地区」は有力球団がワイルドカードからも外れる可能性があるほどの激戦になるだろう。
 その中でも、「RSでの全体1位」を有力視できるのが「川崎」。「完全なる熟成路線」「的確な補強」「分厚い選手層(負傷者リスクが小さい)」の3要素に加えて、「中地区に入り、組み合わせ的な有利さ」もプラス要素といえる。年齢構成的に「優勝に向けて最大のチャンス」であることも大きい。
 それを追うのは「A東京」。「小酒部、吉井」という若手の台頭に加えて、正PGのコブズは「超優良外国人」の感が。バスケIQの高い選手が多く、川崎と遜色ないといえる。
 昨季の決勝進出チームである「宇都宮」「琉球」も、勿論有力といえよう。どちらも「絶対的なビッグセンター」「堅守のカルチャー」「ファンの熱量」という「強力な3要素」を持ち、大崩れは考えづらい。しかしこの2球団は「EASL」(東アジアスーパーリーグ)との両立が課題である。加えて宇都宮は「年齢構成の高齢化」、琉球は「PGをどうするか」と、それぞれ潜在的な不安要素が。
 とはいえ、この4球団を中心に展開する可能性は高いだろう。

 これを追う「第2集団」でまず挙げたいのが、「島根」「広島」。いずれも優勝あるいはCS決勝進出の実現への強い熱量を感じる。それぞれ「志向するスタイルの明確性」があり、「点を取る形」を持っていることが強みといえる。ただその一方で、「うまくいかないときの修正策」にやや不安感もあり、いわば「下振れリスク」もあると映るが。
 「名古屋D」は「スタイルの練度の高さ」が魅力で、選手層も厚い。故に大崩れはなさそうだが爆発力もやや乏しいと映り、それがどう作用するか。
 個人能力の高さでいえば「千葉J」も有力ではある。ただ、新スタイルへの期待感の一方で、個人的には「空中分解リスク」への強い不安感が拭えない。「同じ方向を向く」ことができれば、CS決勝進出できるチーム力はあるけど、うまくいかないときもその気持ちを持ち続けられるか。
 ここまでで「第2集団」であるが、中地区の球団はここまでで「川崎」のみ。その一方でいま挙げた8球団のうち1つは「ワイルドカード落ち」の可能性があることを意味する。

 では、「面白い存在」、特にCS出場が射程圏内といえる球団はというと、まず「横浜BC」を挙げたい。「河村、森川、アウダ」と「点を取る形」が明確にあり、「ジャクソン、赤穂」と的確な補強にも成功。河村が健康体であるという注釈付きではあるけど、「組み合わせに恵まれた」ことを追い風にしての「中地区2位でのCS出場」は充分に現実的といえる。
 「秋田」も面白い。「スタイルの明確性と遂行力」はリーグ最高レベルにあり、大崩れは考えづらく、流れ次第ではワイルドカード入りは充分に現実的。ただ不安要素は、HCの不在。方向性は確かであるとはいえ、HCの育成・采配能力で成長してきた面が大きいので、これがどう作用するか。
 意欲的な補強でいえば「群馬」も挙げられる。「並里、ターズースキー」の補強はチームをより高みに導き得る説得力がある。でもその一方で、「年齢構成にやや高齢化感」があり、しかも並里は負傷でRS序盤の欠場が確実。これがどう影響するか。
 旧実業団である「SR渋谷」「三河」も、「CS出場権争い」に入る力はあるといえる。とはいえ安定性にやや乏しく、特にSR渋谷は「スタイルの練度」の一方で「シーズンを通してのスタミナ」に大きな不安感がある。
 いま挙げた「第3集団」の5球団を含めて、ここまでで「13球団」。この中から「CS出場の8球団」となる可能性が高いと考える。


 他の「11球団」も、それぞれ「現時点での立ち位置」を読み解こう。
 この中で「最も興味深い」のが「茨城」。「速いバスケ」「平面的なバスケ」という「明確な方向性」が伝わり、実際にPSMでは「スタイルの意識の共有」が明確に伝わってきた。東地区であり、「組み合わせに恵まれない」逆風感の考慮があるにせよ、「勝率5割ライン」の可能性はあると映る。
 「北海道」「信州」「滋賀」は、「球団のステータスをより高める」今季にできると望ましい。立ち位置的には「CS出場権は正直厳しそうで、でも降格リスクもほとんどない」感じだけど、「方向性への意識の共有」がどれほど進められるかにより、いかようにも作用し得るか。
 チーム作りに不安感があるのが「大阪」。HCが変わり、チームカルチャーであった「走るバスケ」からのアップデートを図るべく「全く新しいスタイル」への意向だが、PSMでは「個人能力でのゴリ押し」が散見された。それが「チームケミストリー」へと昇華できればより望ましいけど、だからといって「西地区の4強の壁」を崩せるかも厳しそう。RS序盤で流れに乗れないと、苦しいシーズンになるリスクも(さすがに降格はないと思うが)。

 あとの6球団は「残留争い」の可能性が高そう。
 この中で特に興味深いのが「三遠」「京都」。いずれも新HCを招聘して、選手・チームスタッフの両面で「全く新しいチーム」になった。清々しいほどの「再建モード」である。ただ「志向するスタイル」「点を取る形」が現時点では全く読み解けない。三遠は経験豊富な選手が多く、京都は外国人・アジア枠が強力だけど、「うまくいかないとき」に「同じ方向を向き続ける」ことができるかが鍵になるか。
 B2からの昇格組である「FE名古屋」「仙台」は「継続路線+α」の道を選んだ。一つの目安は「昨季の茨城」。序盤は苦戦したけど年明け以降は徐々に自信をつけて「アップセットの試合」もあった。この流れに乗れるか。
 で、残留争いの6球団の中で特に苦しいと映るのが「新潟」「富山」。「新潟」は特に選手層の乏しさが否めない。とはいえ楽しみな若手も少なからずいて、志向するスタイルも「走るバスケ」と明確なのはプラス要素。「挑戦者の姿勢」を持ち続けられれば、残留に光が見えてくる。
 それと同等以上に不安感は「富山」。選手層の乏しさに加えて、年齢構成も若手とベテランで極端な感がある。一部の主力への依存度が大きく、若手のステップアップがないと正直とても厳しそうだが。


 ここまでが、簡単な「全体展望」です。
 重視したのは、下記の要素です。

 【全体展望で、特に重視した「5つの要素」。】
 (1)「チームケミストリー」
 (2)「志向するスタイルの明確性・共有性」
 (3)「選手層・ポジションバランス」
 (4)「『点を取る形』があるか」
 (5)「個人能力、及び特定選手への依存度」


 自分は、チーム作りにおいて「軸となる選手の存在」はとても大切と考えてます。軸となる選手がいれば、「いざというときに頼りになる」こともですし、「方向性を見出す道しるべになり得る」と考えるからです。
 とはいえ一方で、これは「諸刃の剣」でもあります。例えば、「宇都宮の比江島」「千葉Jの富樫」「横浜BCの河村」「島根の安藤」「SR渋谷のベンドラメ」は、一人で流れを引き寄せる強烈な個性を持っています。比江島は昨季のCS準決勝(の第2戦)・CS決勝(2試合のいずれも)は、「ほぼ1人で試合の重要な場面を持っていった」、いわば「歴史的なパフォーマンス」でしたし、昨季の島根の躍進は、「『安藤の個性』と『島根のスタイル』がすさまじく融合できたから」といえます。

 その一方で、「強烈な個の力」がなくても、「チーム力で束になったときの力」がとても魅力的な球団もあります。その象徴が「秋田」ですし、その強化版が「琉球」といえます(まあ琉球は、クーリー・岸本・今村とか質の高い選手がいる訳ですが)。あるいは見た目の戦力値に比して勝利数を積み上げている意味で、昨季の「信州」はまさしくこれに該当といえます。
 いずれの球団にも共通しているのが「守備力の高さ」です。「守備力が高いチームは、大崩れしない」、これはまさしく「一つの真理」です。
 でもその一方で「点を取れなければ勝てない」のが球技です。だからこそ「『点を取る形』を持つ球団」が最後は勝てるのではと。


 それと、自分が特に重要視しているのが、「志向するスタイルの明確性・共有性」です。「自分たちのスタイル・カルチャー」が明確にあるのか、苦しいときに立ち返れる何かがあるのか、ということです。
 自分が高く評価している球団に、「秋田」「島根」「広島」があります。いずれの球団にも共通しているのが、「『志向するスタイル』の明確性」です。
 特に「秋田」「広島」は、「『自分たちが志向するスタイル』に共感できるか」の旗のもとに集っていることが伝わります(その結果、広島は長く在籍する選手が朝山のみになっている副作用もありますが)。今季でだと「島根」もこれに近いですし、「茨城」「滋賀」も志向するスタイルを明確にして、選手やスタッフが集っているのが伝わります。

 現実の日本社会でも、ここ数年で、「解決したい社会課題がある」という共通の「志」「理念」のもとに設立されているNPO・社団法人・財団法人が台頭してきています(いわゆる「ソーシャルイノベーション」「ソーシャルビジネス」)けど、プロスポーツチームは組織・団体である以上、「共通の志・理念がある」ことって、とても素敵なことであると自分は思っていて、その意味で秋田・広島・島根とかは、「志向するスタイル」がはっきりしていますので、「共通の志・理念」があれば、たとえ壁にぶつかっても乗り越えられる、いつか「叶えたい景色」に辿り着くときが来るはず、と注目したくなるんですよね。

 それと、特に島根でだと、チアリーダー(アクアマジック)が原則として地元出身と伺います。いわば、島根の場合はチアリーダーが「ファン代表」という感じで、そういうところもとても心を揺さぶられるのです


 勿論、チーム作りにおいて「絶対的な正解はない」訳ですし、野球以上に「数字では表せない要素も結構大きい」ことが、バスケの奥深さです。
 「EFF」や「得失点差」と「チーム力」は、ある程度の相関関係はあると思ってますけど(実際、得失点差を基に「本来の数字になるであろう勝敗」を導き出す「ピタゴラス勝率」という計算式があります)、必ずしもそれだけでは測れない、といえます。


 全体展望で既に文字数が結構多くなっていますので、「各地区ごとの展望」を(その3)以降でさせて頂きます。まずは(その3)では「東地区編」を綴ります。

 【バスケットボール#15B】

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