全体展望
では、地区別の展望をさせて頂く前に、自分なりの「全体展望」をさせて頂きます。正直、「ある程度の見積もり」の感じの域を出ないままの「見切り発車」的な感じですけど、「こういう解釈もあるんだ」という感じで読み進めて頂けると、とても嬉しいです。
ここまでが、簡単な「全体展望」です。
重視したのは、下記の要素です。
自分は、チーム作りにおいて「軸となる選手の存在」はとても大切と考えてます。軸となる選手がいれば、「いざというときに頼りになる」こともですし、「方向性を見出す道しるべになり得る」と考えるからです。
とはいえ一方で、これは「諸刃の剣」でもあります。例えば、「宇都宮の比江島」「千葉Jの富樫」「横浜BCの河村」「島根の安藤」「SR渋谷のベンドラメ」は、一人で流れを引き寄せる強烈な個性を持っています。比江島は昨季のCS準決勝(の第2戦)・CS決勝(2試合のいずれも)は、「ほぼ1人で試合の重要な場面を持っていった」、いわば「歴史的なパフォーマンス」でしたし、昨季の島根の躍進は、「『安藤の個性』と『島根のスタイル』がすさまじく融合できたから」といえます。
その一方で、「強烈な個の力」がなくても、「チーム力で束になったときの力」がとても魅力的な球団もあります。その象徴が「秋田」ですし、その強化版が「琉球」といえます(まあ琉球は、クーリー・岸本・今村とか質の高い選手がいる訳ですが)。あるいは見た目の戦力値に比して勝利数を積み上げている意味で、昨季の「信州」はまさしくこれに該当といえます。
いずれの球団にも共通しているのが「守備力の高さ」です。「守備力が高いチームは、大崩れしない」、これはまさしく「一つの真理」です。
でもその一方で「点を取れなければ勝てない」のが球技です。だからこそ「『点を取る形』を持つ球団」が最後は勝てるのではと。
それと、自分が特に重要視しているのが、「志向するスタイルの明確性・共有性」です。「自分たちのスタイル・カルチャー」が明確にあるのか、苦しいときに立ち返れる何かがあるのか、ということです。
自分が高く評価している球団に、「秋田」「島根」「広島」があります。いずれの球団にも共通しているのが、「『志向するスタイル』の明確性」です。
特に「秋田」「広島」は、「『自分たちが志向するスタイル』に共感できるか」の旗のもとに集っていることが伝わります(その結果、広島は長く在籍する選手が朝山のみになっている副作用もありますが)。今季でだと「島根」もこれに近いですし、「茨城」「滋賀」も志向するスタイルを明確にして、選手やスタッフが集っているのが伝わります。
現実の日本社会でも、ここ数年で、「解決したい社会課題がある」という共通の「志」「理念」のもとに設立されているNPO・社団法人・財団法人が台頭してきています(いわゆる「ソーシャルイノベーション」「ソーシャルビジネス」)けど、プロスポーツチームは組織・団体である以上、「共通の志・理念がある」ことって、とても素敵なことであると自分は思っていて、その意味で秋田・広島・島根とかは、「志向するスタイル」がはっきりしていますので、「共通の志・理念」があれば、たとえ壁にぶつかっても乗り越えられる、いつか「叶えたい景色」に辿り着くときが来るはず、と注目したくなるんですよね。
それと、特に島根でだと、チアリーダー(アクアマジック)が原則として地元出身と伺います。いわば、島根の場合はチアリーダーが「ファン代表」という感じで、そういうところもとても心を揺さぶられるのです。
勿論、チーム作りにおいて「絶対的な正解はない」訳ですし、野球以上に「数字では表せない要素も結構大きい」ことが、バスケの奥深さです。
「EFF」や「得失点差」と「チーム力」は、ある程度の相関関係はあると思ってますけど(実際、得失点差を基に「本来の数字になるであろう勝敗」を導き出す「ピタゴラス勝率」という計算式があります)、必ずしもそれだけでは測れない、といえます。
全体展望で既に文字数が結構多くなっていますので、「各地区ごとの展望」を(その3)以降でさせて頂きます。まずは(その3)では「東地区編」を綴ります。
【バスケットボール#15B】