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働きながら、日本語教育能力検定試験に合格した方法

今日から大学入試の共通テストですね!
受験生の方を応援する意味でも、昨日の続きで「勉強」について書いていきたいと思います。
遅いですが…

今回は、私の経験から語る、勉強の実践編です。(すみません、長いです)

働きながら検定試験を受けた時のお話をします。時間がない中、合格することができたので、働きながら試験を受ける勉強法など、私の経験からお話しできればと思います。

私が受けた試験はこちら

私は日本語教師の資格を持っています。
日本語教師の資格を取るには(今回はここが目的ではないので、ざっくり書きます)
① 大学、大学院などで専攻する
② 大卒+420時間の養成講座を受ける
③ 日本語教育能力検定試験に合格する
この中から1つを満たせばいいと言われています。(変わる可能性あり)

私は、実は、2を2018年に受講して、資格は取れたんですが、2019年に3の検定試験にチャレンジしました。なくても資格はあったけど、受けてみたくなったのです。

私が当時働いていた職場は部署異動が多かったのですが、2019年は部署異動がなく、昨年の業務をほぼするという業務的に新しいことが少なかったのです。また、働き方改革が強く叫ばれはじめ、残業が減っていた時期でもありました。
私は仕事、プライベート+で何かにチャレンジを常にするという誰にも頼まれていないミッションを一人で勝手にしている人生を送っているため、2019年は養成講座も終わり、仕事も特に新しいことがなく、ぽっかり空いてしまっていたので「今しかない」と私の中の第7感ぐらいが叫びました。
それで、その時は誰にも言わずにひっそりと受験することを決めたのでした。


検定の概要

私が受けた試験の簡単な概要です
※ここがメインではないので、さらっと流して頂ければ…

日本語教育能力検定

試験1~Ⅲまであります。
試験Ⅰでは90分間で日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定します。
試験Ⅱでは、30分間に音声を聞いて回答していく出題方式で、基礎的な知識が問われます。
試験Ⅲでは、120分間で日本語教師として実践するための基礎的知識が問われます。
試験Ⅱの聴解問題以外は、マークシートや記述式で出されます。

https://careergarden.jp/nihongokyoushi/exam/

試験範囲は大きく5つの区分(1.社会/文化/地域、2.言語と社会、3.言語と心理、4.言語と教育、5.言語一般)に分かれ、区分ごとに主要項目があり、さらにその中の基礎項目が示されていて、基礎項目が優先的に出題されます。

https://careergarden.jp/nihongokyoushi/exam/

日本語の文法や構造から、言語学、教育制度、歴史、心理学などまで、非常に幅広く勉強しておく必要があります。

https://careergarden.jp/nihongokyoushi/exam/

特徴としては、範囲が無茶苦茶広い!

試験時間も長くてほぼ1日あります。
ここ数年の合格率は25%~28%という感じです。これが高いか低いかは人それぞれですが、受験料が14000円とかなり高いので、それなりに勉強している方が多いと思います。
私は「合格率、低いなー勘弁して」と思ってました。

私の状況

正社員、残業あり(減ってはいましたが)
休みは月10ぐらい。平日休みが多い。
420時間の養成講座は修了していたものの、養成講座は実習がメインのため、検定の内容に深く触れることはないのです。
全くゼロの人よりは少しは有利だけど、養成講座は半年前に受け終わり、記憶もだいぶ飛んでいたので、ほぼゼロからと思い、試験にのぞむことにしました。
私は受験を8月の中旬ぐらいに決意して、10月末に試験を受けたので約3か月勉強をしました。この試験の独学で必要な勉強時間は300時間ぐらいと言われていますが、私には時間がありませんでした。仕事、プライベートの付き合い、勉強。これをやりくりしなければいけません。
仕事の日:1時間~2時間。休みの日:5~6時間を勉強に割いて、おそらく単純計算で月に60時間ほど、3か月で200時間弱は勉強時間を確保できたかとは思います。

明らかに足りない…
その中で、どうやって合格したのか、少し思い出してみます。

1 スケジュールをたてる

勉強するときって皆さんスケジュールをたてますよね?
私の場合は「効率」に拘り、スケジュールをたてました。
受験をすると決めたからには、絶対に合格したかった。
チャレンジすることが大切だし、不合格であってもその経験は次に生きます。
ただ、私はたまたまタイミングでこの年に受験ができ、「来年」はもうないと思ってました。
ですので、効率の良いスケジュールを考えました。

大切なのは「分類」です。

どの試験にも、「理解が必要な科目」「ただ覚えるだけの科目」ってあると思います。
例えば私が受けた試験だと

オーズベルは、発見的に学習させるのではなく、また、条件づけや機械的な学習とも異なる理論を提示した。それは、適切な先行オーガナイザーの導入によって、新しい学習が認知構造内に無理なく取り入れられるとする。この学習を何というか。
(教授法)

とか、こんなのばっかり。
「わからない」と頭を抱えましたが、ここで諦めると終わってしまうので、「わたしは何がわからないのか?」を分析しました。
その結果、単純ですが「単語の意味がわからない」ということにたどり着きました。(遅い)
じゃあ、どうすればわかるようになるのか?
こういうものって覚えることより「理解」が必要なので、とにかく理解をしようと思いました。

韓国の(   )大統領は,朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する「太陽政策」と呼ばれる宥和・関与政策を進め,2000年には平壌での南北首脳会談を実現させた。
(世界と日本)

こういう事情や歴史の問題であれば、用語は難しくない。だから覚えるだけでいい。
つまり、ギリギリでもなんとかなるかもしれない。

こんな感じでざっくり分類して、スケジュールを組みました。
理解が必要な科目(教授法、文法、言語学など)を前半の2か月でとにかく理解する
残りの1か月でひたすら過去問+暗記

今月は文法、今月は歴史!みたいなスケジュールもよいのですが、私は勉強方法によってスケジュールを組みました。
分類をしたことで効率的に勉強ができたと思います。

2 理解に時間をかける

この検定だけでなく、法律でも金融でもITでも、検定試験って何でこんなに回りくどい用語が多いんでしょうか。
そんな恨み節をつぶやきながら、まずは理解に時間をかけました。

とりあえず、過去問を解いても「はて」という感じ。
全くわからない。解説を読んでもわからないから時間がかかる。いや、時間がない、ダメだ!

この検定には「赤本」という公式の試験本があるので、それを読みました。
赤本は、かなり情報量が多く、簡易的な説明もあります。なので、どうも理解できない。
ううむ…と考え、苦手な分野について、わかりやすく解説されている本があるかもしれないと本屋に行きました。私は教授法が苦手だったので

これを買いました。
ただ、やはり、そもそもが難しい内容なので、本があるから理解できるわけでもない。
過去の私は本を買い、安心するとこがありましたが、今回はそんな余裕もない。

結局、一番理解できるのって、自分の言葉でまとめられたものなのです。
人の表現って理解が難しい。
だから、自分でテキストを作ろうと考えました。

自分なりに用語をノートに言い換えてまとめる。絵を描いたり、図を描いたり工夫したり、自分でシチュエーションを考えて、その用語を使ったストーリーを作ったり…変でもいいんです。理解ができればいいんです。

朝、通勤中に本を読み、家に帰ってノートに書き、また本を読み…
これの繰り返しでした。
自分でまとめたことにより、何となく意味がわかるようになりました。

2ヶ月ぐらいはこれに費やした。
あせる気持ちもありましたが、この方法が近道なんだと信じるしかありませんでした。

意味が分かると、試験問題で聞きたい事が何となくわかってきました。
いきなり暗記に入るのではなく、理解するために時間を使うことってすごく大切なんだなと思いました。

3 周りを巻き込む

私が通っていた養成施設で4回ぐらい無料の検定講座がありました。私は試験を受けることをギリギリに決めたものの、入れてもらえました。
4回しかないので、ゼロから教えるわけではないからある程度理解している状態で来てください、と言われたので、そのお話があったからこそ「理解」に時間を使うようにしたのです。
講座はポイントの解説でしたが、どうしてもわからないところが明確になったので、よかったです。

また、この検定は個人的なものだったし、私は受験をあまり知られたくないと思っていました。ただ、講座は土曜日にあり、休みが土日ではなかったため、会社にお願いして、講座の日は休みにしてもらうしかありませんでした。
また、試験日が会社の大切なイベントと重なったため、これも休みにしてもらうしかなかったのです。
結果、宣言をすることになり「うわぁ、絶対受からなきゃ」と自分を追い詰める羽目になりました。

4 過去問に手を出しはじめる

理解ができるようになったので、過去問に手を出し始めました。ただ、過去問を解くのに頑張っても3~4時間かかる。解答をチェックして間違えたところを調べていたら、更に時間がかかる…。
ですので、過去問は休みの日に説く事にして、暗記ものを仕事の日にすることにしました。
2か月かけて理解をしていたので、過去問の解答、解説を見ても「ああ、なるほど」と思えることが増えていたと思います。
理解をせずに過去問を解いていたら、解答のところで時間がかなりかかっていたと思うので、理解に時間をかけることは効率的だと改めて感じました。
時間がなかったので、過去問は3~4年分しかできませんでしたが、3年分解けば、傾向はなんとなくわかるし、変に10年分とかするよりも、同じ問題をじっくりする方がいいと思います。

5 暗記をする

最後の1か月ぐらいから暗記を始めました。
事情、歴史、音声など、理解があまり必要でないものです。(あくまでも私の感覚)

単語カードを作っていましたが、これも、闇雲に作るのではなく、何度か覚えようとしても覚えることができないものや難しいものを厳選して書いていました。

また、音声では、口腔断面図っていうややこしいものがあり、これの理解が難しかったので、これだけは、理解を捨て、ただ覚えることにしました。絵を貼って、裏に解説を書き、ただ覚える。これは、試験当日の電車の中でも覚えていました。

全部同じに見えるけど、ビミョーに違う。この断面図のときは、この音!をセットで覚える!

暗記は仕事の日にしていたので、帰宅して、家の事も済ませて、寝る準備まで先にして、寝る前に単語カードやノートを見て何度も復唱したり、口腔断面図をカルタみたいにしたり。

仕事の後で頭も働いてなくてきつい日もあったけど、絶対に何か一つでも覚えようと、頑張っていました。

6 その他、付け焼刃的なもの

日本語教育能力検定は、これだけじゃなく、「聴解」「記述」があります。
2つとも、対策講座で少し教えて頂いたものの、時間が足りない。
聴解は、過去問を聞いた+口腔断面図の暗記で乗り切り、記述はもう、自分を信じるしかなかった。ただ、ポイントさえ押さえれば大丈夫だと聞いていたので。過去問の模範解答をさらっと見たぐらいです。

まとめ

何とか試験が終わり、自己採点をしたものの、合格点の公式発表がないため、何点で合格するかはわからない。
ギリギリかなぁ?落ちたかなぁ?なんて思いながら
ただ、唯一言えることは、この勉強を2度としたくない!

不合格だったら来年受けるのだろうか…とマイナスの事ばかり考えていました。

2019年のクリスマスイブ、深夜にポストを見たら合格通知が入っていて、あまりに興奮して眠れず、睡眠不足で出勤したことを今でも覚えています。

もっと難しい試験は沢山あるし、頑張っている方もたくさんいらっしゃる中、私の経験がどのぐらい役に立つかはわかりませんが、今回の検定で、勉強にはいかに「効率」が大切かということがわかりました。

せっかく受験するなら合格したいですよね。
1000時間勉強しても、効率が悪ければすごく勿体ないことになってしまう。
200時間の勉強でも、効率がよければ何とかなるかもしれない。
チャレンジすることがまずは大切ですが、それに結果が付いてきたら更に嬉しい!

もっと効率の良い勉強方法はあると思うし、あくまでも私に合う場合として紹介させて頂きましたが、何かの役に立てば…と思っております。

かなり長くなりましたが、読んでいただきありがとうございます!


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