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日本人はアーティスティックじゃない!? ③ ~海外でやってくなら。アドバイス~


芸術性、クリエィティブさには目立つ事が必要であり、
情熱的なアーティスト/クリエーターは、たとえ社会から反対されたとしても自分の価値観を形作る強さが必要です。
よって、型にはまることを推奨される日本社会ではそのような能力は伸びません。

前回は、なぜ日本がそのような型にはめてオリジナルな芸術性やクリエィティブさが伸びにくい社会で、逆に西洋ではユニークさが推奨されてアーティスティックでクリエィティブな生き方が出来るのかの理由について、
「歴史、社会、教育」という人々の価値観を形成する根強い要因をお話させて頂きました。

①歴史:「大陸国家」 vs 「島国」

②社会:「個人主義」 vs 「集団主義」 

③教育:「ユニーク推奨」 vs 「周りと同じ言動推奨」

西洋では新しいものや個性に拍車がかかり、
日本では 一つの事への完璧さに拍車。


自分の意見をガンガン言ってくる海外。
黙ってると考えがない浅い人と思われてしまう海外。
何も言わないでニコニコしてるだけだと不気味がられる海外。

また、

国際化が進んでおり、特にビジネスマンや起業家にはクリエイティブな力がどんどん求められている現在の日本。
意味の分からないルールや見えない目に縛られて命を落としてしまう人もたくさんいるストレス社会な日本。

ダンサーであれ何であれ、どこでやっていくにしても「西洋人の芸術性・行動力の高さと失敗を恐れない姿勢」を取り入れることは日本人に必要なことです。

ということで、このことについて
本日「海外でダンサーとして活動していくなら」、
次回「全ての人々の仕事や日常においても。。。」
と2回に分けて、お話させて頂きます☆


海外でダンサーとして活動していくなら
~そのままだと埋もれてしまう日本人コンテダンサー


(*ダンスにも色々ありますが、以下ではテクニックよりも芸術性を重視するコンテンポラリーダンスについてお話させていただきます。
テクニック重視系なら、日本人ダンサーは埋もれるどころか活躍しています。)

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<自分達で振付=クリエイティブさ、発言&行動力が必要>

「ダンサーがコレオグラファーと一緒に一つの作品を作り上げていく」というのは、コンテンポラリーダンス特有です。

その他のジャンルでもたまにはあると思いますが、コンテンポラリーダンス作品では、ダンサーからのアイデアの比重がとても大きいです。

▽コンテンポラリーダンスの常識=ダンサーと作っていく。
・コレオグラファーがフリや構成を全て作ってきて後はダンサーに教えるだけ、という事は少ない。
・大抵は、コレオグラファーはアイデアややりたいイメージをリハーサルに持ってくる。それをダンサーがやってみる。動きながらかつダンサーもアイデアを出しながら。
・そしてコレオグラファーは「それいいね、それちょっとこうしてみてくれる?どう思う?」という様に、一緒に作って組み立てていく。
・「ここであなたたち〇人でなんか1分位の動き作っといて。」など、自分達で振付まですることも多々ある。(その後コレオグラファーからの訂正は入るが、コレオグラファーはダンサーのアイデアを大いに使用する。)


こちらのシリーズで何度も書いていますが、西洋人は芸術性・行動力がものすごく高く、失敗を恐れません。成長の為に議論は必要という思考なので、年功序列なんて関係なく発言し合いします。

なので、海外では上記の「コンテンポラリーダンスの常識」が日本よりも遥かに顕著。

コレオグラファーがアイデアに詰まってストップしてしまった時に、
「じゃあこれは?」
「こんなのはどう!?」
「これも出来るよ!」
という様にダンサー側からどんどんコレオグラファーに助け舟を出してあげることもあったります。


<それが日本人には難しい!>

上記を超短くズバッとまとめますと、

意見やアイデアを出さない人は不必要。

となります。


私もそういうものなんだと認識し始め、「自分ももっとアイデア出して参加しないとヤバい!」と頑張りました。しかし、なかなかアイデアが口からサッ出てきません。

私より明らかに経験/ダンススキルの低い子たちでも、間髪入れずアイデアを出してきます。「え?それ微妙じゃない?」というのも多々ありましたが、最初のアイデアはダサくても、それに誰かが意見やアイデアを付け足すことでどんどん磨かれていき、最終的には良い感じに仕上がっていきました。
そもそもアイデアを出さなければ何も始まりません。何も発言しなければ、無価値です。=私です。
すごく悔しかったのを覚えています。
「なんで自分は出来ないんだ。明らかに自分の方がキャリアもスキルもあるのに、アイデアが出るのが遅い。発言にも時間かかる。こんなんじゃ、埋もれていくだけじゃないか。」と。

しかしこれは、私がコンテンポラリーダンス初心者だったからという理由だけではありません。私以外の日本人ダンサーも多くが世界に出た後、この状況を経験します。

その理由が、前回見ました西洋と日本それぞれの歴史/社会/教育にあるのです。(以下おさらい。詳しくは前回の記事をご覧ください。)


日本では島国の歴史があり、集団主義を形成。その為に、
集団を乱さない人物の育成、
先生が喋り終わるまで質問もダメ、
ただただ黒板を写して丸暗記の受け身な教育。になりました。

集団を乱さないとは、
・周りと違う意見(=自分のアイデア)は発言しにくい。
・周りの目(ダサいと思われないかなこのアイデア?)を気にして発見しにくい。
・一つでも年上の人や地位が上の人には特に言いにくい。
などが含まれます。

なので、そもそも「アイデアを生み出す」練習をしてこなかった日本人がアイデアを考えている間に、また、言葉を発する相手とタイミングを見極めている間に、他の人がどんどん意見を出します。そして日本人の出る幕は無く終了です。

一方西洋人は、
「未熟でも良いじゃん!どんどんやってこうよ!恐れたり失敗したり衝突する事も、成長の過程において必要であり、当たり前」という感覚です。
なので、未熟かもしれないけど、雑かもしれないけど、とりあえずやってみる。今は間違ってても良いからとにかく思いついた事、アイデア、質問をいつでも言い合います。
そうやって実践を踏みながら、お互いに考えを出し合って、失敗もしながら、でもいちいちめげる事なく、それを利用して吸収して学んでいきます。
相手が真逆の事を言ってきても気にしません。

もちろん、「もうちょっと考えてから喋れよ!」みたいな時は多々あります笑。「わざわざ皆の時間使って質問しなくても、自分でちょっと考えたら分かるやん。」などなど。
しかしそもそも発言しなければ、存在自体が「ゼロ」です。



海外で挑戦したいダンサーへのアドバイス


これら全てをふまえた上で、海外でチャレンジしたい方々に実践して欲しい事。それは、

▽意識的に言葉を発する。
▽文法はどうでも良い。単語量とパッションだけで十分。

▽「変かな~?とか、もっと良いアイデアあるかも、、」と待たずに、
 とりあえず思いついた事を意識的に出しちゃう。
▽間違いは成長するために必要、完璧である必要はない。
▽だからどんどんやってこう!

です。

ちなみにもうひとつダンサーではなくても西洋に行く方皆さんに知っておいて頂きたい事。
=言わないと伝わりません。嫌な顔を向ける/肘で押す攻撃は象に爪楊枝さす位、威力ゼロなので、しっかり言葉にしてあげて下さい。


<私の恥ずかし体験談>
私はNYに来るまで、コンテンポラリーダンス経験がありませんでした。
なので、「え!?先生フリ作ってくれないの!?」
と、NYで初めてコンテンポラリーダンス作品に出演する機会をもらった時、衝撃を受けました。
ある日のリハーサルで男女デュエットが数組作られ、私もその中に。「それぞれ短いデュエット作って。」と。
私は、誰かの作品内で自分がフリを作る事があるなんて、全く頭にありませんでした。
ストリート出身で、その後ジャズやリリカル系に進んだ私の経験上、全て先生(自分の作品の時は自分)が完璧なフリや構成をもう作ってきていて、ダンサーはただただ一生懸命に覚えるだけだったからです。(ソロ回しのフリースタイル等は除く。)
なので、英語は聞き取れてたはずなのですが意味が分からず、聴き間違えたのか!?と大混乱。ペアになったメキシコ人の男の子が何度か説明してくれて、ようやく意味が分かりました。
しかしお恥ずかしながら内心は、
「え~!?自分で!?どうやって!?知らんって!
やったことないって!無理無理無理!!」
でした。汗
案の定、出来上がるのにとても時間がかかりました。汗



終わりに。


アーティストであるコンテンポラリーダンサーが、海外で西洋人にまみれて挑戦していくのであれば、西洋人のもつ芸術性・クリエイティブさ、発言力や行動力を見習うことは当たり前とも言えます。

日本人は空気も読めて、バレエやジャズ系のテクニックはあります。
日本ではあまりないフロアワークやインプロビゼーションなどの新しいジャンルを習得する必要があるかもしれませんが、勤勉で努力家なので、きっとすぐに習得できるでしょう。

なのでそんな技術的なことよりも、私達日本人には難しく、且つ圧倒的に西洋人より劣っている
「クリエィティブさと発言&行動力。」の向上。
海外で挑戦するならば、絶対にこれを忘れず、念頭に置いて頑張って頂ければと思います。


(*NYのダンス留学に関しては詳しいので、ご希望ございましたら個人カウンセリングもさせて頂きます。ぜひお問い合わせください☆)


次回では、

アーティストではなくても、日本に住む全ての人にとっても、
西洋人のこれらの特徴を取り入れてみることは

より良い人生
⇩つまり⇩
更に良い仕事上のパフォーマンス
日常生活上の生きやすさ

に繋がるお話をさせて頂きたいと思います☆

・「昔からこうだから」という、現代にそぐわなくて非効率的で意味の分からない規則や暗黙のルール。
・現場の事全然分かっていない人が定めた無茶ぶりなオペレーション。
・「本当は有給取りたいのに取ったら周りの人に嫌な顔されるから取れない。」

こんなバカらしいものも、西洋の価値観を取り入れたらなくなるのに!!
そんなお話です。

また次回も、よろしくお願い致します☆

ありがとうございました。

Aika.

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