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そして誰もティッシュが使えなくなった(コメント欄編)

『そして誰も~なった』シリーズには、物語のタイトルと文末のオチが同じになるという顕著な特徴があります。さらに、短編小説(ショートショート)の『本文』よりも『自己解説』が長く、その『自己解説』を超えるほどコメント欄が充実していることが多いです。しかし、ほとんどの方はコメント欄をご覧にならないはずなので、今回はコメントをいただいた方々とコメントの内容を紹介します。

みくまゆたん

本田さんの企画が、ななんと。本格的なストーリーに!!めちゃ面白かったです😂✨

武智倫太郎
みくまゆたんさん、コメントありがとうございます。これはほんの序の口で、そして誰もシリーズや、もし~シリーズは、本編よりも自己解説の方が長く、コメント欄はさらに長いという特徴があります。(笑)

おおかみ のみね@519社で働いた運期研究家

ティッシュとペーパータオル、キッチンペーパー、林家ペー・パー(子)と比較して、位置付ける試みとか!

武智倫太郎
おおかみさんのティッシュとペーパータオル、キッチンペーパー、林家ペー・パーの地位争いは、リック・アンド・モーティに登場するA~Zの形をしたアルファベット星人と、0~9の形をした数字星人の争いのようで、ギャグSF的には興味深いテーマです。

どんむ

ティッシュからSAFを作るの、めちゃエネルギー収支悪そうですね。。

武智倫太郎
どんむさんに指摘していただいた『ティッシュからSAFを作るの、めちゃエネルギー収支悪そうですね』は、まさにその通りです。セルロースベースのSAFから取り出せるエネルギーよりも、セルロースを分離、発酵、精製、水素化のプロセスに使うエネルギーの方がはるかに大きいので、使用済みのティッシュは、トイレに流して下水処理場でエネルギーを取り出すか、燃えるゴミとして燃やした熱で焼却炉発電をした方が効率は良いです。

ところが、日本政府の切り札となっているのが、ティッシュではなく、木くずからSAFを作ることですが、日本中探しても十分な木くずすらないのが現実です。木くずやおが粉は木質バイオマス発電の燃料として使われていて、本来の用途だった家畜敷材や堆肥を作るために必要な、おが粉が足りなくて畜産農家が困っています。

技術以前に木くずや、木質バイオマス発電のペレットさえ輸入しなければならないのが日本の現状です。しかも、大手商社が不正に入手した認証偽装木材が原料で、バイオマス発電業界は連続倒産の危機に晒されています。日本には本当にSAFの原料として十分な木くずや、廃食油すらないのです。

本田すのうl書いて読む人

こんにちは。企画へのご参加ありがとうございます!!!

ティッシュからものすごいストーリーが生まれていました……。5回ぐらい読みました。犯人は女優の鈴木とよんでいましたが、まさか木村とは。

からの、SAF、ヤギの餌…🐐
すごいです。ティッシュを否定したらミステリー、いやSF、SDGs、社会問題にまで切り口を広げているとは。感服しました。
日曜日にどのようにご紹介したらいいか、わくわくします!楽しみです。

武智倫太郎
本田すのうさん、非常に興味深いお題をいただきありがとうございました。

この作品中で死亡しているのは、有名俳優の中村だけです。彼の死因はドラッグの過剰摂取なので、殺人でも自殺でもなく、単なる事故だった可能性があります。つまり、この作品中で探さなければならないのは、誰が中村を殺したかではなく、『誰が地球温暖化の犯人か?』です。

ところが、作者の私は、地球温暖化説はあくまで仮説であり、2015年に採択されたパリ協定で設定されている目標に、まともな根拠があるとは思っていません。

パリ協定では、イギリスの産業革命前に比べて気温上昇を『2℃未満』に抑え、さらに努力して『1.5℃未満』に抑えることを目指しています。ところが、産業革命の時代には、現代のような高性能な気象観測所や気象衛星、スパコンなどは存在していません。

つまり、産業革命時と現代では、全く異なる条件で気温を測定しています。さらに、同じ技術を使っても、ロンドン、東京、北海道、沖縄では平均温度を正確に計測する技術は未だに確立されていません。また、地表の約70%は海です。近年では海上ブイで疎らに海水温度をサンプリングし、スーパーコンピュータで解析していますが、このような技術は産業革命時にはありませんでした。

そもそも、関東地域に限定しても、今年が猛暑になるか冷夏になるかの予測すら困難であるのが現状です。さらに、台風のコースに関しては、一時間先さえも読めないのが現実です。現時点で今年の冬が厳冬になるか暖冬になるかの予測も、それほど当てにはなりません。

このような条件で25年後に地球の平均温度が産業革命と比較して、1.5℃や2.0℃上がっているという議論自体が不毛です。

科学的根拠とシナリオ

IPCCの報告書では、さまざまな気温上昇シナリオに基づいて、将来の気候変動の影響が予測されています。これらのシナリオは、以下のような条件に基づいています。

温室効果ガスの排出量:今後の温室効果ガスの排出量がどの程度減少するかによって、気温上昇の幅が異なります。

技術と政策:再生可能エネルギーの導入やエネルギー効率の向上、カーボンキャプチャー技術の開発などがどの程度進むかが重要です。

これらの目標やシナリオは、2050年やそれ以降の地球温暖化の影響を軽減するための重要な指標となっています。

IPCCなどから地球温暖化の原因とみなされているもの

化石燃料の燃焼:石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼させることで、大量の二酸化炭素(CO₂)やその他の温室効果ガスが排出されます。これが地球温暖化の主要な原因の一つです。

森林破壊:森林伐採や焼き畑農業によって、森林が失われると、二酸化炭素を吸収する能力が低下します。また、伐採や焼却によって放出されるCO₂も温暖化を進行させます。

産業活動:工場や製造業からの排出ガスも温室効果ガスを大量に放出します。特に、化学工業や金属製造業は大量のCO₂を排出します。

交通機関:自動車、飛行機、船舶などの交通機関も大量の化石燃料を消費し、CO₂を排出します。

つまり、現時点での地球温暖化の一番の容疑者は、二酸化炭素であり、世界の産業や交通インフラです。

葛西さん

ということは、地球温暖化の予測は、過去のデータに依存しないで、純粋に大気のCo2濃度変化が温暖化に寄与する事を証明して、それを元に予測したものという事になりますね。

武智倫太郎
地球温暖化問題が注目されるようになった背景には、スウェーデンの科学者スヴァンテ・アレニウスが1896年に、CO₂濃度が地球の気温に与える影響についての理論を提唱し、温室効果の概念が登場したことに端を発しています。

気象や気候には再現性がないため、地球温暖化説を成り立たせるためには、過去の気候変動の調査が重要であり、過去の気候変動と大気中のCO₂やメタンガスの関係を明確にする必要がありました。この際に重要な検証材料となっているのが、氷河期サイクルです。

氷河期のサイクルは、セルビアの地理学者ミランコビッチが提唱した以下の変動要因に基づいているので、『ミランコビッチサイクル』と呼ばれています。この理論は地球軌道の変動に着目して、離心率の変動(地球の軌道の楕円度が約10万年の周期で変化)、軌道傾斜角の変動(地球の軸の傾きが約4万年の周期で変化)、歳差運動(地球の自転軸の方向が約2万6千年の周期で変化)に注目した仮説です。

氷河期のサイクルとして教科書などに載っているのは、60万年前から現代までに顕著な温度上昇期が5回あったとされています。しかし、60万年前には温度計も、気象衛星も、スパコンも無いので、以下のような手法で温度を推測しています。

南極の氷に穴をあけて氷のサンプルを分析する『氷床コア分析』では、酸素同位体分析(氷床コアから取り出した氷の層に含まれる酸素同位体比(^18O/^16Oなど)を測定します。異なる同位体の割合は過去の気温を反映しています。ここで注意しなければならないのは、これは考古学で使われる炭素同位体ではなく酸素同位体だということです。どちらにも非常に大きな誤差が生じますが、これはどの年代で観るかによります。

炭素同位体は、千年から1万年単位での推測には非常に適した方法です。しかし、この方法はアイソトープの確率論に基づいているため、炭素同位体で特定の有機物が一年前のものか十年前のものかといった短い期間の分析には使えません。同様に、100万年以上前かどうかといった長い期間の分析にも使えません。例えば、樹木の化石を分析して、この化石が地球の温度が0.5℃高かった証拠だとしましょう。ここで問題になるのが、それがいつの現象かを正確に判断することです。10万年±1万年だとすると、この議論が如何に不正確であるかが分かります。

気泡の分析では、氷床コアの中の気泡に閉じ込められた古代の大気の成分(例えばCO₂やメタンの濃度)を分析し、過去の気温や気候条件を推測します。つまり、CO₂やメタンの濃度と温度の関連性に関する仮定が間違っていると、誤った推測をしていることになります。

南極の氷だけを調べても十分ではなく、海洋堆積物の分析も重要な手がかりです。この堆積物の分析には、海洋堆積物中の微小な貝類(フォラミニフェラ)の化石の同位体分析が用いられています。

堆積物の層序の分析では、堆積物の層を調べることで、過去の海洋の温度変化や氷期・間氷期のサイクルを理解します。しかし、具体的な気温と時間を正確に分析できるかどうかは依然として疑問が残ります。

樹木年輪や珊瑚の分析では、樹木の年輪や珊瑚の成長層を分析することで、過去の気温や降水量の変動を推測しますが、生物の成長速度はこれらの要因だけで決定するわけではありません。遺伝要因、土や海水の栄養分、日射量の変化など、分析しきれない要素が多数絡むため、誤差が大きくなります。つまり、サンプリング数が少なく、誤差が多い場合、意味のある分析が困難です。

これは身近な例として関東ローム層を考えると分かり易いでしょう。関東ローム層は火山灰の堆積でできていますが、大規模な火山爆発があると、微細な火山灰が偏西風や貿易風で世界中に広がり、日光を遮って植物の成長を妨げたり、冷夏になることが分かっています。例えば、1993年に日本で発生した『平成の米騒動』はフィリピンのピナトゥボ火山の噴火に伴う冷夏が原因です。

富士山の爆発周期は年代によって異なりますが、直近5000年間の噴火サイクルは数十年から数百年単位です。世界中の火山噴火の要因を考慮すると、CO2やメタン濃度だけで地球の気温を推測することが、如何に不確実かが分かります。

武智倫太郎

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