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『エモい』の真相に迫る旅:オランダ編

『エモい』という言葉の由来には諸説ありますが、『諸説ある』ということは、その由来が明確に解明されていないことを意味します。それでも、いくつかの有力な説として、(1) 英語の『emotional』から派生したという説と、(2) 平安時代から使われている日本語の『得も言われぬ』から派生したという説が挙げられます。

 最近、ラテン語ブームのようなので、英語の『emotional』の語源をラテン語に遡って『エモい』の起源を探求してみましょう。

ラテン語の『movere(動かす)』
『emotional』の根源となる言葉は、ラテン語の『movere』で、『動かす』『移動させる』という意味があります。この言葉は、物理的な動きにとどまらず、心や感情を『動かす』という概念へと発展しました。

ラテン語の『emotio』
『movere』から派生して、『emotio』という言葉が生まれました。『emotio』は『感情の動き』や『心の動揺』を意味し、この概念が現代の『emotion(感情)』に繋がります。ただし、この言葉が普及したのは中世ラテン語であり、フランス語の『émotion』として現代の概念に至った点を押さえておく必要があります。また、ラテン語の『movere』や『emotio』は、物理的な動きや感情の揺れを象徴する言葉であり、これが『エモい』の語感にも共鳴する部分です。

中世ラテン語からフランス語へ
 ラテン語の『emotio』は中世ラテン語を経て、フランス語の『émotion』となり、『感情』や『心の動き』を指す言葉として定着しました。この言葉が英語に取り入れられ、『emotion』として現代に至ります。

ラテン語から派生したロマンス諸語について
 ラテン語から派生したロマンス諸語には、ポルトガル語、スペイン語、イタリア語、フランス語、ルーマニア語などがあります。これらの言語には『emotion』に相当する語彙が存在し、共通の語源を持っています。

ポルトガル語:『emoção』
スペイン語:『emoción』
イタリア語:『emozione』
フランス語:『émotion』
ルーマニア語:『emoție』

 これらの言語では、ラテン語の『emotio』に由来する形容詞として、『emotional』に相当する単語が使われています。具体的には、ポルトガル語とスペイン語では『emocional』、イタリア語では『emozionale』、フランス語では『émotionnel』、ルーマニア語では『emoțional』となります。これらの形容詞は、いずれも『感情的な』『心に響く』という意味で使われています。

英語での発展
 英語において『emotion』は16世紀頃から使われ始め、現在の『感情』『情動』という意味で定着しました。そこから『emotional』という形容詞が派生し、『感情的な』『感情を動かされるような』という意味で使われるようになりました。

日本と欧州の交流

 日本と欧州の最初の接触は、1543年のポルトガル人の来航です。続いてスペインが来航し、その後、1630年代以降の鎖国政策の中でも例外的に交流を続けたオランダ(蘭学)が重要な役割を果たしました。したがって、1543年にポルトガル人が『エモい』の概念を日本に伝えた可能性を完全には否定できません。ロマンス諸語がゲルマン語派の言語よりも早く日本に伝来していた点も、この可能性を補強します。

 但し『エモサン詩』や『エモい浮世絵』は、私が適当に作ったジョークですので、そのような事実は存在しません。

 しかし、江戸時代に浮世絵を見た江戸っ子たちが、もし仮に『ポルトガル語のemoção=エモい』と感じていたとしたら、それは興味深い仮説です。もちろん、現実にそのような事実があったとは言えませんが、あえて否定もできないという点でユーモアを交えた可能性を提示しています。

 つまり、冒頭で述べた(1) 英語の『emotional』説、(2) 平安時代から使われている日本語の『得も言われぬ』説に、(3) ポルトガル語の『emoção=エモい』という新たな『諸説』が加わることで、『エモいの起源』は益々謎めいていくのです。

ここからがエモい写真のコーナーです!

 今回はオランダ編なので、オランダのエモさを満喫してください。オランダには直行便でも行けますが、中国の主要都市経由、中東経由、パリ経由などにすると非常に安くなることがあります。日本の航空機オペレーションが異常なのは、SAF以前に石油由来の一般航空燃料すら十分に確保できないことから察してください。このような異常な状況は、世界でも日本と北朝鮮くらいしか見られません。

 KLMオランダ航空は、2019年に創立100周年を迎えました。KLMは1919年に設立され、同じ名称を使い続けている航空会社としては世界最古の航空会社です。KLMは『王立航空会社』を意味し、その名の通りオランダ王室から『王立』の称号を受けています。

 KLMは100周年を迎えた2019年に、さまざまな記念イベントや特別なプロジェクトを展開しました。以下の機体の写真は、100周年を記念したロゴマークが世界の航空史を象徴しており、第一エモポイントをゲットです。

KLMの100周年記念仕様ペイント

オランダのエモい風車

 セルバンテス原作の『ドン・キホーテ』の原題は『Don Quijote de la Mancha』であり、現代においても広く知られています。ドン・キホーテが風車を巨人と勘違いして攻撃する場面は、スペイン中部のラ・マンチャ地方にある風車を舞台にしています。ラ・マンチャ地方の風車は、風力を動力に変換して穀物を挽くために使われていました。

スペイン中部のラ・マンチャ地方っぽい挿絵

 一方、オランダの風車は風力を動力に変換し、主に水の管理や農業のために使用されてきました。

 私は再生可能エネルギーと農業の専門家としてオランダに招待されたので、私が『風車(Windmill)』を見学したいとリクエストすると、観光名物の伝統的な風車ではなく、以下のような風力発電所に連れて行かれました。この風力発電機が第二のエモポイントです。

オランダの風車

 オランダはマリファナが合法的に吸える国として有名で、マリファナを吸う場所のことを『コーヒーショップ(coffee shop)』と言います。しかし、オランダ人が連れて行ってくれた『一番有名なコーヒーショップ』は、スターバックスでした。もちろん、スターバックスではマリファナを吸うことは禁じられています。そのため、アムステルダム中央にある以下の写真のスターバックスが、第三のエモポイントです。

オランダ名物のコーヒーショップ

武智倫太郎

#エモ1グランプリ #企画 #エモい写真 #忘れられない旅 #ラテン語

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