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ルネサンスの都:フィレンツェのエモい写真

 イタリアのフィレンツェは、『ジョジョの奇妙な冒険 第五部 黄金の風』のファンの間では、『フィレンツェ行き超特急』に乗るとプロシュートとペッシが追ってくることで有名な都市です。

 ところが、一般常識の世界では、フィレンツェは15世紀から16世紀にかけて、ルネサンス文化の中心地として繁栄し、『ルネサンスの都』と呼ばれています。美術、建築、科学、文学など、あらゆる分野で多くの偉大な芸術家や学者が活動し、ミケランジェロ・ブオナローティ、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ダンテ・アリギエーリといった歴史的な人物がこの地からその影響力を世界中に広めました。

 ちなみに、日本のジョジョファンの中には、ミケランジェロ・ブオナローティの『ブオナローティ』と『ブローノ・ブチャラティ』を混同してしまう人もいるかも知れません。しかし、ブチャラティは『黄金の風』に登場するキャラクターで、スタンド『スティッキィ・フィンガーズ』を使いこなすギャングのリーダーです。

 一方、ミケランジェロ・ブオナローティは、ルネサンス期のイタリアを代表する天才芸術家で、彫刻家、画家、建築家、詩人として幅広く活躍しました。その創造力と技術は、西洋美術史において非常に重要な位置を占めています。

ミケランジェロ・ブオナローティの代表作

ダビデ像:フィレンツェのアカデミア美術館に展示されているこの彫刻は、力強さと美しさを象徴し、ルネサンス期の完璧な人体表現として広く評価されています。

ピエタ:バチカン市国のサン・ピエトロ大聖堂にある彫刻で、聖母マリアが亡くなったキリストを抱く姿を表現しています。ミケランジェロの卓越した感情表現と細部の美しさが際立っています。

システィーナ礼拝堂の天井画:バチカン市国のシスティーナ礼拝堂に描かれた天井画で、旧約聖書の『創世記』をテーマとしています。その中でも『アダムの創造』は特に有名で、美術史における傑作とされています。

最後の審判:システィーナ礼拝堂の祭壇壁に描かれた大規模な壁画で、キリストの再臨と最終的な審判の場面を描いています。この作品は力強い動きと劇的な構図が特徴です。

ミケランジェロの特徴

 日本のジョジョファンの中には、ミケランジェロを『アンジェロ』と勘違いする人もいるかも知れませんが、アンジェロの本名は片桐安十郎で、『ジョジョの奇妙な冒険 第四部 ダイヤモンドは砕けない』に登場します。アンジェロは殺人犯で、スタンド『アクア・ネックレス』を操る人物です。ミケランジェロとは全く関係ないので、くれぐれも混同しないでください。

 ミケランジェロの作品は、人体の解剖学的正確さと、彫刻におけるダイナミズムが際立っています。彼は人間の肉体美を理想化し、彫刻や絵画で表現することを目指しました。その芸術スタイルは『マニエリスム』と呼ばれ、後の芸術家たちに多大な影響を与えました。

 ミケランジェロはまた、ルネサンスの精神を体現した人物であり、彼の作品には人間の力と神の偉大さを同時に表現しようとする試みが感じられます。彼の生涯は90年に及び、多くの傑作を残したことで、ルネサンス芸術の最高峰に位置づけられています。

ミケランジェロ広場

 ミケランジェロ広場は、フィレンツェの市街地を一望できる人気の観光スポットです。フィレンツェを訪れる観光客にとって、この広場はルネサンス期の芸術と歴史を感じる上で欠かせない場所です。

 19世紀にフィレンツェの都市設計家ジュゼッペ・ポッジによって設計され、1870年に完成しました。この広場は、イタリア統一後にフィレンツェがイタリア王国の首都だった時代、市の発展を象徴する場所として作られました。

 広場の中心には、ルネサンスの巨匠ミケランジェロを讃えて設置されたダビデ像の複製が立っています。オリジナルのダビデ像はフィレンツェのアカデミア美術館に展示されていますが、広場にあるのはブロンズ製の複製です。

ダビデの尻?

 この写真を見ても『ダビデの尻?』としか思わない人には、この写真のエモいポイントが分からないでしょう。背後からズームしてみると、ダビデ像の背中にタスキのようなものがあることが分かりますが、これが何かお分かりでしょうか?

ダビデの投石器

 これはスリング(投石器)の一部です。このスリングは、ダビデがゴリアテと戦う際に使用した武器を表現しています。ダビデの右手をよく見ると、石を持っていることが分かります。

 ミケランジェロは、ダビデがゴリアテに立ち向かう直前の緊張した瞬間を描いており、スリングはその戦闘準備を示す重要な要素となっています。このタスキ状のスリングは、単なる装飾ではなく、物語上の道具であり、ダビデの強さと戦略を象徴しています。この背景を知らずにいると、『ダビデの尻?』で思考が止まってしまい、エモい気持ちにはなれないのです。

ダビデ vs ゴリアテ

芸術と文化の拠点

 ミケランジェロ広場は、単なる展望スポットではなく、フィレンツェの文化的・芸術的な象徴でもあります。ここからは、フィレンツェのドゥオモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)、ヴェッキオ宮殿、アルノ川に架かるポンテ・ヴェッキオ(注:ムーディー・ブルースを使うレオーネ・アバッキオとは無関係です)などの歴史的建造物が一望できます。特に夕方には、絵画のような美しい景色が広がり、多くの観光客が訪れます。

訪れる際のポイント

 ミケランジェロ広場へは、フィレンツェの中心部から徒歩で登ることができます。道中では、美しいオリーブ畑やフィレンツェ特有の風情ある街並みを楽しむことができ、散策自体が観光の一部になります。広場にはカフェや土産物店もあり、リラックスしながら景色を楽しむことができます。

レオナルド・ダ・ヴィンチ博物館のエモい展示物

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武智倫太郎

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