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家族に伝える経済シリーズ(34):SFと現実―夢を叶えるために必要な“力”とは?

昔、私が小学生の頃やったかなぁ、SF小説が大好きやったんや。SF、つまり「空想科学小説」やね。
小学生から中学生の時期が一番たくさん本を読んでたんちゃうかな。特に数で言うたらな。でもやっぱりその中でも、SF小説が一番多かったんやわ。

子ども向けのSFは、分かりやすくて楽しいのがやっぱりええよね。少しでもひねった内容になると、子どもには面白さが伝わりにくいもんやから(笑)。
そんな中で私が大好きやった作家に、アメリカのE.E.スミスさん(注)がおったんよ。
バロウズやアシモフ、ハインライン、ウェルズ、ヴェルヌなんかも読んだし、日本人作家では大学生になってから小松左京さんや星新一さんもよう読んだなぁ。でも、とにかくE.E.スミスが大好きやった。

スミスさんには有名なシリーズが2つあってな、
1つ目が「スカイラーク・シリーズ」、2つ目が「レンズマン・シリーズ
この「スカイラーク」というのは、宇宙船の名前やね。主人公のリチャード・バリンジャー・シートンって科学者が、偶然X(エックス)金属っていう特別な金属を精製して、その金属を使ってエネルギーを生み出す方法を発見するんや。
このエネルギーを使って彼は宇宙船を作るんやけど、それが「宇宙のスカイラーク号」やねん。シートンはそのスカイラーク号に乗って、太陽系から銀河系、さらにはもっと遠くまで冒険に出るんや。

でもね、宇宙船を作るにはとにかく大金がかかる。材料を集めるのも、建造場所を確保するのも、それを秘密裏にやり遂げるのも、どれも大変な費用がかかるんや。
そこで助けになったのがシートンの友達、マーチン・クレインや。
このクレインさん、なんと大富豪でロケットの研究家。宇宙船に興味があるから、シートンに資金を提供してくれるんやね。
すごいやろ?お金持ちやのに、それを鼻にかけることもなく、シートンの頭脳や技術を尊敬して「自分の財産なんか足元にも及ばん」って謙虚に言うんや。ほんまにええやつや。

それで、シートンはスカイラーク号を作ることができたわけや。
スカイラーク号に彼と仲間たちが乗り込んで、別の惑星や星系で大冒険が始まるわけで…これが子ども心にワクワクしたもんや。
スカイラーク号って、マジンガーZの光子力とか、スタートレックの反物質エネルギーを超える完全エネルギー変換装置を持ってるんや。
しかも、宇宙レベルの超合金アレナックやイノソンを使ったすごい宇宙船で、1号・2号は球形の小型船やけど、3号になると全長3キロの巨大船、最終型の「ヴァレロンのスカイラーク」なんか直径が1万キロメートルもある地球サイズの宇宙船やねん!
これやと、地球の近くに寄ることすら危険になるわけで。

この話をするとね、ふと考えるんよ。
シートンはスカイラーク号を造るためにお金が必要やった。
それと同じように、世の中にはええアイデアや技術があっても、それを実現するには大きなお金がかかる場合が多いんや。普通の人にはなかなか手元にない額やけどな。


注釈:E.E.スミス(1890年 - 1965年)はアメリカのSF作家。代表作には「スカイラーク・シリーズ」や「レンズマン・シリーズ」があり、特に「レンズマン・シリーズ」は「スペースオペラ」の先駆けとして評価されている(ウィキペディア E.E.スミス)。


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