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第9夜😺大人5人の家にネコが来た! 先代マレスケ物語①




マレスケとは、3代続いた白猫の名前です。
 先代マレスケ
 2代目チビチロ・マレスケ
 3代目マレスケ

我が家では、“マレスケ”は3代目で殿堂入りし、プロ野球の永久欠番のように
使う事を止めた名前です。

よい出会いをすると、その名前を引継ぎたくなる。
そして、残したくなる。
それは、古典芸能だけでなく、○○ジュニアという名があるように、
人類の共通の感情じゃないかなぁ~、などと考えます。

さて、今夜聴いいて頂くのは、『先代マレスケ』の話になります。

1. マレスケとの出会い


マレスケは、母方の祖父の葬儀が終って少し経ったころ、その母の実家から我が家に来た“オッドアイの白猫”です。

オッドアイとは、左右で瞳の色が違う状態のことです。医学的には「虹彩異色症(こうさいいしょく しょう)」と呼ばれ、その割合は白猫が高く、約25%。更に、オッドアイは聴覚の障害も多いそうです。

マレスケは、呼べば走って来るネコだったので耳は聞こえていたようです。
片目が青で、片目が黄緑色の魅力的なネコでした。

そして、その名前の由来は明治時代を駆け抜けた軍人 乃木希典(のぎ まれすけ)さんです。父は大変失礼だと強く反対していました。明治天皇の国葬の後に、殉死された乃木さん。妹にはその姿が、『いつまでも一緒に居たい、と言う強い思い』に映ったそうです。

 「海軍の東郷、陸軍の乃木」と呼ばれた最高峰の軍人は、後に昭和天皇の教育を明治天皇から託され、学習院の院長になった教育者でもあります。


こんな所に子タヌキ?!


マレスケの母猫は、レオという名のキジトラ猫です。

レオは、従弟(いとこ)が高校の通学路で出会った子ネコでした。
学校は、林を切り開いてつくられた新設校で、周辺を木々に囲まれた緑豊かな環境にある学校でした。

部活終わりに帰宅時。道路わきの林からミー、ミーと小さな声を鳴き声が聞こえ、自転車を降りてその声の方へ近づくと、道路に飛び出したところを車に跳ねられ死んだと思われる狸が横たわっていました。そして、ミーミーという声はその狸の胸元から聞こえて来ます。 
 そのお乳にくっつき、ミーミー鳴いている黒い塊。
子タヌキ?!と思い、そーっと覗き込むと、それは子ネコでした。

イメージ:AI画像


ウルトラマン好きの彼は、そのメスの猫に「レオ」と名付けました。
「レオ」は、彼にとって人生初めての家猫となりました。


子ネコが子ネコを産む、猫の世界


その数か月後。
子ネコだった「レオ」は、5匹の子ネコの母親となっていました。

茶トラのメスに白色のオスとメス。そして「レオ」と同じキジトラのメス。と、もう1匹のキジトラのオスです。
このキジトラのオスの子ネコは、縁側で遊んでいた時に大人のオス猫にさらわれ、塀から落とされ死んでしまったそうです。

発情期のオス猫は子ネコを無くした母猫に発情させるため、子ネコを殺す事があるそうです。

 しかし、世の中には全く逆の話もあるもので、オス猫がなんの縁もない子ネコを自宅に運び入れ、面倒をみたという話もあるんですよ。

それは、ご近所のキジトラ猫の話です。

 我が家の庭にある柿の木の、その枝に飛び乗って遊んでいた真っ白な子ネコ4匹。そしてその4匹を穏やかな視線で見守っていたキジトラ猫。このキジトラ母さん猫が真っ白な子ネコを産んだのかと飼い主の方にお話を伺うと、なんと!そのキジトラは去勢をしたオス猫でした。

ある日、去勢済みのそのキジトラ猫が真っ白な子ネコを4匹をくわえて自宅へ運び入れ、かいがいしく子育てを始めたそうです。


イメージAI画像


 ”猫”と一括りにいっても、その性格や生きている環境の中で本能と呼ばれるモノを変化させるのかもしれませんね。
子育てをするオス猫もいるってことを、覚えおいてくださいね。


2. マレスケがいよいよ我が家に来る日


ゲートボール中に倒れて意識が戻らない母方の祖父が、入院先の病院で静かに息を引きとったのが、お盆も終わる8月16日でした。祖父の葬儀後、しばらくして、祖父の家に生まれた子ネコを1匹もらう事になりました。

その猫が、レオが産んだ子ネコでした。

私は、就職し実家を離れていたので、実家でのマレスケの子ネコ時代の事は知りません。マレスケを選んだのも、そして名付けたのも妹です。

子ネコ選び


4匹となった子ネコの中で、ヒトの言葉に反応するダントツに賢い猫がいました。それは、母猫と同じキジトラのメス猫です。

4匹から1匹を選んで欲しいと言われた妹が、そのキジトラに手を伸ばした時、「あ、そのネコは・・うちで飼う予定なんだ~。」と申し訳なさそうな声が高校生のいとこから聞こえました。彼は、未だ葬儀後の落ち着かない家族に子ネコも飼いたいと、伝える事が出来ずにいました。

しかし、既に名前を“セブン”と決めていたそうです。 

本家のウルトラマンでは、レオとセブンは兄弟。
レオが兄で、セブンが弟です。

そうなると、残る3匹は.茶トラのメス、そして白色のオスとメスです。悩んだ結果、去勢・避妊の手術代が安い理由で1匹残っていたオス猫に決めました。しかし、その白いオス猫は「おいで~」と呼んでも“あさっての方向”に行ってしまう、しかもよく見ると、お尻から血を流している子ネコでした。

 妹はその小さな白い子ネコをお菓子の箱にそっと入れ、そのお菓子箱をスーパーの袋に入れて、上部を軽く縛り外に出ないようにして、自転車カゴへ入れました。子ネコは驚いてか声を発することもなく、じっとしていたそうです。
 そして、母猫のレオはそのようすを静かに見守っていました。
レオは、子ネコを箱に入れていた縁側から、自転車のカゴに入れられた子ネコを追うように、庭の塀の登り、その塀をつたって道路側の自転車置き場へ移動していました。 
 塀の上からこちらを無言で見下ろすレオの視線に気付いた妹は、レオと従弟のそれぞれに挨拶し、自転車を漕ぎ出しました。

レオは暫くの間、「うちの子、よろしくねぇ~」と言っているように塀の上から離れていく自転車を見送っていたそうです。

3. 大人5人と猫の暮らし


マレスケが来て2年程経ったころ、私は実家から職場へ通う事なりました。
父と母。そして、母方の祖母の妹に、妹と私の5人の大人と猫との暮らしが始まりました。

猫は、リーダーシップにあふれている!


 私が、まだ年末にだけ帰省していた頃の話になりますが。帰省のたびに、マレスケのゲリラ作戦による「膝カックン」攻撃に合っていました。いきなり現れた見知らぬ私がワガモノ顔で振舞う姿に『敵!』と感じたようです。
私の背後にまわり、私の膝を目掛けて猫キックを仕掛けます。その不意打ちの猫キックに私が体制を崩し、時に倒れる。これを執拗に繰り返されました。

振り返っても白い戦士の姿は見えない!見事なゲリラ作戦です。

完全にやられっ放しの私でしたが、その度に“あんなに小さい猫でも家族を守ろうと、戦うのかぁ”という驚きと同時に、すごいなぁと感心していました。

『猫は、リーダーシップにあふれている!』 これが、ネコに対する最初の気付きでした。

猫は、ヒトそれぞれに合わせる仲間意識の強い生き物!


マレスケの日常は、食事とトイレ、そして夜の睡眠以外は家を飛び出し、日中を外で過ごす日々でした。網戸を開ける事が出来るので、自由に家の中と外を出入りします。

そんなマレスケが一度だけ、夜になっても家へ戻らなかった日がありました。翌朝、雨戸を開ける音と同時に、サーっと家の中に走り込んで来たマレスケが全速力で向かった先はトイレでした。

”ごはん”じゃなく、”トイレ”! 

だから、我が家では “家ネコは外で用を足さない” という事になっています笑。

 そして、マレスケは家族の事情を知っているかの如く、タイプの違う家族それぞれと向き合って暮らしていました。


②へ つづく

23-8-8【相棒猫との暮らし方】第9夜 ゲスト:あん


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