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あなたがもし、演劇を観たことがないならば、それは薔薇の花の香りとトゲの痛さと、春の原っぱに寝転ぶ幸せを味わったことがないに等しい

ヨーロッパ企画の「あんなに優しかったゴーレム」を観てきました!


いつもは、五術について、日めくり五術だったり、GiftofLoveのグリーフケアだったりと、そちらの書き物が多くて
あまりこうした日記的なものが書けていないのですが…
久しぶりに演劇を観たので、こちらに記します。

演劇は大好きだけど、だいぶ久しぶり

演劇ってみなさん、よく行きますか?
この題名で読もうかなと思ってくださった方は、きっと演劇が好きな方なのではないかと拝察いたします。
いいですよねえ、演劇って。
今日はそう、改めて思ったので、これを書いているところです。
あなたが最近観た、好きな演劇、好きな劇団があったら
ぜひ教えてください。
次の公演に本当に行きます。

私は、8年半、シンガポールに住んでいて(今年の3月に本帰国)
演劇がサクッと観に行けないことが
シンガポールは大好きだったのだけれど
ちょっぴり寂しいことの一つでした。

シンガポールでも演劇はもちろんあります。
日本人会では、桂サンシャインさんの英語落語が観れたりと
シンガポールならではの体験ありました。

とはいえ、日本ほどのバリエーションはなく、普通の演劇も、母語で観ることができないのは、やはり寂しいものです。

ただ、良かったのは、この期間がちょうど、子どもたちが赤ちゃんから小学生前半の年齢なので
どのみち、そんなに頻繁には出かけられない期間。
その分、阿修羅城の瞳のDVDは、宮沢りえさんと天海祐希さんの二つを大人買いして、シンガポールで何回も観ました。

一時帰国したときには、一人でも寄席に出かけ、立川談春さんの独演会、子どもたちとは、劇団四季を観に行きました。

劇団四季と立川談春さんの落語

劇団四季で、小学生の頃に観た、ミュージカル『コーラスライン』で
向こう気が強くて可愛いコニーを演じていた、青山弥生さんが
ライオンキングで、ラフィキをしていることを知った時は大興奮しましたし

立川談春さんの落語、『文七元結』では
泣き笑いが止まらず、涙がかわかないうちに笑うこと
あの短い時間に込められているものの
もう把握しきれない豊かさに
心がはちきれそうになりました。

幕引きの時には、談春さんが
…私は、自分の生きてきた
その経験からしか語れない(落語を演じられない)
まだまだ未熟で不器用な私でございます
今後共、精進して参ります…というようなことをおっしゃって
頭をひたーっと下げた後
そのままの姿勢で、顔だけを少し上げて
劇場の客席を観客の私たちを、下から
ズアーっと見上げるように
天を仰ぐようにしてから
またゆっくりと頭をさげられたこと
その空気感もよく覚えています。

そして、いつか
子どもたちと一緒に
演劇や落語を観に行きたいな
という気持ちを温めながら帰国したので
今回長男と演劇を観に行くことができたのは
本当に嬉しくて嬉しくて。
バンザーイ!という気分です。

それで演劇はどうだったの?(笑)

それで、その演劇はどうだったの?という話ですが
その前に、なぜこの演劇を観に行くことになったのか
もう少しだけお付き合いください。

今の日本の家の近くに、小さな可愛い、イタリアンがあります。
ここまで言って、意地悪なようですが、名前は内緒です。(ヒドイ)
いらしている方のプライバシーに考慮して、というのもありますが
6席しかないのに、美味しすぎるため
あまり有名になってしまうと、本当に困ってしまう、というのが本音です。
(ゴメンナサイ)
でもこのお店は、宣伝しなくても大丈夫なんです。
今でも充分、ちょうどいい程度に混んでいて
いつもにぎわっています!

トラパ二風のブシアーティ

マスター曰く、昔々、イタリアの食堂で
普通の人が食べているような料理の中から
本当に美味しいなあと思ったものを
食材が違うから、日本の食材に合わせて工夫をしつつ
再現しているのが僕の料理、だそうで
(それも本当に素敵でしょう?)
私は、こちらで初めて
「トラパ二風、アーモンドとバジルとフレッシュトマトのブシアーティ」をいただきました。
これはシシリア島の郷土料理だそうです。
私は、メニューで読んだ時に、何が出てくるのか、さっぱりわかりませんでした。
ブシ、武士アーティ!?(まさか)
トラパ二風?パニーニ?(オイオイ)
焼き鳥みたいなやつかな?(それはサテー)という
お粗末な知識。

実はブシアーティとはパスタの一種。
トラパ二風のこのソースには、お肉や海鮮も入っていないので
ベジタリアンの方でも食べられます。
でもうま味とコクは充分にあるし
ブシアーティのパスタは、クルクルとねじまきのような形状で
モチモチしているけれども、ツルツルもしていて
独特の食感。

見た目は全然派手ではないから
ボロネーゼや、ボンゴレ、アラビアータのような
市民権を得ることは、これからもないと思いますし
トラパ二ブームや、パスタの種類としても、手の込んでいる、ブシアーティブームは来ないと思いますが
硬派で信頼できる、味わい深い
それだけでも満たされる、一度食べたら、忘れられないパスタです。

もし、どんなパスタが好きなんですか?と
これから聞かれることがあったら
(そもそも、その質問ってされることなさそうですけど)
トラパ二風のブシアーティ、って、答えたら、かっこいいなあ。
まだ人生で3回しか食べてないけれどもー!(笑)

スターウォーズ顔で 将棋が大好き

このイタリアンに、数か月前、主人と出かけた時に
一人で入ってきた青年がいました。
マスクを取ると、ほりが深くて
なんとなくスターウォーズを思わせるシリアスな顔つき。

シリアスな顔つきですが、とても礼儀正しく腰が低くて
この時はずっと将棋の話をしていました。

なにせ、このイタリアンは、長辺4席と、短辺2席の
L字型のカウンターで
それぞれの話は、輪唱、ときには合唱のようになっていて
ところどころ、聴こえてしまうし
時には、話がかぶったり、そこから交流が始ったりという
お店なのです。

この時、彼は将棋の本を
そんなに律義に返しにこなくていいのにと
マスターに言われながら
すごく面白かったからすぐに読んじゃった事を
細長い指と、手を大きく動かしながら
熱く語っていて
早くもなく遅くもない
ちょうどよいスピードでワインを飲み
マスターとの会話や
周りの話にも、丁寧に気遣いつつ
それぞれの話題に
時折入ったり出たりしていることで
気持ちの良い方
いい常連さんなんだな、という雰囲気でした。

先週、またそのお店に行くと
この彼が、やや緊張気味に
可愛い女の子と一緒に入ってきて
ああ、あの将棋の人だなと思っていたら
横耳で、演劇公演の話がちらちらと聞こえてきたので
思い切って尋ねると
ヨーロッパ企画、という劇団にいるということを
教えてくれて
その二日後の公演日に
バスケの試合から直行の長男と
二人で観に行くことができたのでした。

やっとここで演劇の話を

長文ごめんなさい、やっとここで演劇の話になりますね。

今回の「あんなに優しかったゴーレム」は、再演ですが
私たちは、あらすじも、全く知らずに、行きました。

全くのまっさらな状態で劇場に入って
左手、つまり下手(しもて)にある
大きな座っている石像のようなものが見えて
アレ、なにかな?というくらいの知識でした。(それがゴーレムです)

あんなに優しかったゴーレム

そして、思い切り、この甘酸っぱくて優しいコメディを堪能しました。
「あんなに優しかったゴーレム」
ゴーレムという、土くれが
生きているとする人たちと
生きているなんて!?そんなわけないだろう、という人たちがいて
その人たちの話を笑いながら聴いているうちに
照明の関係かもしれないけれど
ゴーレムが切ない目で空を見上げているような
そんな風にも見えたりもしました。

となりでは、小5の長男が
お行儀悪く足を投げ出し
時には足も跳ねたりしながら
ケラケラ何度も笑っていました。

演劇が素敵なのは

演劇が素敵なのは
舞台というものが、手の届きそうなところにあって
同じ時間を共有しながら
嘘と一緒に、本当のことが、たくさん詰まっていることです。

そして、今生きていることと
この魔法の世界は
ただ、数センチ段があるだけで
地続きだ、ということです。

あの主演俳優さんだって、生きていて
ご飯を食べるし、トイレも行くだろうし
ワインも飲むし、恋もするし
華々しい時も、時には、しょんぼりしちゃうことだってあるでしょう。

でも、この数センチの舞台のおかげで
世界はよりカラフルになり
彼らは役を演じ
私たちは観客を演じる、というプレイ
遊びに参加するのです。

嬉しいことも、馬鹿馬鹿しく面白いことも
痛いことも、悲しいことも
ドキドキするけれど
本当だけど現実ではないから
安心して
演じている人や、同じく見ている観客の人々と
一緒に体験する、という
豊かな遊びに。

あなたがもし、演劇を観たことがないならば
それは薔薇の花の香りと
トゲの痛さと
春の原っぱに寝転ぶ幸せを
味わったことがないに等しい。

私たちは確かに、ゴーレムと共に少年少女時代を生きた
あの空き地に、出かけていき
あの、あんなに優しかったゴーレムを一緒に目撃しました。

ヨーロッパ企画さん、素敵な演劇をありがとうございました。

まだ、さいたま、横浜、新潟、名古屋、大阪公演もあるようなので
お時間のある方はぜひ!!!

「あんなに優しかったゴーレム」

http://www.europe-kikaku.com/e41/

劇団ヨーロッパ企画

http://www.europe-kikaku.com/

この文章を書いたのは…

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代表 森田藍子

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