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母が鬱になりました。うつを支える人へ。

私の母

私の母はキャリアウーマンで、バリバリの仕事人間。本当に厳しく、友人の中でも有名な怖いお母さんでした。

今思えば、朝から晩まで働きながら子供3人を育てるのはとても大変だったろうと思います。

そんな母は私が高校を卒業する頃、胆石の手術の為に入院しました。その後、体調はあまり回復せず寝込むことが増えていきました。

金銭的に浪人や私立大学に行けなかった私は、母の勧めもあり専門学校に通うことになりました。母はほとんど毎日寝込んでいたため、昼間はアルバイトをしながら夜間部に通いました。

料理や洗濯掃除等の家事は出来ず、バイトや学校から帰っても寝ている母。日々忙しく働き勉強している私は、何もしない母に苛立ちよくケンカをしました。

今考えると、この頃から母の心は壊れ始めていたんですね。

無知な私はそんなことにも気づけず、母の体調を気遣うことはできませんでした。

そして数か月後、精神科を受診した母は鬱病の診断を受け、精神薬を内服するようになり、その後、入退院も繰り返すようになりました。

鬱病に関しては、学校で習いはしますが身近にはおらず。ましてやあの強い母が、鬱病だとは、受け入れることも時間がかかりました。

母はよく泣いていました。そしてよく怒りました。怒り出すと止められず、泣きながら物を投げました。

母はたまに買い物に行き、夕飯を作りました。でも思い通りにいかないと「うまくできない、思うように体が動かない」と、また泣きました。

今まで当たり前にしてきたことが出来なかったり、自分の気持ちがコントロールできなかったりして怖くて、それでも頑張ろうと必死だったんですね。

母なりに日常を取り戻そうと努力していたんですね。

一片で私は、徐々にひどくなる症状に不安を覚えていきました。

私は常に母が気になるようになり、外出しても常に連絡が取れるように携帯を肌身離さず持ち歩き、母が眠るのを確認するまでは寝れない日々が続きました。

一度発症してしまうと、これらの症状と長く付き合うことになります。

睡眠障害(不眠、過眠、リズム異常):65.4%
仕事や活動上の問題(意欲・集中力・記憶の低下、思考の空回り):43.4%
一般身体症状(頭痛、体力低下、倦怠感):39.4%
抑うつ気分:34.6%
他、食欲低下、精神的・肉体的不安など
母も同様です。

身体的症状も加わると、さらに精神的ストレスになり生活の質は落ちます。職場復帰は出来ず、療養生活を余儀なくされることが少なくありません。

母はこれにアルコール依存症も加わっていたと思います。仕事を辞めてからは、朝起きて寝るまで飲んでいました。

飲みすぎると怒ったり泣いたり、感情のコントロールがさらに利かなくなりました。

うつ病の支援

鬱病支援は、いくつか守るべき方針があります。

基本的には、励ましたり叱ったりしないこと。(頑張れない、もしくは頑張っている本人に対して、自己肯定感を失わせ落ち込ませてしまうため)

家族は、本人の話に共感的に耳を傾けたりして、温かく寄り添ってサポートしていくことが大切である。

本人が肯定され安心できる環境を整備する。(環境が大きな影響を与えるため、本人を適切にサポートする人や機関とのつながりを増やす)

その外にも

以前に興味を持てたり楽しめたりした活動については、可能な限り継続すること。
定期的な運動を継続すること。
地域活動や社会活動への参加など、可能な限り続けること。
辛い自動思考(頭に浮かぶネガティブな思いやイメージ)からの解放をサポートすること。が挙げられます。

鬱病の回復率は最初の3ヶ月間で回復する率が最も高く、日本での研究では6か月程度の治療で回復する症例が50%程度。しかし一方では20パーセント程度の症例は、1年以上うつ状態が続くとも言われるそうです。

再発することもあり非投薬時の予後は良いが、抗うつ薬は長期的な予後を悪化させるそうです。

鬱を支える人へ

鬱病の家族を支える方、とても辛いですよね。

苛立ってしまう、そしてそんな自分にまた苛立ってしまう。分かっていても相手に八つ当たりしてしまう。

思っているように症状が改善しない、治療が進まない。何を言っても反応が薄い、何を考えているか分からない。

励ましたくても、逆に本人を逆なでしてしまう。

身内だからこそ腹が立つこともありますし、言いすぎてしまうこともあります。

苛立つかもしれません、言いすぎてしまうかもしれません。でも、その感情は悪い事ではありません。

でも、支援者は十分に頑張っています

支えられている本人も、言葉にしなくともその気持ちも愛情もきちんと受け取っています。

たまに優しくできたならいい。

たまに笑って話せたらいい。

そう思います。

毎日泣いていた私も今は笑っています。母に優しくできています。

私と母は共依存にあったと思います。喧嘩ばかりしていましたが常に干渉し合い、常に一緒に居ました。片時も離れず母の側に居ないといけないと思っていました。

でも、そんなことはありません。

距離を置くことも大事です。

お互いを傷つけあって憎み合っているより、お互いに思いやれる距離があると思います。

今はそのための様々なサポートもあります。私もなにか役に立ちたいと思っています。

一人で抱え込まないで、気持ちを打ち明けてくださいね。

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