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今年のバカンスは本の中で。読書で旅する5つの異国

海外旅行が遠いものとなって早くも1年以上が経ちました。

昨年に計画していた海外への旅行や留学が延期になったまま、時間が過ぎてしまったという方も多いのではないでしょうか。

そこで今日は、普段はあまり活字を追いかけることが少ない方も馴染みやすい外国にまつわる本を、短いエッセイや短編小説も交えながらご紹介します。

あえて文字だけの世界で、想像力をめぐらせることで新しい気づきや知識のアップデートが生まれるかもしれません。

何気ない会話に魅了される異国『ニューヨークのとけない魔法』(岡田光世)

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「I don't Believe this.
まったく、信じられないよ。その女の人はあきれたように首を横に振り、ため息をついている。仕事の帰りなのだろうか。疲れ切った様子だ。どちらからともなく、会話が始まった」

海外を旅するとき、景色や食と同じくらい印象に残るのは、その土地の人々とのコミュケーション。

ニューヨークという街の魅力を綴り続けている作家・岡田光世さんによるエッセイ集「ニューヨークの魔法」シリーズに登場する何気ない会話は、そんな旅の記憶を呼び起こしてくれます。

それぞれ2〜3ページほどの短いエッセイですが、そこで切り取られているニューヨークの人々の会話はどれも短編映画のような余韻があり、普段あまりエッセイを読まない方でも楽しめる一冊です。


私らしさを再発見できる異国『食べて、祈って、恋をして』(エリザベス・ギルバート)

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「疲れた身体が、心にたずねた。『あなたが必要としていたのは、まさにこれなんでしょう?』」

離婚とその後の大失恋を経て、イタリア、インド、バリを旅しながら自分を見つめ直した筆者が綴る、世界累計1500万部のベストセラーエッセイ。ジュリア・ロバーツ主演の映画版はご存知の方も多いかもしれません。

一人旅が好きな方なら、彼女の楽しみながらも戸惑い、寂しさを感じながら、少しずつその土地に受け入れられていく姿に、旅の追体験ができるはず。

ただ旅先で経験したことを書くだけでなく、そこからの自分自身の内面の変化を繊細に掘り下げていく筆者の文章が、さらに私たちの旅への感受性を高めてくれる一冊です。

刊行10年を経て筆者が新たに描き下ろした新版の「十年目のまえがき」にも、多くの女性が共感し、奮い立たされるメッセージが詰まっています。


自分の価値観を問い直される異国『ヤノマミ』(国分拓)

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「精霊か、人間か、ワトリキでは母親が決める。どんな結論を下したとしても、周りの者たちは受け入れる。理由も聞かず、ただ受け入れる。」

実際の旅とは異なり、自分が絶対に行けない場所の空気を濃密に感じられるのが、読書のいいところ。

今なおアマゾンで原初の暮らしを営むヤノマミ族に150日間密着した、NHKディレクター国分拓さんによるルポルタージュで綴られる日本とはかけ離れた彼らの暮らしからは、私たちが想像していた「文化の違い」を遥かに超える死生観に衝撃を受けるかもしれません。

宗教、生活だけでなく倫理観すらも全く異なる人々と出会ってはじめて、私たちは世界の広さを知るのではと思わされる一冊です。

イマジネーションが生む異国『マシアス・ギリの失脚』(池澤夏樹)

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「幸福とは日曜日の昼食にラーメンを食べることであるという単純明快な哲学が島を席巻した。」

4冊目に取り上げるのは、架空の南の島、ナビダート共和国を舞台にした小説。

日本人47人を乗せたバスが小さな島からこつ然を消えたことをきっかけにはじまる幻想的な物語を裏打ちするのは、「存在しないはずなのに、世界のどこかに本当にあるのでは」と思わされてしまう島の文化や宗教、人々の暮らしが描写のリアルさ。

実在する海外に行けない今こそ、こんな物語の中だけに存在する南の島で空想のバカンスを楽しんでみてもよいのでは?と選んでみました。

まだ見ぬ憧れの異国『パリ行ったことないの』(山内マリコ)

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「あゆこは大学院を卒業した年からもう十年の間、『フィガロジャポン』を定期購読しているというのに、パリに行ったことがない。」

まだ訪れたことのない国を想像したり、計画を立てたりする旅に出る前のひとときもまた特別な時間です。

最後にご紹介するのは、今の私たちと少し近い「まだ旅に出ていない女性たち」にまつわる短編集。

パリへの漠然とした憧れから一歩踏み出そうとする年齢も境遇も異なる10人の女性たちに、読者もささやかな勇気がもらえる一冊です。

最後の短編「わたしはエトランゼ」のような日が来るのを心待ちに、いまは知らない国への夢を膨らませましょう。

読書をさらに心地よくするBGMも

いつもよりどっぷり読書に浸るなら、BGMを流してとブックカフェのような特別感を楽しんでみてもいいかも。ACPのオリジナルSpotifyのプレイリストでは、おうち時間に寄り添うようなリラックスできる音楽をセレクトしています(無料でも使えます)。

SNSやYoutubeで流れてくるリアルタイム情報とはまた違った、濃密な空気が広がる本の中の外国。自宅で過ごす時間が多いからこそ、没頭してみてはいかがですか?


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