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IVS 2024京都での気づき

〈2024年7月5日の気づき〉

オープニング

今回は、IVS 2024京都に参加したときにすごく刺さったトークセッションでの気づきをまとめた記事になります。京都で下宿している自分だけど初めて知ったことなどもあったから、非常に学びになったセッションだった。

また、7月の第1週に色々とあったので、そのあたりも雑談という形式でまとめてみたので、最後まで読んでいただければ幸いです。


【スタートアップ育成5カ年計画 後半戦の行方と展望】

このセッションの概要は、【スタートアップ育成5カ年計画の後半戦を迎え、取り組むべき重点事項、グローバルエコシステムへの対処法、スタートアップとエコシステムの成長促進策を議論する。現状の分析と未来展望を深掘りし、参加者と共に具体的な戦略を模索する】とのこと。

ここでは、このセッションでの気づきを大きく9つに絞ってまとめてみた。

1. 京都は糠床のような環境→伝統や文化によって醸成された様々な哲学や芸術が生まれる場所になっていることの比喩。ただ、定期的に混ぜる、ブースターを入れる必要があるという課題もおっしゃっていた。
この場合、京都府全体というより、京都市内のことを指しているように感じた。

ここでは、京都には極端な馴れ馴れしさや孤独を感じさせる空気感が比較的ないという興味深いお話もあって、そこでは烏丸御池駅から半径2kmと半径5kmの円を地図上にマッピングしての説明があった。住んでいるから肌感として理解していたが、中心地や遊び場がその縁の中に密集していることを視覚的にも確認できた。そういうところから、いつでもどこでも知り合いとコミュニケーションが取れる、良い環境なのかもしれないと思った。さらには、これは「距離感がいい」と表現できるのでは?という仮説も立ててみた。

+α:「京都vs大阪」という構図をよく目にするが、実際はほぼ戯れ合っているという話もあって、色んなところと仲良くしたいと思うスタンスであり、これは「異文化交流がないと滅びる」というスタンスの裏返しではないかと考えられる。だから、外国人観光客に対するネガティブな意見は受け入れ難い。

2. 市民文化や民俗的要素を五感で味わえる場所が必要。
宗教的・儀式的な体験を学びの中に組み込むことという話があって、それによって単なる「日本文化」から、身近な「様式」への変化が見られるのではと考えた。
※単なる「日本文化」になりうる例:娯楽としてのお茶屋。有名な観光地でお土産を購入すること。これらは一種の瞬間的な自己満足になりやすい側面がある?

3. 京都には哲学があるという話。
京都学派という名前が哲学の学派にあることからも分かるとおり、京都には哲学的な土台、ここでは苗床という表現がなされていた要素が、あるということだった。そして、この存在が魅力的であるという話には驚かされた。

4. 日本のスタートアップ産業が東京一極集中していることの弊害について
東京が中心となっていることへの批判ではなく、周辺や辺境部に触れる経験が失われてしまうことを危惧しているのではないか?→『京都の平熱』における「両極端が垣間見える街としての京都」という話が思い出される。

5. 「番組小学校」という京都市民の取り組みの紹介
Wikiで詳細を調べてみると、どうやら明治時代に教育制度が全国的に普及し始めたときに、京都市内で見られた日本で最初の学区制小学校であり、その学区は当時の住民自治組織であった「番組」に紐づけられていたとのこと。
ここから、公的な機関を市民や地域の人々によって作る、支えるムーブメントが実際にあったということがわかるし、それはもっと活用できる資源なのではないかと思った。

ただ、一般市民だけで動いている取り組みだけでは続かない、という話題も上がっていた。そこでは、公の立場の人、「官」の人が「編集者」として骨格を作ることの重要性が訴えられていた。そして、この積極的なスタンスと市民の声を聞くという受動的なスタンスとの両立が鍵であるという話もあった。

6. 「クロスバウンダリーズ」という発想
国境を越えてのやりとりで街を動かす、活性化させるという意味で用いていると解釈した。さらには、外部からの技術や資本を導入させることで、政治を動かすという話もあった。これは、京都という街単体では動いていけない、京都特有の距離観で持って政を行っているように思われた。

7. 市民の方々の声があったから気づけたという経験。
「官」の人たちは、みんなが頭の堅い人では無いという話が出てきた。その中で「官民」連携があるから、取り組みがスピーディに動く、決まっていくということも言われていて、これはアレントの唱えた「政治」であり、それが本来あるべき政治の姿であると考えた。

8. 日本に足りないもの
人々にワクワクする気持ちをどのように駆動させるのか、という問いが投げかけられ、そういう取り組みが少ない現状の潜在的な課題について述べられていた。ここで、誰かを気兼ねなく応援できる空気感や環境がどんどん隅に追いやられている現状も一因なのではないかという仮説を立てた。
「夢や希望を提供する行政サービスを創る」という市長の提言があった。市長は、これは経済や政治の基本的な要素であると仰っていた。さらには、他人の幸福について考える、議論できる新しい民主主義や資本主義の形成にもつながると仰っていた。これは岸田首相の新しい資本主義とちょっとベクトルが違うのかなと感じた。

この話題には、そもそも失われた30年において、ワクワクしている人が少ないという意見も上がっていた。これは、経済成長が見られなくなった30年間を表現する言葉であると同時に、活気が「失われた」30年でもあると解釈した。
「スタートアップはワクワクをカタチにする」という格言にはちょっと痺れた。

9. 最後の1~2分でこのセッションを締めくくる時に出てきた提言について
最後のまとめで出てきた、「起業した1日目から、グローバルな視点を持ってみよう」という提言には非常に考えさせられた。その中で、起業する要因として社会課題解決を図ること、違和感を持つ課題に挑戦すること、などが考えられるが、そこにグローバルな視点を導入することで、課題のスケールに関わらず立体的にビジネスが広がっていくのではないかと考えた。

また、『クリティカル・ビジネス・パラダイム』も一読していたこともあって、その作品の様々な知識の断片と繋げられることができたから、楽しかった。

めちゃめちゃ学びになって充実した時間ではあったが、ただ一つ心残りがあって、それは1日目に参加しなかったことだ。1日目にも京都市長が登壇されていて、そこでは哲学や思想に関するお話も多くされていたということをあとで知って、めちゃ聞きたかった。


IVS 2024京都でのちょっとした話

2日目に参加したこともあって、LAUNCHPAD 2024を見てきた。一番人気のイベントということでメインホールには本当にたくさんの人が集まっていて、立ちっぱなしで観覧することになった。ただ、場所が良かったのか、かなりブースの近くでの立ち見になったから、登壇者さんたちの熱意を感じることができた。
プレゼンには、すごく使ってみたいサービスから実際に詳細を調べてみたサービスまで本当に幅広く、色々な「ワクワクをカタチにした」ビジネスがあった。

トークセッション以外にも様々なブースがあったり、たくさんの人と喋ったりと、色々と刺激を受けることができたので、実際に現地に行ってみて本当に良かった。ここでは、たくさんの挑戦をしている人のお話を聞くことができて、挑戦の前後を聞くことができる貴重な時間でもあった。


江文神社の鳥居の前で一枚。
(撮影者:自分)

小噺

この1週間は非常に充実した時間だったから、ここで軽く振り返ってみる。

2日にはFeel→Doに参加して、その際には草津市長の橋川渉(ハシカワワタル)さんのお話も聞くことができた。これで1週間のうちに2人の市長から貴重なお話を聞けたという、非常に珍しい経験ができた。また。市長が来るということでたくさんのメディアの方や今までとはまたベクトルの異なる参加者さんが集まっていて、すごく面白かったし楽しかった。
今回のFeel→Doでは、食育に関するテーマのブレストに参加したが、思ったより上手くブレストできていない、消化不良感に襲われたから悔しい。

6日に行われたIVSのサイドイベントに参加してきた。このイベントの概要はこちらから読んでみてください。実は、このイベントの運営?主催?に友人が関わっていて、すごく心惹かれる内容だったので参加してきた。
なかなかクラブへ行くという文化、習慣がない自分だから、貴重な体験だったようにも感じた。その中でも、DJさんの音楽がガンガン鳴り響く中、参加者同士で交流を図る、コミュニケーションを試みるということはとても難しいことだと感じた。ただ、これは逆に、言語によるコミュニケーションよりも非言語のコミュニケーションを図るシステムで、より初対面でのコミュニケーションによる緊張感を取っ払うために考えられた形なのかなと考えた。

7日は、最近のマイブーム「大原朝市」へ行ってきた。今年からちょこちょこ顔を出していたから、出店者の何人かに顔を覚えてもらえており、色々とお話しできた。ただ、到着が遅れたことや、帰りに用事があることもあって、あまり何も買えなかった。だから次回は少し多めに買ってみる!
先述した用事とは、7月7日ということで、貴船神社の七夕神事のことである。これに参加しようと朝市の帰りに向かったが、道を間違えたせいで迷子になって、参加できなかった。ただ、その道中ですごく面白い方と喋りながら歩いたり、元気な子供達と遊んだりと、めちゃ満足した1日になった。

最後に、IVSというスタートアップの祭典に参加した後に地域の朝市に行くという、〈デジタルとアナログ〉〈都市的と地方的〉といった一見するとかなりギャップのある環境に身を投ずることができた1週間だった。


エンディング

ありがたい話ではあるが、言語化したい出来事が増えてきて、なかなか言語化が追いつかない状況にある。だから、ラジオ形式で振り返ってみるのもありなのではないかと考えている。自分はラジオはよく聞き、長尺でも一向に構わないスタンスなのだが、どれくらいの長さの方が聞きやすいのか気になっている。
もし良かったらコメント等で教えていただければ幸いです。

ということで、ここまで読んでいただきありがとうございました。これからもそれなりに記事を作っていくので、よかったら今後も読んでいただければと思います。


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