【落語(7)】 『病む女 (解答篇)』
根多の前編は↑にある通りです。読むのが面倒だという人のためにあらすじを言いますと、
白鳳(カッコイイ)ってのと裕太(うっかり八兵衛なワトソン君)ってのがどうやら同僚の探偵同士だって設定らしい。白鳳が留守のときに男と女の客がやってくる。で、なんかよく分からん集団なんだが、「主」の暗号みたいな手紙の謎を解いてくれと言う。
あたしは、病んでいるので
その間に、みんなにひと肌脱いでほしいのだけど
伝書鳩で送った金額に共通するものがヒント
(といっても、どちらも偶数、なんてちっぽけな共通点ではなくて
もっと大きなのよ)
私の病はその外のものだから
それがわかれば特効薬もわかるでしょう
伝書鳩で送った金額というのは、『二重に縁がありますね』というメッセージとともに8888円を受け取った者と、『ご縁がありますように』というメッセージとともに2020円を受け取った者とがいる。
問題だけ出されて前編はおしまいっていう名探偵コナンみたいなことになっていて、またSWEET MEMORIES流れるTOWN808っていう無口なバーテンの前で裕太が飲んでいたら、やっと我らが白鳳先生登場、って今ココ。
裕太「いや、考えるよ。俺だってね、白鵬には負けてらんない」
白鵬「まあ、気の済むまで考えるのは自由だ」
裕太「ええっと?2020を裏から見ると、SOSだ!」
白鵬「かなり苦しいね。ゼロが一個余る」
裕太「うるさいねえ。判っているんだよお、ネタだって。ええーっと、8888円は拍手?なんか数字が並ぶよね」
白鵬「お、いい線きた。あ、マスター、おかわり」
裕太「えーっっとおー。2020,2020、ニオニオ、とか?ハハハハ?母、母?2020と8888って、数字が並ぶ以外に、なにが似ているっていうんだ?A151っていうホストクラブがあるね。関係ないね」
白鵬「どっちも偶数っていうちっぽけな共通点じゃダメってあるだろう?2で割れる、じゃ小さすぎるってことさ」
裕太「割れる?ええっと、2で割れる。4でも割れるな」
白鵬「あ、もうそろそろかな」
裕太「言うなよ、言うんじゃないぞ。8では割れる?2020は割れない、か。んーー。ああ!101で割れた!」
白鵬「結構だね」
裕太「待てよ待てよ?101ってことは?あ、判った!101匹ワンちゃんだ!!」
白鵬「はぁ。判っていなかったようだ」
裕太「いや、ちょっと褒めろよ。どっちも101で割れるって気づいたんだよ?」
白鵬「まだちっぽけだ、と言えば判るかな?」
裕太「へ?」
白鵬「101より大きい数字を探すんだよ。いちばん大きいやつだ」
裕太「まだあるの?ちょっと計算が。。あ、202で割れるか」
白鵬「そう。もうひと声。これ、小学生探偵でも解けるだろうな。なのに5円、22円っていうヒントまでくれてある」
裕太「ああ?505では割れないんだよね。808?」
白鵬「8で割れない数字が808で割れるわけはないね。これは、最大公約数を求めろ、っていう意味だったんだ」
裕太「ええっと?あ、404?ほんとか?たしかめよう。8888÷22=404 ああ、2020÷5 も404。『二重に縁』ってその数字で割ればよかったのかあ!」
白鵬「たどりついたな。問題はこっからだ」
裕太「404ってなんだっけ。どっかで聞いたことがあるな。あ『ご指定のページはありません』ってやつか。インターネットでページがないときに出てくるアレだ。だけど、そんなのどこにでもあるし。。」
白鵬「事務所に来たお客さんは、ネットでゆるく繋がって共同作業をすることもある、と言っていたんだよな。実は最近、ちょっとした犯罪集団がいてね。仕事ができると、その都度必要な技術を持ったメンツが召集される。終われば解散だ。尻尾をつかみづらい」
裕太「え?いきなり犯罪集団の話?っていうことはこれが関係しているの?その連中がもしかして?」
白鵬「ああ。ただ、ネット上にそういう『一味』は見つからない。実は俺は、そしらぬふりをしてそういう連中の仲間入りをして、潜入捜査することを警視庁から頼まれていたんだ。だが、できなかった。
あまりに入るのを難しくすると広く人を集めるのが難しくなるはずだ。だから、ダークウェブまで使うようなことはしないはずなんだが」
裕太「そうか。そこで、ページは存在しません、っていう画面に見せかけておいて、そのページでやりとりをするってことか」
白鵬「404のページで盛り上がっているSNSがひとつだけある」
裕太「え?それは?」
白鵬「noteだ。 #404美術館 というタグで、noteの404ページをみんなで飾ろうという企画があるんだ」
(タイトル『氷の街の夜』)
裕太「noteには、サークルを作る機能もあるもんな」
白鵬「文書の続きに書かれていることも重要だ。『あたしの病はその外のものだから』とあるだろう」
裕太「外?404ページじゃないってこと?画面の外?」
白鵬「今度は落語好きの連中ってのがヒントになったな。『万病円』という落語がある」
裕太「ええっと、今度は万?一万?病気って1万種類もあるの?」
白鵬「万はたくさん、という意味だ。落語のほうは病気と数字の洒落を言い合う噺だ。そこに『病の数は四百四病』というセリフが出てくる」
裕太「ああ!404」
白鵬「さらには『四百四病の外』という言葉がある」
裕太「そうか。1万から404を引いた残りの病気、ええっとー、9596?」
白鵬「その数字は覚えておこう。あと、『四百四病の外』というのは恋患いという意味なんだ」
裕太「ああー。医者にも治せない病ってやつかあー」
白鵬「粋と洒落にこだわる一味で、noteを利用してやりとりをしている。その連中の活動に注目だ。おそらくその主というかボスの企みは、恋に関連している。となると」
裕太「スキ、だ!それを押せってことだ!(みんなも下のほうのハートをポチッと押してねー、と、よそに向かって叫ぶ裕太)」
白鵬「ああ。あるいは、それだけじゃなく、「心に火を灯す噺」も必要なのかもしれないぞ。ダブルトリプルミーニングが好きで落とし噺が好きな女と言えば。。」
裕太「あっ!」
白鵬、杯を傾ける。
白鵬らと形を変える犯罪集団との、恋と戦いの火蓋が切られたのであった。つづく(、、のかな。やっぱり)
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とまあ、自分で作ったキャラ転がしをして、noteと #心灯杯 の宣伝をしまくってみたわけでありまして。
第2回心灯杯が開催されたとき、こちら↓の欄には自動的にリンクが貼られることにしますが、姐さんもそうそう出費をしては寄席に行く回数が減ってしまいます。いましばらくは前回の余韻の残るこちらなどを見ていただくと、本作品の謎についても理解しやすくなるかと存じます。
白鳳のシリーズはこちらからどうぞ。
【落語(5)】 『SWEET MEMORIES(前編)』
https://note.com/agawa_shou/n/n90bec4dfcfb0
【落語(5)】 『SWEET MEMORIES(後編)』
https://note.com/agawa_shou/n/na89eccd4000c
Ver 1.0 2020/7/22
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