減価償却費の特徴
こんにちは、公認会計士の三上光徳です。
ここ数回は『設備投資』がテーマとなっています。そして『設備投資』の話をする際に必ず登場する“減価償却”について前回は説明しました。
本日は“減価償却”という仕組みで計上される、減価償却費という費用の特徴を
ひとつお伝えします。
前回の復習:減価償却とは
はじめに簡単に前回の復習をしておきます。
・減価償却とは会計の話であり、
・減価償却とは特殊な会計処理である
どのあたりが特殊かというと、例えば540万円の内装工事を行った場合、
その540万円を15年間かけて費用計上します。
具体的には、
1ヵ月あたり3万円(=540万円÷180ヵ月)の費用、
すなわち減価償却費を180か月間かけて費用計上するというものでした。
減価償却費の最大の特徴
減価償却費の最大の特徴、それは『減価償却費は現金の支出を伴わない』という点です。ちょっとイメージがわきにくいかと思いますので、具体例でみていくことにします。
例えば、以下のような会社について考えてみます。
ABC株式会社が、この1年間で獲得した現金はどのくらいでしょうか?
売上は現金で800もらい、
仕入は現金で360支払い、
税金は現金で110支払うので、
税引後利益である330が
イコール1年間で獲得した現金
ということになります。
では、以下の別の会社についても考えてみます。
XYZ株式会社がこの1年間で獲得した現金はどのくらいでしょうか?
まず、売上は現金で800もらいます。
では、減価償却費360についてはどうでしょうか?
減価償却費が360計上されているからといって、この会計期間に360の支払いがあったわけではありません。過去の設備投資のタイミングで、例えば“内装工事540万円”のような支払い生じており、支払いとしてはそこで完結です。
その後の減価償却費の計上という会計処理と、現金の支出は関連はしないのです。
税金は現金で110支払います。
まとめると、XYZ社がこの1年間で獲得した現金は、
現金売上800-税金110=690ということになります。
なお、別の計算方法として、
税引後利益330に減価償却費360を足しこむことにより、1年間で獲得した現金690を算出するという方法もあります。
三上光徳
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