デザインがさらにおいしくなる話vol.10【日本ドルフィンセンター】
デザインが完成するタイミングっていつなんでしょう?
成果物をデザイナーが確認したとき?それともお客さんの手に届いたとき?
もしかしたら「デザインに完成はない!」という意見もあるかもしれませんが……これは受け手作り手、それぞれのデザインによっても色んな答えがありそうですね!
今回ご紹介するのは、日本ドルフィンセンターさんのメンバーズカードのお話。
お客さんの手に届いて、さらにもうワンアクション起こる、ちょっと特別なデザインのお話です。
日本ドルフィンセンターのメンバーズカードを制作しました!!
日本ドルフィンセンターさんは、イルカとのふれあい体験ができる施設です。
イルカショーやイルカのえさやり体験など、イルカとふれ合える他、社会教育施設としての側面、ドルフィンセラピーによる治療、調査や研究も行っているところが日本ドルフィンセンターさんの大きな特徴です。
そもそも、水族館以外でイルカに出会えること自体が珍しいですよね。
また、日本ドルフィンセンターさんではイルカと人間が対等な関係を築いていけるように配慮しています。
イルカは人間と同じ哺乳類で、とても賢い生き物です。実際、脳と体の比率は人間とほぼ同じなんだそう。
仲間思いなところから、「めんどくさいな……」と思うと仮病を使って免れようとするところまで、本当に人間とそっくりです。(面白いですよね!)
そんなイルカたちにとって、人間とふれ合うことが「仕事」ではなく「楽しいこと」になるように、日本ドルフィンセンターさんではイルカの自由意思を尊重して接しています。
こうした日本ドルフィンセンターさんの特徴や思いやりをデザインに落とし込むにはどうすればよいか?
考えたデザインコンセプトがこちらです。
日本ドルフィンセンターは
「人生をよりよくするところ」
老若男女問わず楽しめるイルカショーや、イルカの生態を知る教育的な側面、イルカとふれ合うことで癒されるドルフィンセラピー。
「コミュニケーション」「社会性」「癒し」など、イルカが私たちに与えてくれるものは、私たちの人生をより豊かに、より健やかにしてくれます。
「イルカと人」をキーワードに、このコンセプトを念頭に置いてデザインをしました。
カードの上半分は透明に、その中央に小さくハートマークをあしらいました。
このマークは全部で5種類あり、それぞれに独自の意味を持たせています。
赤のハートは愛(Love)。
黄色のトゲトゲは発見(Discovery)。
水色のふきだしは対話(Communication)。
緑色の不思議な形は癒し(Healing)。
白の雲は想像(Imagination)。
このマークはハート以外すべてシールになっていて、毎年更新されるたびにマークが変わっていきます。ぜひハートの上から貼ってお楽しみください!
会員カードを見ただけで、その方が会員何年目かがすぐにわかる仕組みにもなっています。
SUPPORTER MEMBERSHIP CARDのタイポグラフィーは、波のなかにあるイメージで作りました。波のなかなので、Tはあえてイルカの尾ひれにしています。
そして最後に……
このカード、なんとイルカにかざすことで、イルカがさらにかわいくなります!(※サムネでネタバレ済みですが(汗)。)
持っているだけでももちろんかわいいのですが、実際に日本ドルフィンセンターに来たときにイルカの前にかざすことを前提にデザインを作っています。
写真を撮ってSNSに投稿するなど、手に取ってさらにもうワンアクション起こる仕掛けを作りました。
さて、冒頭で「デザインが完成するタイミングとは?」というお話をしましたね。
今回のメンバーズカードは「イルカの前にかざすことでデザインが完成する」と言えるのではないかと思います。
シチュエーションや用途まで深く考えることで、お客さんが手に取ったさらにその先のアクションを起こすことができる。
これもデザインの面白いところですね。
「デザインがさらにおいしくなる話」とは?
CREDIT
Creative Direction:村上モリロー
Art Direction:村上モリロー
Graphic Design:久利優実
日本ドルフィンセンター
〒769-2402 香川県さぬき市津田町鶴羽1520-130
営業時間:(9:00~17:00)
コーポレートサイト:https://www.j-dc2.net/
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