「元は問屋。だからこそ強い」手袋屋さんが靴下で紡ぐ笑顔。前編
こんにちは、こんばんは、おはようございます。
どうも!マネージャーFです。
最近、巷で「ブランディング」という言葉をよく耳にするようになりました。(間違いなくこの会社に就職したからですが……)
ブランディング。
よく聞くけどちょっと難しい言葉ですよね。
クリエイティブカンパニー1年目の私の肌感としては、ブランディングは「自分たちがどんな信念をもって、どんな風に社会に貢献しているかを適切に伝えることで、社会的信頼を得て人々に記憶してもらう活動」という感じ。
もしくは「ファンになってもらう」という方がイメージしやすいかもしれません。
仮に競合他社の商品と並ぼうとも「ここのものがいい」と選んでもらえるように……要は、他社と差別化して「〇〇といえばこのブランド!」と認識してもらうまでのロゴ制作や商品開発、PRなどを行っていく一連の活動をブランディングといいます。
今回は、このブランディングについて「人生は上々だ的ブランディングはこうだ!」という事例をご紹介したいと思います。
それは、靴下でお客さんを笑顔にしようと奮闘する手袋問屋さんのリブランディングのお話。
手袋屋さん、しかも問屋さんがなぜ靴下の製造業を始めたのか?
そこには問屋時代から現在まで、一貫して変わらないある想いが隠れていました。
デザインがさらにおいしくなる話vol.19【株式会社フクシン】前編
1.株式会社フクシンとは
株式会社フクシンは、香川県東かがわ市白鳥町にある手袋屋さんです。
東かがわ市といえば、香川県民なら誰もが知る手袋の名産地。フクシンさんは元々この地で手袋の卸業を営んでいました。
数年前から靴下の製造にも着手し、事業を拡大。デザイナーさんとコラボしたり、色んなブランドを立ち上げたりしてはみたものの、どれだけブランド名が有名になってもフクシンの名前は表に出ず、置いてけぼりを食らっていました。
今回は「そうこうしてる間にブランドを立ち上げすぎて、しっちゃかめっちゃかになってしまった!」とフクシンさん自身のリブランディングのご依頼をいただいたのです。
実は、人材や商材が増えて企業が成長していく過程で元々掲げていたスローガンの軸が揺らいでしまったり、あやふやになってしまったりというのはよくあることだったりします。
しかし、どんな企業にも事業を始めるに至った想いや出来事はあるはず。
「そもそもなんで問屋さんが製造業をやってるんですか?」
そんな素朴な疑問から、フクシンさんを深掘りしていきました。
2.問屋さんがものづくりをはじめた理由
一般的に、工場で作られた商品は問屋さん、小売り業者さんなどいくつかの企業を経由してユーザーのみなさんの元へ届きます。
なのでみなさんのご意見、ご要望も同じように小売業者さん、問屋さんを介して製造工場へ伝わります。
実は結構長めの伝言ゲームを経ないとユーザー側の声は商品に反映されないんですね。
フクシンさんは、元々上の図で言うところの丁度中間的な立ち位置にありました。
しかし、あるときふと思ったそうです。
「社内に工場を持った方が、ユーザーの声をより正確に、より素早く商品に反映させられるのでは?」
お客さんがいくら「こうしてほしい!」とご意見・ご要望を寄せてくださっても、製造業者さんによっては「うちでこれはできないよ」と断られてしまうこともあったそう。
そんな無理難題にも、自社内でなら果敢にチャレンジできる。
よりよい商品を届けたい。
その一心で製造業にも手を伸ばしました。
実はここに、フクシンさんだけの強みがあったのです。
3.フクシンの強みと想い
フクシンさんは元は卸問屋。問屋ゆえに製造に関するノウハウでは製造業者さんに敵いませんでしたが、その代わり他とは比べものにならないほど多くの販路を持っていました。
販路が多いということは、それだけお客さんの声がたくさん集まるということ。そんな会社が工場を持てば、多くの声から商品をより緻密に分析し、それをそのまま社内でスピーディーに商品化・改良できる。
製造業としては弱点とも思われていた「元は問屋だった」ことこそが、実はフクシンさんの一番の強みだったのです。
そして、製造業を始めたのも、元を辿ればお客さんを想ってのこと。
「お客さまのご要望を商品に反映させて、よりよい商品を届けたい。そしてお客さまに笑顔になってほしい」
これこそ、フクシンさんが問屋時代から変わらずに持ち続けていた想いでした。
4.想いから生まれたクリエイティブ
この想いを元に提案したブランドスローガンが、こちら。
手袋、靴下など関係なく、フクシンさんがずっと持ち続けた想いを素直にそのまま表現しました。
そしてこちらがロゴマークです。
シンボルマークはフクシンのF。
ブランドスローガンの「たくさんの笑顔を紡ぐ」から、笑ったときの口の形に見えるように。また、香川県の手袋発祥の地でありフクシンさんが本社を構える香川県東かがわ市白鳥町から白鳥のイメージで作っています。
「フクシン」のタイポグラフィーは、満足感、笑顔などのワードからやわらかいイメージを連想して、あえて小文字で「fukushin」と書きました。
さて、こうしてブランドスローガン、ロゴマークが決まり、ここからアウターブランディング、インナーブランディングへと展開していきます。
会社の核となる部分が明確になったことで、フクシンさんはどんな風に変わっていったのか?
フクシンさんが歩み始めたセカンドステップについては……
次回へ続く!
to be continued……
「デザインがさらにおいしくなる話」とは?
CREDIT
Creative Direction:村上モリロー
Art Direction:村上モリロー
Graphic Design:村上モリロー
Creative Produce:村上モリロー
株式会社フクシン
〒769-2705
香川県東かがわ市白鳥78番地1
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