インセルと呼ばれる人達

 こんばんは。
 今日はちょっと物騒なお話になります。

 皆さんはインセルという言葉、ご存知でしょうか?正式名称は“involuntary celibate”といい、「不本意の禁欲主義者」と「非自発的独身者」の2語を合わせた混成語です。簡単に言うと、望んでいるにも関わらず、恋愛やSEXのパートナーを持つ事が出来ず、自身に性的な経験がない原因は対象である相手にあると考えるインターネット上のサブカルコミュニティのメンバーを指します。
 
 インセルは主に「非モテ」、もっと細かく言えば、モテない男と連動して考察される事が多いですが、敢えて僕は別の視点から書いていこうと思います。

1 インセルの語源

 元々はカナダ人女性によって考案された言葉で、本人はパートナーがいない男女を支援する目的でウェブサイトを立ち上げましたが、いつの間にかインターネット上に集う女性蔑視主義者を指すものとして使われる様になりました。

2 インセルの思想

 SEXや性的魅力は生まれた時から公正ではなく、それを認識しているのは自分たちだけだという「レッドピル(赤い錠剤)」と「ブラックピル(黒い錠剤)」と呼ばれる理論を崇拝しており、多くのインセルは籤引きの負け犬で、為する術がないと考えています。また、自分達がポリティカル・コレクトネス(政治的妥当性等)によって不当な中傷を受けている少数派だと考えています。
 彼らは性的魅力がある男性をチャド、チャドばかりを選ぶ性的魅力がある女性をステイシーと呼び、敵視しています。

3 実際にあった事件

 2014年5月にカリフォルニア州で、インセルを自認するエリオット・ロジャーが銃を乱射して6人を殺害しました。ロジャーは女性たちへの復讐を謳う文章をネットに書き込んでおり、これ以後、インセルのコミュニティでロジャーは英雄視されるようになりました。その後もインセルを標榜したテロが続き、例えば2015年10月にオレゴン州の短大で26歳の学生が9人を殺害したあげく自殺した事件、2017年12月にニューメキシコ州の高校で2人が殺され犯人も自殺した事件、2018年2月にフロリダ州の高校での17人が殺害された銃乱射事件、2018年の4月にカナダのトロントの路上でレンタカーが通行人に突っ込み10名を殺害した事件などがあります。犯人たちはいずれも、エリオット・ロジャーを賞賛する書き込みをネットにしていたか、あるいは犯行声明に残していました。

4 今後もインセルは増え続けるのか?

 前項までは、ほぼWikipediaからの抜粋でしたが、ここから僕の考えを書いていこうと思います。
 これまでの事件は、全て海外で起きていたものですが、今後日本でも起きない保証はありません。
 「情報社会の進化」と「良い意味でも悪い意味でも平等になった」今だからこそ、インセルは生まれ得ると思います。
 人間は差をつけたくなる生き物です。差がなくなれば、どうしようもない事まで指摘して自分が優っていると主張する者も出て来ます。
 勉強やスポーツ、仕事はある一定の水準までは努力でカバーは出来ます。けど容姿を変えたり、パートナーを見つける事は容易には出来ません。自分の努力ではどうしようもない事もあるのです(経済的格差、生まれ育った環境、信条等)。しかし、ここで作用するのが古い価値観。「男は所帯を持ってこそ一人前」、「独身者は出世出来ない(出世させない)」等がその最たるものです。最近は都心部では、そういった考えも薄れて来ましたが、地方ではまだ残っており、実際僕もそれが原因で昇進が遅れた事もあります。
 また、最近何かとイケメン、ブサメンという言葉が氾濫し、マスコミが意図的に容姿で差をつけるように世論を誘導しているようにも思えます。昔からありはしましたが、この傾向は2010年以降、特にひどくなったと思います。
 その結果、容姿に難がある人、自信のない人はバッシングの対象となり、仕舞いにはその人の存在自体も否定されるようになる。加えてパートナーがいない事をなじられ、または気にし出して負のループに陥ってしまう。これは同調圧力と同じで「決まった枠にはまっていない」人を排除対象にする事と似ていますね。
 他にも何か事件があると、容姿に難がある人を犯罪者に仕立てたり、色々事情があって結婚出来ない人の事を欠陥品扱いしたりと、枚挙にいとまがありません。
 かと思えば2009年の外国人講師殺害事件の犯人である市橋達也はイケメンだから無罪だという明らかに狂った思想や2001年から2005年にかけて起きた北海道・東京連続少女監禁事件の犯人が、これまたイケメンだからという理由で持て囃され、「イケメンに悪い人はいない」などと宣う輩まで出てくる始末。
 悪しき平等からくる同調圧力と周りに合わさなければならないという強迫観念を呼び起こす圧力。そのくせ他人より上位に立ちたいという矛盾。
 何も男性に限った話ではないですが、こういった事が積み重なってインセルが生まれるのではないでしょうか。

5 対策

 では、どうすればインセルが生まれないようになるのか?残念ながら有効な手立ては無いと思います。人間が不完全な限り、こういった事象はまた起こります。
 強いていうのであれば、人それぞれお互いの良い所を見つけ、尊重し合う事。そして情報に左右されない強い心を持つ事でしょうか。
 簡単そうで難しい事ですけどね。
 「非モテ」もそうですが、「いじめ」とも連動してインセルは生まれると僕は考えます。

6 **最後に**

 インセルというと「非モテ」と連動して書かれる事が多いのですが、今回は敢えてそれには触れずに書いてみました。
 他の方の記事はちゃんと纏まってますが、僕はまだまだですね。
 これからも多くのテーマに触れて、文章力を鍛えていこうと思います。

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