今まで見てきたブラック企業の話


 はい!やってまいりました。孝太の雑録。

 今日はですね。僕が見てきたブラック企業についてお話します。中傷的な表現や私情は極力挟まずに書いていこうと思います。

1 「俺が大変だったんだから、お前らも同じ思いをしろ」という共感の押しつけ

 まずは、僕が16年前に一時いたことのある会社です。ここは自分の職歴にも入れたくないくらい、短い期間しか在籍していなかったのですが・・・。とにかくでたらめというかまともな理屈が通じない所でした。
 トップ曰く「仕方なく労働基準法に従っている」とのことで有給休暇は基本的に認められず、「長く勤めたら長期休暇を与えるから良いだろう」という考えでした。しかし、今ほどでないにせよ、この時から有給休暇は付与するように国からお達しは出ていましたので就業規則にも明記しなくてはいけないし、どんな形であれ付与しなければなりません。
 とはいえ、トップは納得がいかない様子。「俺が若いときは休みなく働いていたんだ!苦労もせず、楽することは許さん!」が持論だったわけですから、それも無理もないでしょう。で、最悪の決定をくだします。それは・・・

夏期休暇及び正月休みの廃止

これですよ。いや~、やっちゃいましたね。よほど有給休暇を使われることが腹が立ったんでしょうね。それにここで消化させれば、長期休暇も与えなくても良くなるから一石二鳥と思ったんでしょう。

 当然ながら残業も「成果なき仕事には与える必要なし」との事で手当は付きませんし、賞与もなし。給与も担当した事業が成果を上げれば少しの間は多額をもらえるものの、一定期間過ぎて効果がなくなれば、下がりますし、失敗でもしようものなら、初期状態に近い額にまで戻されるので、報酬月額の随時改訂(社会保険手続き)がしょっちゅう生じていました。
 ちなみに残業しないで帰ろうものなら、トップから秩序を乱した懲罰と称し、泊まり込み勤務もしくは長期の終電までの残業を強制されます。

 当時は今ほどコンプライアンスに厳しい時代ではなかったので、ある意味会社のやりたい放題でした。そのせいか就職氷河期にも関わらず、ここはかなり離職率が高かったです。かくいう僕も短期間で辞めました。

2 相互監視と異常なコネ社会

 1件目も相当なブラックですが、次に紹介する所は更に輪をかけたブラックぶりでした。長時間残業とパワハラについては別の項目でお話しましたので、今回は他の面についてお話します。

①自社(関連企業)以外の人と付き合ってはいけない

 詳細は書き控えますが、この企業は某大手企業の関連企業でした。しかもその業界はかなり閉鎖的であり、いわゆる官僚社会でした。
 独身者は強制入寮だったし、社内(グループ)行事が多く、休日も駆り出されることが多かったので、プライベートな時間は殆どありませんでした。
 更に暗黙のルールで「他社(関連企業除く)の人とは付き合ってはいけない」というものが存在し、全く関係のない企業に勤めている友達がいることがバレれば、裏切り者扱いですし、秘密を流しかねないと危険分子扱いすらされました。ある社員が「俺は会社の人以外、誰とも付き合わないんだ!」と嬉々として話しているのを見た時はゾッとしましたよ。

②SNSチェック

 そして異常だったのがSNSチェック。当時主流だったmixiの日記を確認し、内容を上司に報告して、会社の意にそぐわない物であれば、即粛正です。僕も同僚からmixi日記をプリントアウトされ、上司に渡されたことがありました。大した内容ではなかったのですが、日曜日に電話がかかってきて、散々文句を言われました。後日同僚にその旨、文句を言ったら返ってきた言葉が「俺は報連相をしただけだ」と逆ギレ。それから彼と話すことがなくなったのは言うまでもありません。
 こういうことがあったので当然ながらSNSの公開範囲を狭めますが、今度は別の同僚からその事について文句を言われたときは、「監視社会も極まれりだな」と呆れました。

③コネ入社が異常に多い、しかもVIP扱いされている

 特に納得できなかったのはこれですね。
 役員の子弟、親戚、親会社の社員の関係者、子弟、親戚には異常に甘かったですよ。まず残業はさせない。早く出世させる。当然彼らも自分の立場が分かっているから、威張り出す。

 呆れたのがこの1件。もうね、何度も余所では話題にしてるんですが、新卒で入った社員がいたんですよ。彼の「お父様」は別の支店の副支店長的立場だった人でね。とにかく特別扱いされており、本来なら新入社員は3畳1間の寮に住まなければならないのに、本社の特別研修生という扱いで、他の新入社員とは違い、広い社宅を貸与されていましたし、新人が参加して準備をしなければならない社内行事の出席も無条件で免除されていました。
 ところでなんで「お父様」という表現を使ったのか疑問に思う方もおられるでしょう。ここからが本題です。
 彼、正直態度が良いとは言えなかったんですよね。言動にも問題があったし、結構チャラチャラしていて素行にも問題はありました。で、ある時課長が彼を呼び出して、その事を注意したんですよ。そしたらどうなったと思います?
 次の日、課長がみんなの前で彼に謝ってるんですよ。一体何があったんだ?と思いましたが、それは後から分かりました。彼の「お父様」が注意したことに対し、課長に怒鳴り込んできたんですよ。まあ、これもパワハラですね(笑)。親バカは結構ですが、非常識もここまで来ると呆れるなと。当然ながらその彼は、誰からも注意されることなくその後も好き勝手に振るまい、異動していきました。同期より早く入社1年で主任になったそうですが、その後の話を聞いたことはありません。

 最早笑うしかないレベルの話ですが、コネ入社の社員はこのような扱いを受けていたので、幅をきかせていたことは確かです。この時の経験が原因で僕は近親相姦もののドラマやAV(アダルオビデオ)が見られなくなりました。創作だと分かっていても嫌悪感が先行し、見ただけで吐き気がするんですよ。それくらい嫌な出来事でした。

④言論統制

 そしてもう一つ。心の底ではみんな分かっているはずなのに「ブラック企業」という言葉は禁句でした。会社がそのような書き込みをされていれば削除依頼を即出していたし、常に気持ち悪いくらい「うちの会社は良い会社だよな~」と社員同士で言い合ってました。それだけに不満から退職する社員は「裏切り者」扱いされていましたし、辞めた後の対処も酷いものでした。

 今思うとこうやって相互の監視が行われていたんでしょうね。

3 家族になろうよ

 最後は、勤めていた職場ではありませんが、転職活動の際に会社説明会を受けたときの話です。ここもね~、すごかったですよ(笑)。

 まず、事前に聞かされていた労働条件と全然違う。正社員スタートではなく、アルバイト→パート→契約社員と段階を踏み、最高位が正社員。もう正社員は神みたいな話でした。しかも「従業員は家族であるから私生活についても遠慮なく意見を言わせてもらう。結婚相手についても例外ではない」と代表が嬉々と話していたのを聞いてゾッとしました。要するに「お前らのことは公私とも管理する」と言うことでしょう。
 当然ながら給与も安いし、どう考えてもブラックなので選考を辞退したことは言うまでもありません。

4 おわりに

 というわけで、今回はブラック企業についてお話しました。何度か取り上げてはいたけど、ここまで長く書いたのは初めてじゃないかな(笑)。
 求人広告の文言である程度は判断できると言っても、会社はやはり入ってみないと分かりません。入社して、そこに長くいる意味があるのかどうか、よく考えてから次の手を考えるのが良いでしょうね。

 今日はこれまでとします。最後までお読み頂きありがとうございました。

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