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部活動について思ったこと

おはようございます。
アフロです。
元中学校数学科の教員であったり、
教育委員会に属したり、
管理職をしていたりしました。
今は好き勝手に生きています。

先日このような記事があったので自分の思ったことを書きたいと思います。

結論から言うと私は部活動に反対です。

私は16年間野球部の顧問をしていました。
当時は数学で野球が指導できる人として採用されたと思っていたので
部活を断る理由はありませんでしたし、
顧問をすることは当たり前でした。
私は運動が得意な方ではなく、
野球もルールを知っている程度
指導なんて何もできませんが、
「とにかく採用試験を通過したい」
という思いから、「指導できる部活動」として「野球」を書いていました。

4月に教員として採用されて二日目に
野球部顧問会議というものがあり、
地区の野球部顧問が集まり、
春季大会の打ち合わせや、組み合わせ抽選会がありました。
何もわからないまま対戦校が決まり、
1週間後に大会が始まり、
サインも選手交代の仕方もわからず、
3回コールドで負けました。
今思えばそこまで実力差のあるチームではなく、
選手もそこそこのレベルにあったので、
ピッチャーの調子を見て二番手に変えていれば、
また、出塁後に送りバントなど作戦を立てていれば、
このような結果にはならなかったと思います。
しかし、教員に成り立てで授業もままならない中、
野球の指導も何もあったものではありませんでした。

結局そのまま何もできず
練習試合もすることなく夏の大会を迎え
あっという間に初戦敗退で、
3年生の夏は終わってしまいました。

今思えば、子どもの気持ち、保護者の気持ちなど
相当なプレッシャーがあったのだと思います。
そんなことも感じないほど周りが見えていないままの2ヶ月でした。

部活動の顧問はその分野の専門家がなるわけではなく、
そもそも専門家という表現も曖昧です。
そのような中で、中学生になる児童や保護者たちは
部活動に期待をして入学してきます。

部活動が生徒の学校生活に大きくウェイトを占めています。

当時の私は
何とかしなくてはと思って
野球の指導書を購入したり、
他の学校の先生に質問をしたり、
練習試合をしながら徐々に力をつけていきました。
そのうち、大会も勝ち進むことが増え、
ブロック大会でベスト4に入るなど結果が出せるようになった時に
異動になりました。
異動するにあたって、
一番の懸念材料は次の顧問への引き継ぎです。
次の引き継ぎの方は野球経験ゼロで全く何もわからない方でした。
以前の私を見るようで、
私に引き継ぎをされた方も同じ思いだったんだろうなと思いました。
・練習メニュー
・選手の性格
・大会のオーダー
・練習試合をしてくれる学校のリスト
自分が困ったことを繰り返さないように全てノートにまとめて渡しました。

中学校の野球は春、夏、秋の新人戦の大会があり、
長い冬の練習期間を経て春の大会に向かいますが、
その春の大会に冬の練習期間を指導してきた顧問が異動となると
一緒に春の大会を迎えることができません。
異動することを事前に生徒に伝えることはできないので、
3月中の春休み中の練習試合が、
その生徒と私の最後の試合となりました。

4月になり、私は新しい異動先でまた、
野球部の顧問として関わることになりました。

その時、前の学校の野球部のキャプテンが
どうやって調べたのか、
私の携帯電話に電話をかけてきて
涙ながらに「このままじゃ春の大会で勝てません」と言ってきました。
当たり前のことですが、新顧問は全くの初心者なので、
4月からの1週間全く練習ができずに大会を迎えるとのことでした。
私も新天地での部活もあるので、
何も力になれず、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
大会の結果を知るのも怖くて、
今の活動に全力をぶつけました。

新しい学校では
今まで以上に部活動に力を入れ、
週六日の活動
土日は練習試合
年間で200試合ほど行っていました。
本当に休みは正月の三日間だけ
ひどい時は1月3日に練習試合を入れました。
有名なチームは練習試合がなかなか組めなかったので
その日しか空いていなかったからです。
今思えば相当狂っていました。
結果がそれなりに出ていたので
それも狂った原因だったのでしょう。
保護者も、この部活であればいい結果を残せる。
高校にアピールすることができる。
と思っていたのでしょう。
苦情は皆無でした。

私は家庭を顧みず、
長男は気づいたら小学校に上がっていました。
今でいうワンオペを妻にさせていました。

ここまで書いていると
相当部活動に傾倒していたことがわかると思います。

もし、部活動がなかったら、
上記の内容は一切なく、
自分の授業、その他の生徒にも力を注げたと思います。
私はさいわいにして、その部活にハマることができたから、
心を病むことはありませんでしたが、
(大会に勝ち進むと眠れなくなることがあったので病んでいたかもしれない)
苦痛と感じてしまったら、
学校、生徒、保護者からのプレッシャーに押しつぶされてしまうと思います。
(苦痛でなくても保護者からの勝って当然というプレッシャーは激しかったです。)

学校は学びが楽しいと気づくところ
みんなで楽しく生活するところ
決して、辛い経験を良しとする場所ではないです。
根性も気合も人から強制してもらうものではありません。
一つ指導を間違えるとそうなりがちなのが部活動です。
信頼関係があれば、体罰は仕方ない
そんなこともありません。
人が人を攻撃することに正当性はありません。
狭い人間関係の中で、
闇に隠れてしまう悪き風習が部活動には潜みがちです。
長年、教師の善意につけ入れて
部活動を続けてきた結果が、
今、歪みなって出てきています。
地域移行が簡単に進むとは思いません。
しかし、歪んだ状態を治すには部活動に関わるすべての人に
何かしらの我慢が必要になると思います。

部活動は日本の教育の歴史のたった数十年の中で作り上げられた。
悪き風習です。
良い面もあります。
しかし、それを凌駕する悪い面があります。
良い面だけを見て悪い面を見ないのはいいのでしょうか?
悪い面の改善が必要です。
やっとそれを考えるきっかけが生まれてきました。
これからの変革に期待しています。

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