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自分視点で街を編む"主観的地図"

京都中央市場外にあるクリエイターが集うシェアオフィス兼シェアハウス"REIDY"
元乾物屋をリノベーションして作られた空間は、おしゃれだけれども、懐かしくもあり、暖かさのあるそんな空間。


そんなREIDYオープンDAYに合わせて開催されたのが、タイトルの通り"主観的地図"を作るワークショップである。



地図は全て主観的
地図は客観的事実と思いがちだが、改めて地図を眺めてみると、そこには強調されている情報と抜け落ちている情報があることに気づく。
例えば観光ガイドブックの地図は、本書に記載があるスポットが強調されているし、google mapですら個々の検索歴等に応じて表示内容が変わると言われている。地図は思った以上に意図的で目的のあるもののようだ。

地図と一緒に街を歩く
世の中には公の施設が作った地図以外に、個人が独自の視点でみた街の姿を描いた地図も存在する。個人作成のオリジナル地図は縮尺が正確でなかったり、欠落している情報も多かったりするため、目的地に迅速にたどり着くためには不適かもしれない。しかしながら、このオリジナル地図に"ここロマンティックで素敵な場所だよ""オーナーのユニークで楽しい""ここは水の流れ聞こえてリラックスできるよ"なんて書いてあれば。そんな人となりを感じられる地図と一緒に街を歩けば、誰かと一緒に冒険している、そんなワクワク感を味わうことができるだろう。



主観の入った地図≠主観的地図

では主観的地図とは一体なんなのだろう。世の中の地図は全て主観的地図なのかと言われると、判断が難しいところであるが、わたしはNoと答える。確かに地図は全て主観的が入ったものではあるけれども、主観的地図とはもっと個人の感情や視点を織り交ぜた、その人のオリジナルな世界観を表現するものだと考えているからだ。例えば、観光ガイドブックの地図は、載せるべきスポットが明確であり、誰が作っても類似の地図になる。しかし、主観的地図は個々人の視点で書かれたものであり、好きなお店、ゴミ箱擬人化マップ、音を集めたマップ など、仮に同じテーマで作ったとしても、同じものはできない、作者らしさが溢れる個々独自のプロジェクトなのだと思う。


いざ、地図を作りに街へ
ということで実際に京都中央市場周辺を散策し、主観的地図の作成を始めた。
今回のワークショプでは、事前にカードを引いてそのお題をヒントに街を歩くというもの。わたしのテーマは"="と"〜"。音など言語化されたテーマもある中、引いたのが全て記号という強運!?に思わず笑ってしまいながら、元々持参したカメラも活用したいなぁと思っていたので、街を歩きながら=と〜を探しに街にくりだした。



それぞれの主観的地図
最後は参加者20名で1分間で地図をシェア。屋根に注目し、屋根の形を記録された地図や、ペラペラしたものを探して最終的にペラペラ喋る店主をみつけた地図、におい地図など、同じ街を同じ時間帯に歩いたにも関わらず全く異なる地図が20枚出来上がった。今回はショートバージョンのワークショップだったため、これにて終了だったのだが、意識を変えるだけで見える世界が異なること、地図を通じた世界観のシェアの面白さを体感することができた。
この他にも気になった場所をピックアップし、地図上にピンで示すというワークもあり、こちらでは異なる視点を統合することで一つのユニークな街案内が作られていた。

日常生活で、自分の見ている視点やお互いの視点をシェアする機会は多くはない。
地図という世界共通のツールを使い、改めて視点に注目することで、普段忘れがちなことに気付けたり、毎日が少しワクワクしたりする。主観的地図はそんな楽しみを私たちに与えてくれるものなんだろう。

おまけ

世界の様々な生活を感じる Traveling Circus of Urbanism
今回の講師杉田真理子さんが作られているZINEやWebサイト。
世界のローカルをグローバルな視点でみるそんなヒントをもらえる取り組みです。


新しい地図の形 Stroll+Story =“Stroly”
今回のワークショップで講師を務めてくださったStrolyさん。
皆さんの地図愛に圧倒されました。地図を通して感じる歴史や生活といったストーリー。サイトではユニークな地図をみることもできるのでオススメです。




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